ソロライブ延期のお知らせと、その理由。「くすぶったままの2~3音の高音」

私は昨年(2019年11月)開催したソロライブの折、「次回ソロライブは、来年の私の誕生日頃、2020年3月に開催いたします!」と豪語しましたが、これを”あまりにもあっさりと”撤回いたします。

前回のソロライブにおいて、私は「一回のライブで40曲を歌う」というテーマを掲げ取り組み、それを実行することができました。この試みは、未だ道半ばな私のボイトレ人生の、一つの大切な通過点として、とても意義のあるものとなりました。

「40曲歌う」が成功するかどうかは、純粋に声のスタミナの問題であり、そのスタミナに関わる喉の機能的な安定を、私自身が練習の中で、そして本番のライブに於いて、身をもって確認することができました。

そんな、上記ソロライブおいて取り上げた曲目は「全曲、男性ボーカル用の曲」でした。

実は、次のステップとして私は「女性ボーカル用の曲」を取り上げようと考えており、次回ソロライブの開催タイトルを「フェミニン・ボイス」とすることを決めていました。これは、その演目の半分を「女性ボーカル用の曲」で構成しようとする試みです。

ところで、一般的に、シンガーは「歌える曲を、ある程度限定すべきである」と考えられています。「声帯やその他の喉の部位は、大きさや形・動きの良し悪しなど、皆それぞれに違うものを持っているため、出せる声には限界がある」という理屈です。

「人は皆それぞれ、出せる声には限界がある」ことは、残念ながら事実であると思います。ある人が、訓練の末に”今の声質を保ったまま”1オクターブ高く歌うことは不可能でしょう。(声のトーンを変えるなら、それは瞬時に可能となります。極端にいうと”全部裏声で歌ってよいなら”)

ただし、私は「今より2~3音、高く歌うこと」は、訓練によって可能であると考えています。そして、それが可能なら”或る程度の高さの”「女性ボーカル用の曲」を歌うことができます。「”普通の”女性ボーカル用の曲」の最高音は、「”少し高音の”男性ボーカル用の曲」の最高音と、思うほどには差がなく、せいぜい2~3音高い程度です。※ただし、このことには注意が必要です。それは後述します。

私も含め、「女性ボーカル用の曲を歌いたい」と願う男性シンガー(特に、多少なりとも高音に自負のある人)は多いものですが、その人たちにとって励みになる言葉があります。それは「喉にとって一番大切なのは、”その使われ方”である」という、古い時代のボイストレーニングからある定説です。

「ほんとんど全ての人間は、(部品が揃っているという意味で)完全な喉を持っている」という解剖学的事実があるのに、「上手に歌える人と、全然歌えない人がいる」のはなぜが・・・その理由は偏に「(筋肉等の”目覚め”も含めた)喉の使われ方」の問題であるといわれています。

「歌えない人」でも、長くボイストレーニングに励んだ末に「歌える人」になりますが、これはその人が「(部品が揃っているという意味で)完全な喉を持っていたこと」と「その使われ方が悪かったために”歌えない人”に甘んじていたこと」の両方を証明します。

さて、シンガーとしての私の中には「喉の”使われ方”が悪いために、くすぶったままの2~3音の高音」が存在していると信じています。そして、私はその「くすぶったままの2~3音の高音」を解放することが、まだ出来ていません。だから、私はまだ「女性ボーカル用の曲」を歌うことができないので、「フェミニン・ボイス」というテーマでソロライブを開催することができません。

以上が、私がソロライブ開催を延期する”ただ一つの”理由です。

上記の中で「男性ボーカル用の曲と、女性ボーカル用の曲の最高音の差。それはたった2~3音」と書きました。譜面上は、それは確かにそうです。それどころか、男性でも”ほんの数音だけなら”女性ボーカル用の曲の最高音に届くことさえあります。けれども、これをあまり楽観的に考えてはいけません。そのシンガーの音域の適性を見極めるためには「その音を、どれだけ長く続けて歌えるか」や「その音を、(母音や音質の面で)どれだけ明瞭に発声できるか」の方が指標とされます。”明瞭な発声を長く続けること”の難しさは、色々な歌を歌っていくうちに体で実感できると思います。

 

以上、ご精読ありがとうございました。

筆者のプロフィール、ボイトレへの考え

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