40歳からのボイトレ。四十の手習いなんて言わせない!40歳はむしろ早いスタート

先日、知人と呑んでいたのですが、その彼、半年ほど前からピアノのレッスンに通い始めたとのこと。

「やっと仕事も落ち着いて、子供も手が離れたから。四十(しじゅう)の手習いだよ!」と笑いながら語ってくれました。

彼曰く「一度にたくさん練習する時間はとれないので、寝る前に30分とか細切れに練習しいる」との事でした。

そして、彼はピアノの先生の薦めで「必ず毎日」練習を続けているそうです。

ボイトレにしても他の楽器にしても、やはり毎日継続はとても大切です。

ただ、ボイトレの場合は工夫すれば日常の中でも少しずつ声を出していくことが出来ますが、ピアノではそれは難しいですね。

やはり、ボイトレの練習し易さは格別ではないかと、改めて思いました。

さてそんな夜、その彼が四十の手習いなら僕自身もそうだったよなあ・・・と、フースラーメソッドに出会った頃の事を思い出しました。

2016年の秋から、僕自身のトレーニングは今のスタイルになりました。(僕自身が毎日行うトレーニングのことです。当時はまだトレーナー活動はやっていませんでした。)

僕は、このブログの中で再三「ボイトレを始めるのに年齢は関係ありません」「何歳からでも声は変えられます」と書き続けていますが、僕が確信をもってそのように書けるのは「僕自身が40代半ばから声を変える事が出来た」からです・・・

この記事は、そんな内容で書き進めていきたいと思います。

お付き合いください。


「楽器の練習」と「声の訓練」はそもそも別次元のものです

まず、ピアノなどの楽器を40歳からスタートさせることと、ボイトレを40歳から始めることは、似ているようで実は全く別次元のことだと考えてください。

「ピアノの鍵盤を叩く」という動作は、人間に生まれつき備わった運動ではありません。なので「ピアノは小さな頃から習わせるべき」という意見はとても真っ当なものだといえます。「鍵盤を叩く」という人間にとって”不自然な”運動は、身体の成長が終わるまでに身に付けておくことが必要だ、ということでしょう。

一方「声を出す」という能力は、全ての人が生まれながらに持っています。それこそ生まれた瞬間からずっとずっと、僕たちは一日とて、声を使わないで過ごすことは難しいでしょう。

 

人間は皆「声のプロ」である

「ピアノのエリート」「ピアノの英才教育を受けた」・・・小さい頃からピアノを学んでいる人のことを、そんな風に表現します。

では、声に関してはどうでしょう?生まれて”オギャー”と力強く産声をあげて、保育園の運動場で甲高い声で叫んだり歌ったりしていた幼少時代・・・

人間は皆「声のエリート」「声の英才教育を受けた」と考えられます。

では、なぜ成長するにつれて「歌えない」人でいっぱいになってしまうのか・・・それは「声の使い方」「歌い方」を忘れてしまったからです。

フレデリックフースラーは「声の訓練とは”治療”以外の何物でもない」と書いています。

もともと”エリート”だった人が、声の正しい出し方を忘れてしまった。なので適切にリハビリをして再び声を取り戻し、”元通り”歌えるようになった・・・やはり楽器の練習とボイトレは次元の違うものなのです。

 

「あなたは歌い慣れてるから、40歳からでも上手くいったんでしょ?」は誤解です

上に書いたように、僕は40代半ばで正しいボイトレ方法をようやく知ることになり、声を変えることに成功しました。(実際にはまだ道半ばですが、数年前と比べると僕の声は”劇的に”変化しています)

そんなことをいうと、誰かはこう言います。「あなたは素人ではない!ずっとステージで歌って来たでしょう?だから40代半ばでも声を変えることが出来たのだ!アマチュアの私たちにはそんなことは無理だ」と・・・

けれど、その意見は正しくありません。

なぜなら、声は間違った使い方をすればするほど激しく”固着”してしまうからです。

数年前までの僕の声は、まさに”激しい固着”そのものでした。音程を強い息でしか稼ぐ事ができない、つまり高い音は”大きな声”でしか出せなくなっていました。腹式呼吸という悪癖が身に付いたおかげで高音は常にフラットし、地声と裏声の間には大きな断絶が出来ていました。今まで何年も間違った声の出し方を続けてきた”負の遺産”が、僕の声には染み込んでいました。

「アマチュアだから、素人だから、声を変えられない」は、むしろ逆です。何も”負の遺産”を負っていない声は、僕の声よりも早く変える事が可能かもしれません。

僕は、レッスンをしていてこのことを強く感じています。例えば、音楽仲間の後輩はフラジオレット(超高音)を出す事にとても苦労していますが、歌の経験がほとんどないアマチュアの人はそのフラジオレットをいとも簡単に出せてしまったりします。

フラジオレットは声の(特に高音の)可動域を広げるためには必ず必要な声です。

このように、今まで歌の経験があまりない人の方が、早く声を変えられる可能性は充分にあります。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

結論は、やっぱり「ボイトレを始めるのに年齢は関係ない」ということになります。

「四十の手習い」という言葉は慎ましすぎる消極的な意味を含んでいますが、ボイトレに関してはもっと積極的な気持ちを持つべきです。

いやむしろ40歳は早い方かもしれません。

仕事が安定して、お子さんも大きくなり、やっと自由な時間を持てるようになった・・・

そんな40代の方は、ぜひボイトレをスタートさせ、声を変える冒険に踏み込んでみてください。

 

以上、ご精読ありがとうございました。

筆者のプロフィール、ボイトレへの考え

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