たくさん歌う練習。「人間は本来歌える生き物である」を励みに歌いまくる日々。声の調子の波にセオリーは感じません。

もう56年くらい前になるでしょうか、無謀にも僕は「マラソンに出たい!」なる夢を語ったことがあります。身体を動かすことが大好きな旧友の影響を受け、また当時の仕事仲間がマラソンを完走したこともあり、僕はかなり真剣に「マラソン出場」を目標に掲げて、事あるごとに吹聴したり、時にはライブのMCで公言したりしていました。今より体重はずっと軽く、何年か分若かったこともあり、生まれて初めて芽生えたマラソン挑戦という野望に酔いしれ、やり慣れないジョギングに精を出していました。けれど、ある出来事をきっかけにして僕のマラソン熱は急激に萎んでしまいました。

ある夜、京都の繁華街で飲んでいた僕は「今日は自宅まで歩いて帰るぞ!」と心に誓っていました。宴会の場所は京都市内の東の外れ、一方僕の自宅は西の外れに位置しています。「京都市内を横切るんだ。こりゃーマラソンの予行練習としては恰好だ」ということで歩き始めましたが、これはもう地獄の苦しみでしたね!進んでも進んでも一向に近づかない目的地、夏ということもあり何も楽しいことはなく、ただ辛いだけでした。どうにかこうにか自宅までたどり着いて、さてどのくらいの距離を歩いたのだろう、と考えてみました。途中でタクシーに乗ろうかと考えるほど辛かったのです、僕の感覚では25キロ、いや30キロは歩いたかなあ、という印象です。ところが早速、宴会場から自宅までの距離を計測したところ、なんとたったの13キロ!

次の日から僕はすっかりしょげて、マラソンに出場するなどとは決して言わなくなってしまいました。同時に、マラソン出場経験のある旧友や仕事仲間が、まるで偉人に見えました。何しろ僕が歩いた距離の二倍近くを走った人達なのですから。

さて、僕は今、来たる2019113日に開催予定のソロライブに向かって練習中です。今回のソロライブでは「ボイトレと声の耐久性」に関するテーマを掲げ「40曲歌う」と明言して取り組んでいます。フースラーメソードを丸3年に渡って練習し続けた僕自身の喉を実験材料に「声のスタミナは育つ」ことを証明しようとする試みです。

もちろん練習でも「40曲歌う」ことを何度かこなしておかなくてはなりませんので、そんなマラソン練習的なものもやっていますが、シンプルに言って、やっぱり40曲って想像以上に多いですね!今僕は、歌いたい曲を40曲、机上でリストアップした時には予想もしなかった連続歌唱の難しさに直面しています。練習ではいつも、曲目リストを傍らに置きながら淡々と曲をこなしていくのですが・・・歌っても歌っても全然終わらないんですよ!まさにあの夏の日の経験と同じ「これだけ歌ったのに、まだ20曲か!」てなもんです。ゴールが見えない怖さすら感じます。

さて、実力のあるシンガーの声は疲れません。彼らの喉は、人間が本来的に持っている「歌う」という属性に基づいて、ただ自然にそうしているだけなので無理が生じない、だから彼らは一晩中でも歌い続けることができる。これは、フースラーメソードの根幹的な考え方です。

「歌手の〇〇、コンサートで40曲を熱唱!」そんな文字が踊っている雑誌をよく目にしますが、練習のたびに彼らの偉人ぶりを実感できているだけでも今回のソロライブの企画は、僕にとって大きなボイトレ的意義があると感じています。

本番までまだ少し時間があるので、引き続き練習を重ねて、偉人達の喉の秘密、声の神秘に少しでも触れることができることを願っています。

↓以下、練習の備忘録です↓

10月11日=60曲10月12日=40曲、10月13日=10曲、10月14日=40曲10月15日=40曲、10月16日=23曲、10月17日=8曲、10月18日=40曲、10月19日=15曲、10月20日=0曲、10月21日=42曲、10月22日=12曲、10月23日=40曲、10月24日=10曲、10月25日=40曲、10月26日=20曲、10月27日=40曲

上記赤文字9回、40曲/日達成しました。「本番までに40曲×12回歌う」の目標まであと3回なので、これは達成できそうです。

調子の波はランダムに激しく襲ってきます。「歌い過ぎた次の日は調子が悪い」とか、そんなセオリーは無いようです。ただ、この練習をスタートさせた当初の方が、むしろ声の調子は悪かったと思います。きっと話し声もおかしかったのだと思います。何人かの人から「風邪をひいたんか?」と聞かれました。今はもう大丈夫です。

8曲/日、10曲/日、はたまた0曲/日なんてこともありました。残り一週間、とにかくたくさん歌う毎日を過ごしたいと考えています。「人間は本来歌える生き物である(フースラー)」・・・この言葉を励みに、本番まで、歌って歌って歌いまくる所存です。

 

以上、ご精読ありがとうございました。

筆者のプロフィール、ボイトレへの考え

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