弾き語りよりバンドのボーカルの方が難易度は高い。自分の声が聴こえない事も!

「ボイトレ教室の発表会」「友人たちとのカラオケ」「ライブで歌う」・・・ボイトレしてきた成果を聴かせる、歌の発表の場は様々です。

いずれも、自宅でボイトレしている時とは違う環境で歌う事になるので、大なり小なりの「とまどい」を感じながら歌わなければいけない場合もあると思います。

その「とまどい」の原因もまた様々です。「お客さんに見られている事による緊張」「カラオケでお酒を飲みながら歌った」・・・

その中でも「自分の声の聴こえ方(モニター)」に関する違和感・とまどいは、相当なベテランでも、喉の不自由さの大きな原因となってしまいます。

特にライブで歌うシンガーにとっては、この「聴こえ方の問題」、所謂「モニター」の問題は、その日「上手く歌えるかどうか?」にまで影響を与える重大事です。

僕自身にとっても、かつては「モニターの聴こえ方」は、いつもその日の声の良し悪しを左右していました。ライブハウスなどの環境が変わるたびに、常に「自分の声が、自分の耳にどう届くか?」を気にしながら、つまり「つまり自分の声が潤沢に聴こえている状態」でないと歌えない時期が続きました。しかし、今ではモニターの状況を以前ほど気にせず歌う事が出来るようになりました。そうなった理由は、やはり「喉の機能回復が進んだ」からです。正しくボイストレーニングする事によって自分の喉の状態をビジュアル化出来るようになり、思い描くままに喉をコントロールできるようになるはずです。

バンドの編成や会場の造りによっても、当然「モニターの聴こえ方」は変わってきますが、シンガーは誰でも「環境に出来るだけ左右されない発声」が出来るようにボイストレーニングを進めていきたいものです。

さて、今回は「モニターの聴こえ方」について、特に「バンドの編成での聴こえ方の違い」について、色々と書いてみたいと思います。

お付き合い下さい。


弾き語りライブの場合

「アコースティックギターと歌」「ピアノと歌」・・・弾き語りライブ形式の場合、モニターの聴こえ方はどうでしょうか?

これは、あまり心配する必要はないと思います。

自分の声以外に聴こえてくる音は、自分自身の弾く楽器の音だけです。

リハーサル通りの歌い易いモニター環境を作ることは、それほど難しくありません。

「リハーサルと本番での聴こえ方の差」についても、あまり心配はないように思います。

 

二人で歌うライブの場合

「アコースティックギター2本と歌」「ピアノとアコースティックギターと歌」・・・このようなデュオライブになると、一人での弾き語りライブと比べてグッと難易度が上がるでしょう。

何しろ楽器の音圧は2倍です。しかも二人でハモる箇所があると「他の人の声を聴いて、それに合わせる」という、とても難しい事をやらなければならなくなります。

「相方の存在」は、ライブを「何倍も」素晴らしいものに出来る可能性があると同時に、「難易度が何倍も上がる」事にもなります。

例えば「相方が本番で熱くなってしまい、ギターと歌の音量がリハーサルよりもずっと上がってしまった」「リハーサルではちゃんとハモリを付けてくれていた相方が、本番ではピッチを外していた」・・・仮に自分は上手く歌える状態であっても、相方の出来によってライブの設計図が狂ってきてしまう事も充分に考えられます。

そういう意味では「ソロライブ」と「デュオライブ」、ステージにいる人数が2倍になったこと以上に「全く別次元の難しさ」が生まれる、といっても言い過ぎではありません。

ライブであれ何であれ「一人」と「複数人」では、難易度の差はとても大きいものです。「自分の事だけ考えていれば良い状態」と「人の事を気にしなければならない状態」では、それこそ雲泥の差があるように思います。逆に「二人」と「三人」の差は、「一人」と「二人」の差ほどは大きくはないのかもしれません。

 

フルバンドライブの場合

ギターにベース、ドラムにキーボード・・・バンド形態のライブの場合は、シンガーにとっては過酷な状況となる可能性があります。

ドラムとベースが入るだけで、音圧と音量はアコースティックライブの比ではありません。

ギターやベースなど「声とは全くトーンの違う」音の洪水の中から、自分の声を探り当てて歌う事になります。

往々にして、バンドの他の楽器の奏者はリハーサルより本番の方が音量が大きくなりがちです。

しかし、シンガーは彼らほど簡単に声量を上げる事はできません。

大音量のバンドで歌うシンガーは「モニターは、聴こえにくい事が当たり前」くらいの心構えで丁度良いと思います。

普段のスタジオ練習やリハーサルで、あまりに「潤沢なモニターの聴こえ方」にばかり慣れてしまうと、本番での「とまどい」とずっと付き合っていく事になります。

バンドで歌うシンガーが、いつでもどこでも環境の違いに左右されずに歌う事が出来るようになるためには、「普段からモニター音量を抑えめにすること」と「ボイトレによって喉の機能回復を進めること」をしなければなりません。繰り返しになりますが、耳のインプットに頼らず自分の喉をコントロールするために一番必要な事は「正しくボイストレーニングすること」です。

 

音量・音圧が増せば増す程、歌は難しくなる

弾き語りライブとフルバンドでのライブでは、「モニターの聴こえ方」という意味でも難易度に相当の開きがあるといえます。

上記で書いてきたように「人が2倍になる」「楽器の音量が増す」に従って、思い通りに喉を動かすことは難しくなってきます。

「バンドで歌っているけれど弾き語りライブもやっている」という人は、モニターの聴こえ方を始めとする歌うための環境を「難しい方」に合わせておいた方が良いでしょう。つまり弾き語りライブの時に「モニターを潤沢にしない」ということです。そうすることで「自分の声が聴こえにくい環境」が当たり前の状態と考えるようにしておいた方が良いと思います。

僕は「バンドで歌った状態」が、そのシンガーの本当の実力だと考えています。弾き語りでは上手く歌えるのに、バンドで歌うと途端に難しくなる・・・こういった人はたくさんいます。やはり「機能回復した自在性の高い喉」とは「大きな音の中で、埋もれず惑わされずに声をコントロール出来る喉」だと思います。ボイストレーニングで目指す先は、そのようなゴールです。

 

まとめ

結論はいつもの通り、「喉の機能回復」こそが全ての問題解決の答えである、という事です。

とはいえ、ボイストレーニングの完成までには、6年~10年かかると言われます。その間に「モニターの聴こえ方へのとまどい」のために実戦的に出来る事というと、「モニターをあまり潤沢にし過ぎない」「聴こえにくい事が当たり前だと思っておく」ことでしょうか。

いつもいつも潤沢に自分の声をたくさん聴いて歌う事は、耳の訓練を妨げるでしょう。そして、長い目でみると「喉の機能回復」を遅らせるかもしれません。

もっとシンプルに言えば「難しい環境が前提と考える」・・・このことが大切ではないかと思います。

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以上、ご精読ありがとうございました。

筆者のプロフィール、ボイトレへの考え

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