アナウンサーの声の今昔。アンザッツ1番から2番へ、喉声から腹から出す声へ

さて、今回は歌声ではなく「話し声」について、少し書いてみたいと思います。

最近はyoutubeなどで色々な動画が簡単に見れる時代です。

僕は野球やプロレスが好きで、昔の試合の動画を見ることが度々ありますが、そんな時いつも感じるのが「昔と今の実況アナウンサーの声の違い」です。

簡単にいうと昔のアナウンサーは「甲高い声」、今のアナウンサーは「太い声」であると感じます。

この「アナウンサーの声質の違い」は、その「時代性」を象徴しているとさえ感じます。

試しに、適当な動画を作って「昔のアナウンサー風の実況」つまり、少し甲高い声のアナウンスを映像にかぶせてみてはどうでしょうか?いかにも「昔っぽく」見えるのではないでしょうか?

今回の記事では、そんな「アナウンサーの声の時代性・トレンド」について思うままに書いてみます。

お付き合いください。


昔のアナウンサーの声=喉頭の位置が高い

白黒の野球中継や力道山の時代のプロレス中継を見ると、実況アナウンサーの声は随分「甲高く」感じます。

音程的にというよりも「声のトーン」が高い、発声的には「喉の位置が高く、平べったい声」です。

アンザッツでいうと「1番」「3b番」系の印象が強く、「深く豊かな」という印象はあまりありません。

 

今のアナウンサーの声=喉頭の位置が低い

一方、最近のアナウンサーの声はもう少し「喉の位置は低い」印象を受けます。

少なくとも「甲高い」というイメージはありません。

アンザッツでいうと「2番」「3a番」系でしょうか。昔のアナウンサーよりももっと「深く豊か」な感じがします。

 

「良い声」の概念の移り変わり

アナウンサーの声の移り変わりは、そのまま「良い声」というもののイメージの変遷ともいえるではないでしょうか?

つまり昔は、今より少し甲高い声を「良し」とする美意識が日本人の中にあり、「良い声の代表格」であるべきアナウンサーという職業の典型的な声を作り出していたのかもしれません。

音響機器が今ほど発達していなかった時代に、アンザッツ「1番」系の声が実用的であったことは充分にあり得ます。「深く豊かな声」よりも、「鋭い声」を出せることの方が「声で伝えるプロ」として大切だったのかもしれません。

 

「喉声」と「腹から出た声」

また「昔のアナウンサー=喉声」「今のアナウンサー=腹から出た声」という、別の観点からの大まかな分け方もできます。(実際にはもちろん両方とも喉が作り出した声です)

時代の移り変わりの中で「喉声」は排除され、「腹から出た声」が美的に「良い」とされていったのでしょうか?

アンザッツ「1番」や「5番」のような喉の位置の高い声を「喉声」であると排除する風潮は現在の方が強いのかもしれません。ボイトレをやったことがない人がイメージする典型的な”良い声”は、アンザッツ「1番」や「5番」のような声ではないはずであり、こういう声は”喉声・悪い声”だと考えて、頭ごなしに否定してしまっている人も多いでしょう。しかし、このような「喉声」が、音響機器の乏しい時代に「良く通る声」として実用的であったとすれば、とても皮肉なことです。

 

まとめ

いかがでしょうか?

この記事で書いたことは、あくまでも僕の推測なので確信的なことは言えませんが、アナウンサーの声に「トレンド」があることは間違いないでしょう。

「アナウンサー=良い声の人」という図式が生きているとすれば、「良い声」の概念も今と昔では少し違うものになっている可能性があります。

そんな「良い声の概念の変化」は、ボイストレーニングの現場にも持ち込まれているかもしれません。

仮に「喉声=悪い声」という概念があったとしても、ボイストレーニングには何の関係もないことを僕たちは忘れてはいけません。たとえ「美的に悪い」声であったとしても、訓練でその声を使わない理由には全くなりません。ボイストレーニングで出す声に「美意識」が持ち込まれることがありますが、それはナンセンスなことです。

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以上、ご精読ありがとうございました。

筆者のプロフィール、ボイトレへの考え

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