アンザッツの順番について ~声区分離を促進させる~

フレデリック・フースラーが考案した、裏声・地声の色々な声色を発声していく「アンザッツトレーニング」は「喉を吊る筋肉(喉頭懸垂機構)」を鍛えてくれます。

このトレーニングにより、喉の機能回復が促進されると考えられています。

このアンザッツトレーニングは僕自身が毎日行なって確実な効果を感じている為、レッスンでも全ての生徒さんに行なってもらいます。

さて、このトレーニングに少しでも工夫を加えて、より訓練価値の高いものにするには?

何しろ毎日(時には一日に2~3回も)行なうのですから、やり方を少し変えるだけで膨大な訓練の蓄積になるはずです。

僕たちが一日の中でボイストレーニングに使える時間は限られています。いつもの練習メニューでも、少しの工夫で大きく効果が変わるのなら、積極的にカスタマイズしていくべきと思います。

特に、その順番を変える事で(1回の練習では、その差は僅かであったとしても)、とりわけ「声区の分離」に対して効果が蓄積されるのではないか、と考えています。

今回は、アンザッツトレーニングを行なうに当たって僕が行なっている「発声する順番の並べ替え」について書いてみたいと思います。

お付き合い下さい。

この記事は、アンザッツトレーニングを実際に行なっている人に向けた内容となります。そして、僕自身のアンザッツトレーニングに対する「現状での最良と思える方法」を書いています。推論を含む事、今後内容が変わる可能性がある事をご了承ください。


分離に特化したアンザッツトレーニング

ボイストレーニングの初期、裏声と地声をしっかりと分離して出せるようにする事は、何にも増して重要な事です。

ボイトレの3ステップとは「分離→強化→(再)融合」ですが、僕は、この中でも「分離」にはたくさんの時間を費やすべきと考えています。

その「声区の分離」を促進させるために、僕は以下の順番でアンザッツトレーニングを行なっています。

  1. アンザッツ4番
  2. アンザッツ3a番
  3. アンザッツ6番
  4. アンザッツ2番
  5. アンザッツ5番
  6. アンザッツ1番
  7. アンザッツ3b番

以上です。

この並べ替えの意図は下記の2点です。

  • 裏声と地声を交互に発声する
  • 裏声・地声とも「純度の高いもの」から発声する
  • アンザッツ3b番は、地声と裏声の両方の性質を要するいわゆるミックスボイスなので、練習の最後に発声する

 

裏声と地声を交互に発声する

この順番でアンザッツを行なうと「裏声から地声への喉の機能・神経の切り替え」を5度行なうことになります。

(裏声4番から地声3a番へ、地声3a番から裏声6番へ、裏声6番から地声2番へ、地声2番から裏声5番へ、裏声5番から地声1番へ、の合計5度)

例えば裏声系の4番を発声した後の喉には「裏声を発声するための機能と神経」が行き渡っているので、次に地声系の3a番を発声する際に、喉は「地声を発声するための機能と神経」に変わらねばなりません。

次に、3a番を発声した後の喉は「地声を発声するための機能と神経」になっていますが、次に裏声系の6番を発声する際には「裏声を発声するための機能と神経」へと導かれます。・・・

このように「裏声⇔地声」を繰り返す事により、喉も機能と神経伝達を変化させる、という考え方です。

 

これが、

地声1番→地声2番→地声3a番→裏声4番→裏声5番→裏声6番→3b番(ミックスボイス)の順番だと、喉が「声区の切り替えの仕事をする機会は、3a番から4番へと移る時の1回だけとなります。

アンザッツトレーニングは、毎日(時には一日に複数回)行なうものなので、この「声区の切り替え」が僅かずつ積み重なり、「声区分離を促進させる」結果になることは充分に考えられると思います。

もちろん、それぞれのアンザッツ同志は続けて行なうものではありませんが、一つのアンザッツを終えた喉はきっとその「残像」を機能的にも神経支配的にも残しているはずです。そこで次はもう一方の声区のアンザッツを発声させて、喉に急激な機能と神経の変化を強いようとする試みです。

ボイトレの3つのステップの中の「声区の分離」が「急激な変化」を求めるものだとすれば、「融合」は「グラデーション的な変化」を必要とします。このようなイメージを頭の中に描く事は、意外に重要です。またアンザッツ3b番を発声する際には、この「声区の分離」とは正反対の、つまり声区を「くっつける」または「ブレンドする」といった感覚が必要です。

また、裏声4番・地声3a番から始まり、裏声5番・地声1番をゴールとする並びは、「声区の純度が高く比較的簡単なもの」から「機能回復には重要だが一般的には難しいもの」への順番となります。※3b番は1番の後に練習してください。

このアンザッツの並べ替えが、どのくらいの効果があるか証明する事は難しいですが、僕自身は分離の促進の効果を体験出来ています。

また、「地声と裏声が混合している」時のウォーミングアップとしても使えるとも思います。

ぜひ、参考にしてください。

 

まとめ

伝統的に伝わるトレーニング方法は、ボイトレにおいての「素材」です。

その素材のよりよい使い方を考えて、より多くの訓練価値を引き出せていければ、と思います。

ボイストレーニング学習者は、僕も含め「短い期間での最大の成長」を望んでいるのですから。

独学の人の場合、アンザッツに限らず既存の練習メニューは「教科書通り」という訳にはいかないと思います。ボイストレーナーは練習メニューを、個人個人の状態に合った内容にカスタマイズしてくれます。悩む事が多く、先へ進まないなら、一度レッスンを受けられた方が良いかもしれません。

 

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以上、ご精読ありがとうございました。

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