ボイトレは声の年季奉公、一定の修業期間が必要。初めは無給でも、給与は僅かずつ増えてほしい。

年季奉公・・・雇用者との契約の下に一定期間働く雇用制度の一形態である。多くは住み込みで食糧や日用品は支給されたが、給与は支払われないか、支払われたとしても極く僅かなものだった。

コーネリウス・L・リードの名ボイトレ本「ベルカント唱法 その原理と実践」を読んでいて”年季奉公”というフレーズに目が留まり、早速ネットで調べてみました。レッスンを受けて学ぶケースの多いボイストレーニングでは、年少の弟子が師匠の元で一定期間技術を学ぶ”でっち奉公”のほうが似つかわしいように思いますが・・・。リードによる次の一文を引用いたします。

昔のベルカントの教師たちの例が、(声を作り上げるための)進度を測定するひとつのパターンを提供してしてくれます。彼らが良い声を作り上げるために見積もった年月、それは6年であったと言われます。ー中略ー ガルシアは機械化と産業主義がもたらした日常生活の一般的な加速度現象の中で、従来、発声をマスターするには欠かせないものと考えられていた、年季奉公的な修業期間を短縮するために、何かいい手段はないかと探し始めたのです。

※ここでいう”昔の”とは17世紀のことを指し、ガルシアは19世紀に活躍したボイストレーナーです。ガルシアはボイトレの”年季奉公的な修業期間の短縮”には失敗しています。

”年季奉公的な修業期間”・・・少なくとも僕や僕がレッスンさせていただいている生徒さん達は、ボイトレをそんな苦行のようなものと捉えてはいないとは思いますが、歌声の開発にはそれだけの長い時間と多くの労力を要するのだ、という意味なのでしょう。

さて、”年季奉公的な修業期間”という表現について少し掘り下げてみると・・・リード自身は「おいおい、ちょっと比喩的に使っただけだぜ。掘り下げなくていいよ!」と言っているかもしれませんが(笑)

 

正しいボイトレは”声の年季奉公”

「年季奉公」の定義には”雇用者との契約の下に一定期間働く”というものがあるようです。何年間かは主従関係を結び、契約満了と同時に晴れて自由になるというものです。

奉公人は契約満了の日を夢見て一生懸命主人に仕えたことでしょう。ボイトレ学習者にとっても、この”一定期間”というフレーズはとても大切であり希望に溢れており、毎日練習を頑張る原動力となります。

実際には”ボイトレは生涯続けるもの”だとも思います。だがしかし、昔の発声教師たちのいうところの”6年”という目標があるのとないのとでは気持ちの持ちようが全然違います。「6年頑張れば自由に歌えるようになるんや!」・・・やっぱり”一定期間”という言葉は重いです。

僕自身は自分の声に対して「6年ではちょっと厳しいかな」と最近考え始めています。僕が現状の日常生活をストレスなく過ごしながらのボイトレペースだと「10年必要かもしれないな」と感じています。

 

僅かずつでも給与はもらえる

奉公人は基本的には無給であったそうですが、僕たちボイトレ学習者は無給は困ります!

毎日ボイトレすれど何の恩恵も受けれない、全然楽しく歌えない、音程は相変わらず不安定で声域も拡がらない・・・それではいけません!

まあ、そんなことはありませんね。少しずつ練習すれば少しずつ声の自由度は高まってきます。ボイトレ年季奉公に無給はありえません。

 

ボイトレをさぼって、契約期限が伸びることは避けたい

年季奉公の大きな問題は、奉公するものが雇用主から金を借りてそれが膨らみ、契約年限が延びてしまうことがあったそうです。

ボイトレ学習者は目標の期限である”6年(~10年)”に狙いを定めて、一生懸命精進したいものです。

週に一度の練習、月に一度だけボイトレ・・・そんなペースでは声の成長はなかなか難しいと思います。下手をすると”一生雇用”となってしまいます。

 

いかがでしたでしょうか?

やっぱりボイトレに関するもの、読めば読むほど聞けば聞くほど「声の訓練には時間がかかる」という思いを強くします。けれど繰り返し書きますが、正しいボイトレには歴史的実績によって”6年(~10年)”という”声の訓練にかかる期間”が定められています。そして多くの場合は例外なく”6年(~10年)”という期限の範疇に収まるようだ、というのがボイトレ道半ばである現時点での僕の感想です。

貧困や植民地支配、奴隷制度・・・”年季奉公”にはそんな暗い歴史の影があるようですが、僕たちは楽しく自由に歌うことを目標にボイトレを頑張るのです!

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以上、ご精読ありがとうございました。

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