「可能な限りゆったり」という意図で歌う。テンポは適正に、曲のニュアンスを捻じ曲げないように

思い起こしてみると、僕も色々な演奏形態でライブを行なってきたものです。

バンド編成はもちろんのこと、一人弾き語りソロライブや二人での弾き語りデュオ、三人でギターを弾きながら歌ったり、ベースとピアノだったり・・・キーボード・ベース・ドラムのプログレトリオをやっていた時期もありました。

今の活動は4人バンド編成か弾き語りデュオが一番多いですが、それぞれの演奏形態ごとの難しさや楽しさがあるものです。

やっぱりバンドでの演奏が乗ってきた時は盛り上がります。一方、完全なソロライブでのお客さんからいただく拍手・・・これは、”この喝采は自分だけのもの”という凄まじい喜びがあります。

今年(2019年)中には完全なソロライブを、と目論んでいるところですが、通常は毎月ごとに決まった編成でのライブ予定が組まれています。そんな中で僕が楽しみにしているライブの一つに、毎月定例で出演予定を組んでいる”先輩とのデュオライブ”があります。

この定例デュオライブ企画、あるイベントでご一緒させていただいた先輩ミュージシャンからお誘いを受け、それ以来もう数年続けているライブなのですが、二人でギターをかき鳴らしながら大声で歌う、そして曲間のMCでも二人で自由に話しお客さんと一緒に笑う・・・そんなリラックスした楽しい企画です。

相方の先輩は、基本的に僕がやりたいことに「NO!」とは言わず、何でもやらせてくれます。なので、嬉しい事に僕はこのライブの度にボイトレの成果を確かめ、新しい歌い方を試し、未知のレパートリーに挑戦する機会を得ています。このライブ、つまりは僕にとっての「声の試金石」なのです。

 

さて先日(2019年3月)のデュオライブで、僕は何かバラードの曲を”とてもゆったりと”演奏して歌いたいな、と考えていました。これまでに”曲が望んでいる適正なテンポで歌うことに何度も失敗しており、そしてそれは”曲が走る”、つまり”テンポが速すぎる”失敗がほとんどだったからです。

僕はビートルズの大バラード「The Long And Winding Road」を題材に選び、出来得るかぎりスローに歌ってみたいと考えました。

ステージに上がる直前に先輩に「The Long And Winding Roadを物凄くスローにやりたいんですが・・・」と耳打ちしたところ、「お前が好きなテンポで始めてくれ。ついていくから」との心強い言葉!

もちろん遅ければ良いというものではありません。曲が望む以上のスローテンポで歌ったのでは、それはただ”もたっている”だけの凡庸な表現になってしまいます。

結果としては、まあまあ上手くいったと思います。注意深く聴けばテンポが多少揺れていて安定せず、僕のボーカルはややフラット気味で細部の音程も怪しいところは多々ありますが、「出来得る限りスローに」という意図は達せられたのではないかと思います。

以下がその時の録音です。

活きた音楽である以上、途中でテンポを遅くする事はできません。一旦スタートした曲は通常、若干テンポアップしながら曲の終わりに向かって”成長”していかなければならないので、弾き始め・歌い始めのテンポ設定はとても大切なことです。

また、曲を活かすも殺すもテンポやニュアンスがその曲自身が”望むもの”に合致しているかがカギになります。

ただ僕然と何も考えずに弾き始める・歌い始めることは避けるべきだと強く感じる今日この頃です。

 

以上、ご精読ありがとうございました。

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