難しい高音、やっかいなフレーズの「直前の音」に注意。響きが悪くフラットしやすい

僕は野球が大好きです。とはいっても、ほとんどは”見る”専門なのですが・・・

近頃はめっきり減ったナイター中継ですが、僕が学生の頃までは毎晩のようにどこかのチャンネルで野球中継を見ることができました。

僕の住む京都では、大阪ほどではないにせよやっぱり阪神タイガースの人気は絶大であり「タイガースが勝ったか負けたか?」は次の日の朝の定番挨拶のように街中で交わされていたのではないかと思います。

さて、僕が中学生のころ、阪神タイガースはチーム創設初の日本一になったのですが、当時のタイガースにはランディ・バースという怪物外国人バッターが在籍していました。彼はその年三冠王となって”最強助っ人”の名をほしいままにするわけですが、彼の打順は意外なことに「3番打者」でした。(野球では一般的に最も重要な打順は「4番」であるといわれます)

当時のタイガースの4番打者は掛布雅之であり、バースがいかに物凄い活躍をしたとしても2人の打順(3番=バース、4番=掛布)は一年を通してずっと変わりませんでした。(打率、ホームラン数、打点、どれをとってもバースの方が優れた成績を残しているにもかかわらず)

僕は新聞か何かの雑誌かでバースのインタビューを読みましたが、彼は自分の活躍は「掛布が4番に座っていることの影響はとても大きい」と語っていました。バースは「ピッチャーは俺の次に”掛布が控えている”というプレッシャーがとても強く、そのおかげで俺に甘い球を投じてしまうのだ」といった意味合いの発言をしていたのです。バースは相手ピッチャーの”集中力の谷間”を容赦なくついてホームランを連発したのでしょうか・・・掛布の打者としての威圧感の凄さを表わしたエピソードです。

なるほど・・・僕たちの日常にもそんなことは起こりそうです。大切な行事が控えた前日はつい散漫な過ごし方になってしまう・・・など、”集中力の谷間”が出来てしまうことはあります。

思い起こせば、僕もライブでそんな経験があります。難しい歌の”直前の歌”は、ついつい次の歌のことが気になり集中を欠いた歌唱になってしまう・・・

 

難しい音、難しいフレーズの直前は”気力抜け”しがちです

歌の中でも「一音だけの”高いラ”」「高音が続く難しいフレーズ」などは、とりわけ集中力を必要とする箇所です。

こういった”歌の難所”では、色々な不安が付きまといます。「フラットしないだろうか?」「声が裏返らないだろうか?」「スタミナを消耗しすぎないだろうか?」・・・とても疲れる場面であり、そういう箇所が至る所に散りばめられている歌こそまさに”難曲”であるといえます。

では、その難所の”直前の音”は、上手く歌えているでしょうか?ここは録音を聴き返すなどして、確かめておきたいところです。

歌詞は曖昧になっていないか?・・・フラットしていないか?・・・輝きのある声が出せているか?・・・

難所の直前の音やメロディーに”集中力の谷間”が出来上がってしまっていないかは、誰にでも起こる可能性のある、歌の落とし穴です。

 

難所の直前のフレーズにも、活力と輝きを持たせる

では、そんな”難所の直前のフレーズ”の気力抜けを防ぎ、活力と輝きを持たせるには・・・

その音やフレーズを「良い声で歌う」ことを目指し、強く意識を向けることです。

例えば、直前のフレーズが暗くこもっていて輝きがない(フラットして聴こえる原因になります)場合は、少し”鋭い音質(アンザッツ1や5のような)”を声に加えてみてください。

また、その後の難所を意識するあまり直前のフレーズが”走って”しまっている場合は、一つ一つの言葉を丁寧に歌うように心がけてみてください。

 

まとめ

今回の記事では”難所の直前のフレーズ”ということに特化して書いてみましたが、歌の中で「フラット気味の箇所」「なんだか響いていない部分」は、意外に”心理的な働きかけ”によって解消することも多いです。

つまり「一つ一つの音をしっかりと響かせる」「自分にとっての最良の声を求める」といったメンタルの操作によって”喉の調整”という肉体的な動きが生まれ、問題の解決へと導かれます。

歌は意外にも「イメージ」や「心理」「意識」といった一見ファンタジックにさえ思える要素によって、かなりの部分が支配されていると僕は考えています。

 

以上、ご精読ありがとうございました。

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