上手く歌えない時は、基本的な事に立ち返る。声区分離、純粋で強い裏声と地声・・・理想のフォームを思い出す

先日、友人が話してくれました。「僕が住んでいる家の前は小学校の通学路になっているんだ。元気に通学する子供たちの声を聞きながら朝の支度をすることも多い。聞いていると面白いよ!友達の名前、今日どんな予定で過ごすのか、下校後は誰と遊ぶのか・・・全部筒抜けなんだよ(笑) 子供ってなぜあんなにいつも”全力で”話すんだろうな!」

なるほど、彼には不思議に思えるそうです。小学生の子供たちが、すべての会話を”全力で”話すことが。

いや、むしろ彼らが普通なのかも。大人である僕たちは”全力で”話すことを制限され過ぎたために、”全力で”話す事を忘れただけかも!

 

さて、ライブで頻繁に歌っていると感じるのですが、声にははっきりとした好不調の波があります。睡眠や飲酒、身体の疲れなんかで声が出にくいと感じることもありますが、反対に”休養充分”だと感じている時になぜか絶不調という日もあり、声というものはなかなか扱いにくいのです。

風邪で咳が出ていたり、前夜のお酒が残っていたりすると明らかに声の調子は悪くなりますが、睡眠不足で臨んだライブで意外にも絶好調!なんてこともあります。また、飲酒の直後はとても声が出やすいものです。(その後すぐにコントロール不能に陥る事は確実で、次の日には決まって酷いことになります)

僕も昨年(2018年)末から今年の年頭にかけて、声の調子が悪い日が続きました。風邪をひいたり足を捻挫したり、ライブの回数が極端に減ったことによる”歌い込み”不足もあったでしょうか、とにかく声をコントロールしにくいライブが多かった印象です。

そんな声の不調、喉のスランプは誰にでも起こり得るものなので、自分自身の傾向を知り対策を立てておくことはシンガーにとっては使命であると感じます。

 

精神的なスランプからは、なかなか抜け出すことができない。

根本的な原因は、食事や睡眠のような基本的なことにあるのに、それ以外のところから原因を探してしまうからだ。

落合 博満

プロ野球の元三冠王で、名監督としても名高い落合さんの言葉です。

この助言、僕も大いに納得できるところです。

 

まず「食事や睡眠のような基本的なことにあるのに」という一文ですが、シンガーにとっての”スランプの基本的な原因”も睡眠や飲酒など、生活全般の中に潜んでいることは事実です。(僕自身は「食事」が歌に影響を与えたという経験はありません。)

また上手く歌えないことの、更に声に直結した”スランプの基本的な原因”は「声区分離」にあると僕は考えています。声の調子の悪い時は目に見えて”地声も裏声も不純”です。「地声らしい地声=豊かでダンディな音質の声」が出しにくく、また「裏声らしい裏声=軽く息が漏れたような音質の声」もどうも今一つです。一方、調子の良い時は地声も裏声も、より純粋で極端な音質の声として発声することができます。

上記の落合さんの言葉の中、さらに「それ以外のところから原因を探してしまう」、これも正にその通りの道筋をたどってしまいがちです。

まずスランプの時の僕が真っ先に頭に思い浮かべてしまう”悪い思考”は「とにかく融合しなくては!ミックスボイスを作らなければ!」という、例の”あれ”です。ウォーミングアップでもリハーサルでも声の調子は上向かない!ヤバいぞ!さあどうする!となった時・・・「とにかく地声と裏声を繋ぐんだ、ミックスするのだ」と躍起になってしまうことは、”歌にはミックスボイスが不可欠”なる知識を得てしまっている人が避けては通れない思考だと思います。けれど現実は厳しいのです。地声と裏声はそんなに急ごしらえには繋がってくれません、いやむしろ繋げようとすればするほど離れていってしまう、とも言えるでしょう。

 

今回は落合さんの言葉から、シンガーのスランプからの脱出について書いてみました。

野球選手はスランプの時、調子が良かった時の自分自身のビデオをみて感覚を取り戻すそうです。理想のフォームを思い出すということなのでしょう。

シンガーにとっての良いフォーム、上手く歌えていた時の喉の中の様子は「動かそうと思った部分だけを動かせている状態」、つまり混じりっ気のない地声と裏声が発声出来ている状態のはずです。

僕自身、基本に立ち返ることでライブの窮地を救われた経験がたくさんあります。一方「ミックスしよう」なる悪い思考で頭がいっぱいになり、良い結果が得られなかったことも数知れません。

最後にまとめておきたいと思います。

スランプの時は基本に立ち返ること。すなわち地声と裏声を純粋に発声することをまず考える。地声はダンディで太く、裏声は軽く息が漏れたように・・・決して「ミックスしよう、ミックスボイスを作ろう」と考えてはいけない。

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