時にはバンドの大音量の中で歌うことも必要。耳だけに頼らず、喉の感覚を大切に

先月(2019年3月)、僕は4回のライブに出演しました。週に3回も4回もステージに立っていた頃に比べると、随分と穏やかなライブペースとなっていますが、それでも「週に1回ライブ」の計算にはなります。ボイトレ学習者として、このような頻度でお客さんの前で歌えることは大変有意義なことであり、演奏仲間がいることや演奏場所に恵まれていることに感謝する次第です。

やっぱり、時として「たった一回の本番」は、何日もの練習を瞬時に凌駕する気付きを与えてくれるものです。ステージ上で経験することは、かけがえのない貴重な体験ばかりです。

いつも僕が思うことは「練習の状態を、そのまま”そーっと”ステージ上に持って上がっても成功するとは限らない」ということです。ライブ本番ではほとんどの人が相当な緊張を感じながら歌う羽目になり、時間をかけて大切に育てあげたことでもいとも簡単に崩れ去ってしまうものです。

「よし!今日は完璧な喉の調子だ。いける!」と思っても、本番で失望するような出来になることも少なくありませんし、むしろ”少し不調気味”のほうが慎重さが出て、かえって良い結果になることも多いです。

少し話が逸れました。上述の4回のライブのうち真ん中の2回は弾き語りデュオライブだったのです。そして月初と月末にバンド編成でのライブがありました。つまり先月末のライブは「ドラムやベースも含めたバンドの大音量の中で歌うのは、ほぼ一か月ぶり」だったことになります。

やっぱり一か月ものブランクがあると、耳の、そして何より喉の感覚が鈍るものですね・・・

「歌いやすさは、バンドの編成規模に反比例する」と、ボイトレ格言のひとつも語りたくなります。弾き語りライブは、音響的にはとても”楽”です。歌い辛さを感じることはあまりありません。バックで鳴っているシンプルな伴奏の音を聴いて、それに合わせて音程を取りながら歌うことは、それほど難しいことではありません。

一方、バンドが出す大音量の中で歌うことは簡単ではありません。まずシンガーが正しい音程やリズムの拠り所とする”伴奏”は、複雑さを極めます。シンガーが聞くべき楽器は・・・ギターのコードやキーボードなど”短音でない”音にするべきでしょう。けれど自分が聴こうとする音には絶えず他の楽器の音が絡んできます。音程や音質によっては聴きたい楽器の音を抽出できないこともあるでしょう。おまけにバンドの大音量は、シンガーが不必要な息を喉に送り込んだり、体をがんじがらめに固めてしまったりすることの大きな原因となります。何より音響環境は”水もの”です。自分の声を潤沢に聞きながら歌うことは諦めなければならないことも多いです。

やっぱり時々はバンドの大音量の中で歌っておかないと、喉の感覚や耳の感受性が衰えるだろうなあ、と感じます。自分の声を耳から聴いて音程をとろうとすることは、ピッチがフラットする原因にもなります。喉の感覚だけを頼りに、自分の声の音程や音質を想像する訓練は、必ずやっておくべきことだと思います。「耳で聴かずに音程をとる」・・・そんな至芸を身につけることができるのか!と思いますが、これも訓練次第で段々と可能になってくるものです。

「大音量の中で歌うことは、喉の感覚を磨く訓練になる」・・・こんな風に考えることもできます。バンドが出す爆音の中で歌うことは耳からの情報だけに頼らない、喉の感覚で音程を感じ音質を作っていくことができるかの試金石となります。喉や耳に対して負荷をかけているというか、そんな感じでしょうか。(肉体的な負荷ではなく、心理的な負荷とでもいいましょうか)

僕は、とても音響の良い(自分の声が潤沢に聴こえる)ライブハウスで歌う時には、冗談半分で「僕を甘やかさないでね!」と言ったりしますが、半分は本音なんです。やっぱりちょっと”厳しい”音響環境でやるくらいが、長い目で見た時には丁度良いのだと感じています。

そういえば、毎月一度、弾き語りデュオライブで共演させてもらっている先輩ミュージシャンが言っていました。「エレキギターばかり弾いているとアコギが弾けなくなる。アコギの弦は太くて固いから指が痛いんだ!」と。

シンガーにとっての音響環境と同じような意味合いなのでしょう。

喉も指も・・・甘やかしすぎは良くないのですね。

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