腹式呼吸?息をたくさん吸う?歌が上手くなる呼吸法はコレ!!

こんにちは!京都のボイストレーナー、石橋謙一郎です。

今日は、歌が上手くなる呼吸法について解説していきたいと思います。

「わたし、腹式呼吸とか上手く出来ないから、歌に自信がないんです」「ボイトレを習いに行ったら、やっぱりまずは腹式呼吸とかやるんですか?」・・・たくさんの人から、こんな言葉を聞きました。

どうやら、「ボイトレ=腹式呼吸」「歌の上手い人は、腹式呼吸がちゃんと出来ている」と考えている人が多いようです。

確かに、上手に歌うために「呼吸の練習」は必要ですが、その練習方法や「なぜ呼吸の練習が必要なのか?」については色々な人が色々なことを言っていて、誤解も多いと思います。

さて、この記事ではそんな「歌と呼吸」について、これだけはおさえておきたい!という基本的で大切なことについて書いていきたいと思います。

呼吸の練習が必要な理由

そもそも、なぜ、上手に歌うためには呼吸の練習が必要なのでしょうか?これは案外見過ごされているように感じます。

よく言われているのは「息によって声帯が震えて声が出るのだから、呼吸の練習が必要なのは当たり前だ」という理屈です。

けれど、なぜ呼吸の練習が必要なのか?歌に適した呼吸法とは?なぜ腹式呼吸は歌に良いのか?という疑問には、あまりハッキリとした答えが出せていないように感じます。

「なぜ呼吸の練習が必要なのか?」という疑問に関して、フレデリック・フースラーという昔の大物ボイストレーナーはこんなことを書いています。

現代人の呼吸筋肉は弱い

フースラーは、現代の文明人の筋肉は弱っている。当然、呼吸の筋肉も弱っているのだから、もう一度鍛えなければいけない、と言っています。

これは確かにそうでしょうね。アフリカのジャングルを走り回る人達と僕たちの脚力が同じではないはずです。同じように僕たちの呼吸の筋肉も相当弱っていると考えた方が自然です。

喉=呼吸のための道具

では、呼吸の筋肉が弱っていると、なぜ上手く歌えないのか?その理由はこうです。

喉は、もともと「呼吸のための道具」だったのが、長い年月をかけて進化して「声を出すための道具」へと変わったのです。

のどの中にあって、声を出すための2枚のひだを「声帯」と呼びますが、この声帯は元々は空気が入ってくるのを防いだり、無駄に空気が出て行くのを止めたりする、単なる「閉じ弁」であり、人間の進化の過程で「声を出す道具」へと変わっていきました。

つまり、喉は本来は呼吸のための道具の”一部”なのだから、当然、呼吸の筋肉の影響を大きく受けるのです。

呼吸と喉を合体

試しに、「あ~」と声を出しながら、”あくび”をしてみてください。呼吸の筋肉(お腹のあたり)と喉がしっかりと結びついているのを実感できますね。

そして、この”あくび”をした時、喉はとてもリラックスしていて、こわばった様子や緊張がぜんぜん感じられないと思いませんか?

つまり、本来一つのものであった「呼吸とのど」が再び合体すると、声を無理なく楽に出せることができるのです。

 

歌と呼吸の約束ごと

「歌には腹式呼吸が良い!」と言われていますが、この「腹式呼吸」の定義も人によって色々あるので、混乱する人も多いようです。(お腹を硬くしたまま発声したり、思いっきり深呼吸してから発声したり・・・ほんとうに色々あります)

上手く歌うための呼吸法には、絶対に守らなければならない約束事がいくつかありますが、それが守られていなければ「腹式呼吸」であれ何であれ、上手くいかないのです。

歌の呼吸についての約束事をいくつか書いてみたいと思います。

やるべきは吐く練習

これが一番大切な約束ごとなのですが、「吸うこと」は自然に任せる!

普通「さあ、吸って~!吐いて~!」というふうに、「吸うこと」が呼吸のスタートのように言われますが、ボイトレの時はその反対です。

試しに、思いっきり身体の中にある息を吐き切ってみてください。どうですか?自然に息を吸えませんか?

そうなんです!人間は「息を吐けば、自動的に吸う」ように出来ているのです!

ボイトレの時は「たくさん息を吸って!」というやり方をやってはいけません!

少し専門的な話になりますが、身体の中の肺の下には「横隔膜」という”吸う”ことを調整するための筋肉があります。「たくさん息を吸って!」というやり方は横隔膜を硬くこわばらせてしまいます。

そして横隔膜のこわばりは、そのまま喉のこわばりを生んでしまいます。これでは楽な発声は不可能です。

吐く=凹む、吸う=膨らむ

上手く歌うための呼吸法は「吐くとお腹が凹む」ような動作となります。

この逆、つまり「吐くとお腹が膨らむ」呼吸法は、間違いです。

そして「吐く」ことを意識して練習すると、何も考えなくても自動的に「吸う」ことができるはずですが、反対にこの時お腹は膨らむ動作になります。

「吐く→お腹凹む」「吸う→お腹膨らむ」・・・最低限、これが出来ていれば、歌の呼吸法としては大きな間違いはありません。

 

呼吸の練習のコツ

独学でボイトレしている人が呼吸の練習をする時のコツについて書いていきます。

これを意識するのとしないのとでは、練習の効果が全然違ってきますので、ぜひ実践してみてください!

強く吐く

呼吸の練習(というか「吐く」練習)は、「強く」行なってください。強い息を吐いてください!

「息を吐く」ための筋肉は、お腹周りを中心にたくさんありますが、それらの筋肉の中には「強く吐いた時にしか働かない」ものもあります。

素早く吐く

吐く練習は、「素早く」行なってください。びっくりしたように!やってください!

ぜんぜん働いていない眠っている筋肉は「素早く」練習しないと動かないことがあります。

これは、呼吸の練習のコツというよりも、ボイトレ全般のコツでもあります。

とにかく素早く、突然に、びっくりしたように!やってください!

あれこれ考えない

練習の時は、やれ「強く吐く」だの、「素早く吐く」だの、「吐く時にお腹が凹むのが正しい」だの、色々考えながらやりますが、実際に歌う時には、そんなことはキレイさっぱり忘れてください。

色々考えていたら、喉は硬くなるばかりで、良い発声なんて出来るわけはありません!

もし歌ってみて「声を出すとき(息を吐く時)お腹が膨らんでいる」という間違った結果になってしまったなら・・・まだ練習がたりません!

まとめ

ボイトレには呼吸の練習が必要なことは分かっているんだけど、なんかはっきりしない、もやもやしている・・・そんな人も多いのではないでしょうか?

確かに、僕たちボイストレーナーにとっても「呼吸の練習」については、あやふやなことも多く、どちらかと言えば明言を避けたくなる分野ではあります。

実は僕自身も、この問題をずっと避けてきたのですが、いざ呼吸の勉強をしてみると、いまさらながら「事の重大さ」に気付いたような気分です。

実際、僕の生徒さんの声や僕自身の声は、呼吸の練習をしてから大きく変わってきています。

ぜひ、毎日のボイトレに呼吸の練習を取り入れてください。

あなたの声に、きっと素晴らしい変化が起こりますよ!

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以上、ご精読ありがとうございました。

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