たまたま調子が良かったのか?上手くなったのか?ボイトレの成果は長い目でみないと分からない

「睡眠時間」「アルコールの摂取」「風邪」・・・喉は体調の変化をとても敏感に受けてしまいます。当然それに伴う声の管理はとても難しい問題です。

上手く歌えるか否か・・・このことは「声が出るか出ないか」に、ほとんど左右されてしまいます。つまりシンガーは「楽器がちゃんと音を出してくれるかどうか」を常に気に掛けることになりますが、これはいわば「歌う人の宿命」であるといえます。

シンガーは、いつも「特別な慎重さ」を求められます。例えば色々な楽器の奏者が次々に演奏する発表会の場では、シンガーだけが「自分の楽器(喉)がちゃんとした音(声)を出してくれるか?」という不安と戦っています。またバンドで歌うシンガーは、ライブ当日、ギタリストよりも慎重にウォーミングアップをしなければいけません。これらは正に「歌う人の宿命」です!

また厄介なことにボイストレーニングには年単位の時間がかかります。もちろん、正しい練習方法でコツコツ頑張れば、声は必ず変わってきますが、それでも数か月単位の時間は必要でしょう。

そんなボイトレ生活の中で「お!声が変わってきたかな!?」と思う時が度々訪れると思いますが・・・そう考えるのは時期尚早かもしれません。

少しとりとめのない書き出しになってしまいましたが、お付き合いください。


すこぶる声が良く出る時がある

誰にでも経験があると思いますが、「何だか分からないけれど、やたら良く声が出る時」というのがあります。

僕も何度も経験していますが、少し寝不足気味の時であったり、風邪のひきはじめだったり・・・この後明らかに調子が悪くなる”直前”に、そんな時が多いように思います。(根拠はありません。あくまでも僕の体感です)

そして「しめしめ、ボイトレの効果が出てきたぞー!」と思っていると、また元の状態に戻ってしまってガッカリ!なんて事も多いです。

どちらにしても、声が良く出るからといって気持ち良く歌っていると、必ずどこかで破綻(声が裏返ったり)するものです。こんな時は、喉の機能の限界を超えて声量を出し過ぎたりしてしまいがちになるためです。そして録音を聴いてみるとよく分かりますが、こんな時の歌は決して出来がよくありません。荒っぽい表現になってしまっている場合も多いです。

お酒を飲んだ直後は、とても声が良く出ます。体中の血行が良くなっているからでしょうか・・・正し、少し時間が経ってアルコールが「体中を乾かす」方向に向かうと歌う事が大変になります。お酒はシンガーが一番避けるべきものです。

 

ボイトレの成果なのか?・・・すぐには分からない

上記のように、すこぶる調子の良い理由が「たまたま」なのか「ボイトレの成果」なのかは、もう少し長い目でみないとわからないと思います。

とにかくボイトレに「一喜一憂」は禁物です。声の変化は「最低3ヶ月」と思っておくくらいが丁度良いです。

どちらにしても、突然良くなった事には副作用がある事が多いです。例えば「明日からミックスボイスを出す」ことはコツさえつかめれば可能だとは思いますが「混合」という大きな副作用も作ってしまいます。つまりこういうメソッドは裏声と地声が不適切に混ざり合った状態を「自ら進んで」作り上げているようなものです。そして「混合」という副作用を紐解いていくにはとても長い時間がかかり、正しいボイトレにとっては回り道になってしまいます。

 

気が付けば声が変わっている(急激な変化は起こらない)

数か月前には「時々出来ていた」ことが「いつも出来ている」、「時々出ていた声のトーンを、いつも出せている」・・・ボイトレの成果は、気が付けば「そうなっていた」といった、ノンビリとした現れ方だと考えてください。

上記で書いたように急に声が出るようになった事には、思わぬ原因があるのかもしれません。例えば「呼吸の力に頼って歌ってしまっていた」なら、むしろそれは真っ先に止めなければいけないことです。(ボイトレを始めたばかりの時は、体調が良い時に「呼吸に頼る」悪癖が鎌首をもたげる可能性があります)

「無意識に、いつでも出来ているか?」は、ボイトレの成果の大きな指標になると思います。つまり出てきている声は同じでも「頑張って何とか出せている」のと「無意識に何の苦労もなく出せている」のとでは雲泥の差があります。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?

上記をまとめると「突然、急に声が出るようになる」ということは、あまり考えられません。「たまたま調子が良かった」くらいに考えておいた方が良いのかもしれません。

「たまたま」なのか「機能回復が進んだ」のか・・・どちらにしても一喜一憂せずに、じっくりと取り組むことが大切です。

 

以上、ご精読ありがとうございました。

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