「楽器としての喉」その特性(再投稿)

この記事は2018年2月9日に公開したものを2018年5月8日に追記・再編集したものです。

僕は、過去に色々な楽器を練習してきました。

幼少の頃のエレクトーンに始まり、エレキギター、クラシックギター、ピアノ・・・

でも、僕にとって「歌うこと」ほど自分にぴったりフィットするものはありませんでした。

きっと、ボイトレを志す皆さんもそうなのでしょうね!

「歌うこと」は本当に難しいですが、上達を感じた時・人の心に届いたと感じた時の喜びは何物にも代えられません。

さて、今回は「喉」という楽器について、その素晴らしさや難しさ、特性等について書き進めてみたいと思います。

お付き合いください。


練習しやすい

これはとても大きいんじゃないでしょうか!
部屋の中、カラオケボックス、車中、歩きながら、割とどこででも練習可能ですね!(さすがに屋外では場所と時間を選ぶでしょうが。)

だから、「練習場所や時間が無い!」と言うのは歌に関しては言い訳ととられがちですね。

犬を探しているふりをして(大声で犬の名を呼んで!)練習をした人、地下鉄のホームで電車の発着の爆音の陰で練習した人等、実際にいたそうです。

僕の演奏仲間のドラマーなんかは練習場所の確保が大変だ!と、いつもボヤいてます。

「フルヴォイス(大声)でないと出来ない練習」と「小さな声でも出来る練習」を、それぞれバリエーションとして持っておくと環境が変わっても練習する事ができます。

 

楽器の購入やリペアにお金がかからない

これも特徴です。

演奏家としての腕が上がれば高価な楽器が欲しくなります。

そして楽器のリペアにも相当のお金がかかるでしょう。

歌は、少なくとも楽器を買い換えたりする事はありません。

ただし、喉は買い替える訳にいかないので、独特な慎重さは必要です。(過保護である必要はありませんが)

間違った発声を続けると声帯結節などになってしまい、長い間練習を休む事になります。言い換えれば、正しいボイストレーニングを積めば積むほど「無理が効く」喉に育っていきます。

感動を与えやすい

これは僕の主観ですが、歌は他の楽器に比べて(上手く歌えば)ダイレクトに感動を与えやすいと思います。

生まれてこのかた、歌を一度も歌った事のない人はいないでしょう。

だから上手い歌を聴くと「自分には絶対にこんな風に歌えない!」と直感的に確信的に感じます。

自分の喉との差を感じやすいのでしょう。

少し偏った言い方かもしれませんが、「上手いギタリスト」と「上手いボーカリスト」、双方同じ技術レベルなら「上手いボーカリスト」のインパクトが勝ると思います。それだけ「声の魅力」とは圧倒的なものだと、僕は信じています。

 

体の不調が音に現れやすい

例えば睡眠不足、飲酒による喉の乾き、風邪、etc・・・

歌は肉体的条件が音に出やすいです。

経験上、飲酒の悪影響は24時間以上続くと思います!また風邪の季節は慎重になります。

僕もかつては風邪をひくと1曲たりともまともに歌えませんでしたが、今はある程度のレベルでは歌う事ができます。

(風邪でも会話できていて、裏声と地声がちゃんと出ていれば歌えます。通常生活レベルの呼吸と裏声と地声、歌にとって必要な3つの材料が揃っているのだから!)

歌に関していえば「寝不足で妙なハイテンションだから、いつもより上手く歌えたぜ!」なんて事はまず無いです。

僕は体の不調や寝不足・前日の深酒の影響を最も感じるのは「ウォーミングアップに時間がかかる」という事です。特に深酒と寝不足が重なった時(大抵、深酒の時は寝不足ですが)は、「永遠か?」と思う程、声が中々仕上がりません。お酒の影響は喉にとって甚大だと思います。

 

時々、不条理に上手くいく時がある

これは一見良い事のように思いますが、中々の曲者です。

歌は体の不調が音に現れやすい反面、体の好調やその日の精神状態も音に現れやすいです。

間違った練習をやっている時でさえ、不思議に上手く歌える日が必ずあります。

(たまたま朝から体を上手く目覚めさせる事ができたとか、適度なリラックスした会話をしたからとか、散歩が楽しかったからとか、そんな喉に直接関係ない再現性さえ乏しいことでしょうけれど)

そういう変な好調状態を経験すると、間違った練習をそのまま押し進めることになって、時間の無駄どころか喉に大きなダメージを残すだけの結果となる事があります。

そしてその後必ず、とんでもなく悪い喉の状態を経験します・・・

「声が育った」「喉の機能が回復した」という判断はとても難しいものです。目で見えない上に、ただ「やたら調子が良かった」だけかもしれないので!

 

独学を続けがちである

ピアノやドラムを独学で始める人は稀でしょうが、歌を最初から習う人もまた稀でしょう。

全ての人は歌った経験があるから、つまりある程度声の出し方は皆知っているから「独学でいけるんじゃないか?」と思いがちです。

僕はまさにそれで、ずっと独学でやっていたので上達が遅れました!

そしてもし独学の練習方法が間違っていたなら喉の状態は前より悪くなる可能性すらあります。

(僕はかつて楽々歌えていた歌が歌えなくなった時期があり、その時は現状維持すら難しく、一週間単位で自分の音域が狭まっていくのを体感していました。絶望的な経験でした…)

もちろんレッスンを受けた方が、独学を続けるよりも早く確実に成長する事ができます。ただし、それでも年単位の時間はかかると思っておいた方が良いと思います。このことは歴史的にみても間違いのない事ですが、逆にいうと「時間をかければ誰でも確実に」声を変える事ができます。

 

喉ならではの難しさは、確かにあります。

でも喉は、もし上手く使えたなら「宇宙一の楽器」となります!(あまりの感動に死者が出たという伝説の歌手さえいるそうです。歌とはそんなにも凄いものなんですね)

このブログを読んでいただいた方が(僕のレッスンを受けなくとも)正しく喉を育てる教材や先生、もしくはネット上の情報(実際かなり有益な情報も数多くありますが正誤の判断を慎重に!)にお出会いになる事を切に願います。

以上、ご精読ありがとうございました。

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