声の成長を疑問に思ったら。数か月前を振り返り、歌ってみて過去の録音と比べる

「私の声は、ちゃんと変わってきているのだろうか?」「毎日練習してはいるけれど、ボイトレの効果が現れているのだろうか?」

皆さんは、時々こんな風に感じてしまうことはあるでしょうか?

例えば、スポーツや勉強を頑張っているのなら「記録がここまで伸びた!」「テストの点数がこんなにアップした!」と、客観的な数値で自分の成長を確かめる事が出来ますが、ボイストレーニングの場合はそんなに簡単にはいきませんね。

レッスンに通っているのなら、おそらく先生は皆さんの声の変化を誰よりも感じてくれているでしょうけれど・・・独学の場合はそれも望めません。

今回の記事は、そんな「ボイトレでの成長の感じ方」などについて、色々と書いてみたいと思います。

お付き合い下さい。


前提として、即効性はない

この項は少し厳しいタイトルが付いていますが、残念ながらこれは事実です。

正しいボイストレーニングは、少し回りくどい手順を踏まなければなりません。それは「(声区の)分離・強化・融合」の3つのプロセスの事を指します。この3つのプロセスを含んだボイストレーニングの歴史は古く、17世紀の時代にまでさかのぼる事になります。

様々な情報が瞬時に手に入るこの時代、「早さ」を売りにするボイトレの方法はたくさんありますが、本当に”誰にでも必ず効果のあるボイトレ”は?という事になると、やはり17世紀から多くのシンガーの喉を救ってきた伝統的な方法で、という事になります。

なので、もしボイトレを始めて数週間で「声の変化・改善」を確認しようとしても、それは練習の質・量ともにまだまだ足りない、という事になってしまいます。

生徒さんが「一回のレッスンで、声が良く出るようになりました!」と喜ばれる事がありますが、これはただ単に「レッスンで声を出した事が良いウォーミングアップ代わりになった」という事でしょう。やはりそんなにすぐに効果がでないのが実情です。また「レッスンを受けたその直後はいつも声が出るが、その後はいつも元通りになってしまう(もちろん、自主練習もしているけれど、という条件で)」というのであれば、そのレッスンは「ウォーミングアップ程度の効果しかない」とも言えます。

 

数か月前を振り返ってみて下さい・・・少しだけ出来る事が増えているはずです

確かに毎日のトレーニングを繰り返していると、声の変化は中々分かり辛いとは思います。

そんな時は「数か月前にトレーニングしている時の感覚」を思い出してみてはどうでしょうか?

「アンザッツ5番の鋭さが少し増したような気がする」「各アンザッツとも、声量が増したような気がする」「裏声の出せる音域が低音方向に半音ほど広がったような気がする」・・・こんな「○○のような気がする」という小さな変化が感じられるはずです。

上記のような小さな変化でも「声が変わった」ことに違いはありません。またこんな変化はボイトレを始めないと決して起こらなかったことばかりです。

つまり、トレーニングレベルでは「声は確実に変わってきている」と言い切れると思います。

 

実際に歌ってみる・・・細かい部分が違ってきているはずです

上の項で書いたようにトレーニングレベルで声の変化が感じられたなら、実際に歌った時にも少しだけ以前と違う感覚があるはずです。

「1番で破綻していた歌が2番まで歌えるようになった」「カラオケでキーを下げずに挑戦できた」など、僅かな改善でも「声が変わった」ことに違いはありません。

喉の変化を確かめるために是非「何曲か続けて」歌ってみてください。喉にとって「持ちこたえる・破綻しない」という事はとても難しいものです。「以前は2曲連続で歌うと声が裏返ってしまったのに、今は連続3曲歌っても平気だ!」・・・これは大きな成長です!

 

録音して聴いてみると違いが分かるでしょう

是非、歌を録音して過去の録音と聴き比べてみましょう。

きっと細かい部分が違ってきているはずです。

「以前の録音は何となく安定しないけれど、今回のはしっくりくるなあ」・・・ひょっとすると漠然とした変化しか感じられないかもしれません。けれど、その感覚は正しいです。自分で聴いて「しっくりくる」と感じるものは、人が聴いてもきっと「しっくりくる」はずです。

「しっくりくる」という印象は「声区の融合」の状態が変わってきているせいかもしれません。声区融合が進んだ声は「母音の統一感がある」「音程が合いやすい」「響きが散らかっていない」など、整然とした印象を与えます。つまり声区融合が進んだ声で歌った歌は、一言でいえば「しっくりくる」という表現になるかもしれません。

上記のような聴き比べをするためにも、その都度自分の声を録音しておくと良いですね。僕は録音を残してこなかったので、今とても後悔しています・・・

 

久しぶりに会った人には、顕著に変化を指摘されるかもしれません

毎日接している人には中々分かってもらえない声の変化も、久しぶりに会う人は気づいてくれるかもしれません。

僕は久しぶりに会った友人に「電話の声が違う」と指摘された事があります。僕がボイストレーニングをやっている事を知らない友人だったので、先入観なしにそう感じたのだと思います。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?

「私の声、変わったでしょ?実はボイトレをやってるから!」という尋ね方をすると、勢いに押されて「そうだね」と言わせてしまうと思うので(笑)、自分から尋ねるのは少しはばかりますね!

やはり上述したように、まずはトレーニングレベルで自分の感覚としての僅かな変化を信じる事だと思います。

もしレッスンに通っているなら、先生に「具体的にどこが変わったか?」と尋ねてみてもいいと思います。

どちらにしても、正しい方法でボイトレをしていれば「例外なく声を変えられる」といえるので、それを信じて方向性を間違えずに地道にやることが一番だと思います。

 

以上、ご精読ありがとうございました。

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