活発な子供だった人は確かに歌が上手い ~しかしボイトレによって追いつけます~

声を使う仕事をしている人・声とは関係のない仕事をしている人、どちらに関わらず「この人、いい声してるな!強い声だな!」と感じる人に僕が必ずする質問があります。

「〇〇さん、よく喋る子供でしたか?」

そうすると必ず予想通りの答えが返ってきます。

「うん、随分うるさい子供だったみたいだ。」

それとは逆に「この人、声が弱いな。小さいな。」と感じる人は「私は大人しい子供時代だった」と答えます。

これは良く考えると当たり前の事ですね。

例えば小さい頃からたくさん走っていた子供は、大人になっても健脚自慢になる事と同じで、声をたくさん使ってきた人が「良い声の大人」になる事は自然な事だと思います。

今回は、子供時代にたくさん喉を使ってきた人、そうでない人について、またボイストレーニングを進めると両者の差は縮まるか?について考えてみたいと思います。

お付き合いください。


活発な子供時代を過ごした人は、歌の上手い人が多い

このことは皆さんも納得されるのではないでしょうか?

僕自身の統計でも、このことは明らかです。

子供時代に限らず、これまで喉をどのように・どれだけ使ってきたか?は声の強さ・音質に大きな影響を及ぼすでしょう。

つまり何年も毎日ボイトレをしてきた人としてこなかった人、この差が声の質となって現れることは仕方がない事です。

子供の頃さんざん叫び、大きな声で話してきた人は、ボイトレなんかしなくても既に「目覚めた喉」を持っている場合が確かにあります。

僕たちが躍起になって手に入れようとする「目覚めた喉」を持っている人たちにとって、「今日は声が出ないなあ」なんていう悩みはほとんど無いのかもしれません。

僕の仲間のボーカリストにも、こういったタイプの人がいます。彼は「声が出ない」という心配をあまりした事がないようです。常にその先の「表現」の問題に取り組める事は羨ましくさえ思います。

 

こういう人たちが揃って歌が上手い事の不思議

そして、そんな子供の頃から「喉を目覚めさせてきた」人たちは、なぜか歌も上手い人が圧倒的に多いです。

また、良い声をしているのに歌が苦手な人は少ないと感じます。

ふと、不思議に思いませんか?

「喉」とは楽器であり、「声」は楽器が出す音です。

つまり、彼らは「良い音が出る楽器を持っているだけ」です。

それなのに「歌までうまい」のです。

こういう人たちはなぜ「良い楽器を持っている」だけにとどまらず、必ず「演奏も上手い」のでしょうか?

 

歌の上手さは「喉の自由さ」と同義

その理由は、極端にいうと・・・

自由に声さえ出れば、ほとんどの人は上手く歌える

上手く歌えない人のほとんどは「不自由な喉」にのみ原因があるからです。

「人間は歌える生き物」だと言われます。

誰でも無意識に鼻歌を歌う事があります。

 

初めて聴いたコマーシャルソングを真似る事もできます。

 

タイトルの分からない歌を、「こんな歌だよ」と、ワンフレーズ歌って人に伝える事が出来ます。

 

ボイストレーニング・ボーカルトレーニング・声楽の授業・・・歌に関する勉強を何一つしてこなかった人でさえ、このくらいの事は簡単に出来ます。

 

習った事もないピアノをいきなりワンフレーズ弾いて見せるなんて事は不可能です。

こんな事は他の楽器では絶対にあり得ない事です。

これらの事は「人間は本来歌える生き物であるが、歌う為の喉が機能不全に陥って目覚めていないだけ」である事の証明です。

 

子供時代の経験の差はボイストレーニングによって縮まります

では、子供の頃、喉を充分に使ってこなかった人は、たくさん使ってきた人に追いつけないのか?

そんな事は決してありません。

喉を「回復させる」という考えを持てば、何歳だから無理とか、そういうことはあり得ません。

喉は相当な年齢までその機能を引き出す事ができます(90歳までは可能だともいわれます)

喉の機能を回復させる・声を自由にする事は、体の一部を「自然な状態へと戻す」事だと考えて下さい。

ピアノを大人になってから始める事とは全く違います。

ピアノを弾く動き、鍵盤を叩く動きは「人間が本来持つ動作・自然な動き」ではないのですから。

ボイストレーニングに年齢的な心配は無用です。僕自身は40代後半になってから「人生で最も広い声域・最も大きな声量」を獲得しています。

「ピアノを弾くこと=人間に元から備わっていない能力」「歌うこと=人間に元から備わった能力」という考えから、”機能回復した喉”で何時間もハードに歌う事は、ピアニストが何時間もハードに練習する事より、遥かに危険の少ないものだと思います。ピアノを弾く動作は、いかに合理的な指の配列を考えたとしても、不自然な動きである事に変わりはないからです。

 

まとめ

子供の頃から声をたくさん出してきた人のほとんどは「良い声」をしています。

そして、「良い声」のみならず「歌まで上手い」ことがほとんどです。

これは、人間が本来持っている「歌える能力」が「不自由な喉」によって抑圧されているためであり、「喉の機能回復」はそのまま「上手く歌う事」へと直結します。

そして、その機能回復に年齢的な上限は全くありません。

細かなボーカルテクニックを身に付ける事より、根本的なボイストレーニングによって声を自由に出せるようにする事が、歌う事にとっては最も有益です。いや、むしろそんな細かいテクニックの習得では何一つ解決しないと思います。

活発な子供だった人は確かに歌が上手い、しかし、歌が上手い人は必ずしも活発な子供だったわけではありません。

 

以上、ご精読ありがとうございました。

筆者のプロフィール、ボイトレへの考え

PAGE TOP