先日の記事で触れていた、10日間で10本ライブのスケジュールを無事に終える事が出来ました。
この過密スケジュールの中で、目標にしていた事・達成できた事・達成できなかった事・今後のボイストレーニングに役立てたい事等を書いてみたいと思います。
なにぶん備忘録的な記事になりますが、誰でも毎回「体調万全・充電バッチリ」の状態で歌える訳ではないと思うので、コンディション管理などの面から参考にして頂くと光栄です。
そして、僕自身のトレーナー活動の「鮮度の高い教材」としてレッスンの中に取り入れていきたいと思います。
お付き合い下さい。
目次
10日間連続で歌うと、声はどのようになるか?
※実際には10日間の内1日は休みがあり、最終がダブルヘッダーだったので(合計10本のライブ)という事になります。
こんな過密スケジュールは滅多にないので「相当疲れるやろなあ、大丈夫かなあ」という不安もありましたが、「こんな時のために毎日トレーニングしてるんや!」という自負も多少はありました。
まあ、予想通りという感じで体と喉の疲れが、日を追うごとに増していったという印象です。
10日間の内で調子が2度程落ちました。(一度目の不調の時に「ピンチを楽しむ」みたいな記事を投稿してしまいました!甘かったです!)
期間中ずっと変わらずトレーニングとウォーミングアップは行なっていたのですが、やっぱり単純に体と喉の疲れは相当なものでした。
8本目のライブの時、お客さんから「話し声がおかしい、風邪をひいたのか?」と言われました。この時が喉は一番疲れていたんだと思います。ただ8本目が終わった次の日はライブが無かったので、早寝をして少し回復させることが出来ました。やはり睡眠こそ最も大切である!と実感しました。それから余談ですが、寝不足が続いてストレスが溜まると食欲が増しますね!(僕はストレス食いするタイプなので、この期間に体重が少し増えました!)
どのように調子を保っていくか?
経験上、「調子の悪い時ほど、念入りなウォーミングアップ!」を心がけています。
この期間もそれを実践したので、不調の日でも「致命的に歌えない」状況には至りませんでした。
普段はトレーニングにより多くの時間を割いていますが、この期間の後半はウォーミングアップに多くの時間を使いました。
そして、やっぱり一番大切な事は「地声と裏声が分離した状態」を保つことだと再認識しました。
やはり、過酷な状況の中でこそ基本に忠実になるべきです。
基本とは「地声と裏声を意識的に独立して出せる状態」にしておく事です。
そうすれば、ミックス状態は、ある程度自動的に作られていきます。
期間中、朝起きた時の声は「混合状態」でした。つまり裏声を出そうとしても地声が混ざってしまう・またはその逆の状態です。まずはその「混合状態」を紐解いて分離していかないと、とても歌う事は難しいです。特に喉が疲れている時こそ「分離」を徹底的に行なうべきだと思います。
まとめ・・・達成出来た事・出来なかった事、トレーナーとして今後に役立てたい事
ウォーミングアップに時間を多くの時間を割いたとはいえ、一日もトレーニングを欠かさなかった事は良かったと思います。
ウォーミングアップはボイストレーニングではありません。声を育てる要素はほとんどありません。
何とか歌い続ける事が出来たとはいえ、話し声に悪影響が出た事には未熟さを感じます。
少し地声の使い方が乱暴だったのかもしれません。
「話し声に悪影響が出ていた」のに「歌にはあまり影響が無かった」。この理由は、期間中の僕の発声が「裏声優先の発声」になっていたからです。話し声が痛んでいたということは「地声は相当疲れていた」という事ですが、それでも歌えるくらいの「裏声のサポートがあった」という事です。この「裏声>地声」というバランスが歌には絶対に必要です。
トレーナーとして生徒さんに還元できる学びとして、
- 喉の健康にとって一番大切な事は「睡眠」!
- 調子の悪い時ほど「念入りなウォーミングアップを」!
- 喉が疲れている時こそ基本に返る「地声と裏声の分離」!
- 歌にとって最適なバランスの徹底「裏声>地声」!
といった事を再認識しました。
これからも、僕自身がライブ活動で経験した事を生徒さんに還元できるように、現場ではボイトレ目線でのアンテナを注意深く張っていきたいと思います。
今後ともよろしくお願いいたします!
サンプル音源
最終日に歌った音源を貼らせていただきます。
喉は疲れ気味ですが、日を追うごとにミックスボイスの状態は促進されています。
声が歪んでいるのは「ガム発声」と呼ばれる「仮声帯」を使ったテクニックで、トレーニングによりミックス状態が進んでくると段々と出来るようになってきます。
是非、参考にして下さい。
※曲は「CCRのFortunate son」です。
以上、ご精読ありがとうございました。