声を眠りから覚まし、歌の美しさを表面に出す。そのことに必要な才能は”勤勉さ”。勤勉にボイトレを継続する。

春になって暖かくなりました。僕は日中、車での移動が多いものですから、早くも車内の室温調整が難しくなってきました。閉め切っていては暑いし、かといって窓全開というわけにもいきません。国道の空気は汚れていますね・・・

ついこの間までヒーターをかけていたのに・・・あと少ししたら車中でクーラーを効かせることになりそうです。現代の日本の四季は失われつつあることを強く感じます。機械的に室温を操作せずに過ごせる期間があまりにも短かすぎると感じる、今日この頃です。

ただ、夜の布団は冷たくなくなり、心地よく眠れる季節にはなりました。”春眠暁を覚えず”とはよくいったものです、朝になったことにも気付かずに寝過ごしてしまいそうになる毎日です。小刻みに目覚ましをかけておかなくては・・・

”眠い”と言えば、ある知人から「歌を歌っていると眠くなるんだが、なんでだ?」との質問を受けたことがあります。これ、確かに分かります!僕もボイトレしている最中、目を閉じてアンザッツなんかをやっていると、確かについつい眠くなることもあります。ネット上の質問箱にも「歌うと眠くなる」といったテーマの質問が寄せられているところをみると、結構多くの人が感じていることのようです。(はっきりした答えは、今の僕には分かりません)

 

さて、パブロ・ピカソという大変有名な画家が、こんな面白いことを言っています。

仕事は人間に必要だ。だから人は目覚まし時計を発明した。

さらにこんなことも!

画家は、労働者が働くように、勉強しなければならない。

天才の名をほしいままにしたピカソでありますが、どうやらとても勤勉な人だったようです。

僕は若いころ、「音楽は才能だ」と信じて疑いませんでした。もちろん歌に関してもそう信じていました。つまり歌の上手い人は生まれつき才能に恵まれているのであって、下手な人がいくら努力しても追いつけるようなものではない、と。

けれど、今は必ずしもそうではないと考えるようになりました。確かに音楽的才能の有無は、その人がどんな風に歌うか?に大きな影響を与えるとは思います。けれど、不自由な喉によって本来その人が持つ”美しい歌”が閉じ込められたままになっている人もたくさんいるはずです。声と一緒に”歌の美しさ”もまだ眠ったままなのです。

ピカソが言うように「労働者が働くように、勉強しなければならない」とは、歌の訓練にもあてはまります。声は才能では有りません。眠ったままになっている声、そしてそれに付随する”美しい歌”を目覚めさせるために最も必要な才能は”勤勉さ”なのではないでしょうか?

 

ピカソが「仕事は人間に必要だ」や「労働者が働くように、勉強しなければならない」という言葉を残していることは意外でした。ピカソのイメージ・・・難解な絵を、何の勉強をしなくとも才能のままに描く人・・・そんな”才能の塊”のような人だと思っていたからです。

いやピカソはもちろん”才能の塊”ではあるでしょう。けれど彼の持つ才能の一つは”勤勉さ”であったことが、僕には意外でした。

 

美しい歌声を眠りから覚ますのに一番必要な才能・・・それは”勤勉さ”なのではないかと思います。

幸いやり方は分かっています。二つの声区を分離し、強化し、融合する・・・とてもシンプルなやり方です。あとは勤勉であり続けさえすれば、眠っている美しい歌声は、いずれ目覚めることでしょう。

 

以上、ご精読ありがとうございました。

筆者のプロフィール、ボイトレへの考え

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