声を録音し、批判的な目を向けること。声はトータルに改善する。問題点は洗い出すが、個別に解決しない。

先日、ライブの幕間で同僚のシンガーと雑談をしていました。

彼は「よし!今日は上手く歌えたぞ!と喜んでいても、家に帰って録音をじっくり聴き返してみると『なんだ、酷いもんじゃないかと、毎度ガッカリするんだよな。全く嫌になるよ。」そんな風に語ってくれました。

まあ確かに私もいつもそんな風です。ライブ本番中は興奮してアドレナリンも出ているので、とても上手くやれたように思うものです。ただし、実際の正解は録音の中にのみ存在することもまた事実です。

例えば、いつもシンガーを悩ませることになる音程の問題、つまり正しいピッチで歌えたかどうか?これは取りも直さず、どう歌ったか?ではなく、どう聴こえたか?なのです。録音された歌声のピッチにストレスや違和感が無いか。つまり完璧にフィットしているか?の答えは録音を聴いて確かめるより他はありませんから。

ところで、最近の私は、ライブの日はより早くその日の録音を確認することに努めています。例えば複数回ステージがあるライブならステージとステージの幕間に、またはライブが終わって駐車場に車を取りに行ったらすぐに。なるべく早めに歌の問題点を洗い出して、またフレッシュな気持ちでボイトレを再開したいですものね!

とにかく、私たちボイトレ学習者にとって歌声を録音することほど大切なことはありません。また歌声を録音しないことほど勿体ないことはありません。もし今日のライブを録音しなかったら・・・客観的に自分の歌声を顧みることを求めなかったら・・・次のライブが今日より良くなる可能性は極めて低くなります。

シンガーは自身の歌っている感覚と、録音された声とのギャップを埋める努力をすることが何よりも大切です。そのギャップはやがては徐々に埋まり、ついにはゼロになる・・・つまり「今日は上手く歌えた!」という自身の感覚は、客観的にも正しい結果となることを目指すべきです。進歩への第一歩は、自分に批判的な目を向けることから始まります。そういう意味では、自分の歌声にガッカリすることは悪い事じゃあありませんよ!

どんどん録音してどんどんガッカリして、そしてまた頑張って練習して!そんな風に上を目指せば良いのですからね!

さて、ただガッカリするばかりではなく、次のような思考を持つことがボイトレ学習者には必要ではないかと思います。

録音によって赤裸々に記録された歌の問題点。例えばピッチ、高音の弱さ、それにスタミナ不足。それらに対してまずは一つ一つ原因を探してみます。

「なるほど、ピッチが悪いのは一つ一つの音に響きを与える努力をしなかったからだ。」「高音が弱いのは声が重くなりすぎたためだ。」「リハで歌いすぎてスタミナが足りず、最後は喉が言うことを聞いてくれなかった。」

これらを、個別に対処して取り繕うことをしてはいけません。上記のような問題点がわかったら、とにかくトータルに、しかし正しい方法で地道にボイトレすることです。

今あるたくさんの歌に関する問題点は、一つ一つ順番に解決しません。いやむしろ、時間はかかりますが全ては芋づる式に、同時進行的に解決していきます。

 

以上、ご精読ありがとうございました。

筆者のプロフィール、ボイトレへの考え

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