僕は常々、自分の演奏パートが「歌」で良かったと思っています。
楽器にお金はかからないし、割とどこででも練習出来るし・・・
だから、シンガーが「練習する暇がなかった!」というのは言い訳だとも思っています。
ギターも割と気楽に練習出来ると思いますが、やはり機材はちゃんと揃えないといけませんね。
ピアノやキーボードは大変な楽器だと思います。
重いし大きいし値段は高いし・・・ピアノを弾く人をいつも気の毒に思うのは、発表会などでも、ほぼ「自分の楽器で演奏出来ない」事です。
ピアノといえども、楽器によってタッチや感覚の差があると思うの・・・
そして、何といっても僕が一番「大変な楽器だなあ」と思うのは「ドラム」です!
大きくて重い事はもちろん、練習する場所を得るのが「ほとんど困難」です。
仲間のドラマーに練習方法を聞いてみたところ、やはりちゃんとした練習は、家ではほとんど無理なようです。
自宅では、ゴムのパッドのようなものを叩いて練習しているようですが、本物のドラムセットとは感覚が違い過ぎて、中々難しいようです。
彼は公園にドラムセットを並べて練習した事があるそうです!上手くなりたい欲求には逆らえなかったのでしょう!
彼は月に1~2度、レンタルスタジオに出向いて練習していると言っていました。
(ドラムも、ピアノと同様に「自分の楽器で演奏する機会」が少ないパートでしょう)
ライブハウスでの演奏でも、会場備え付けのドラムセットを叩く事がほとんどなのではないでしょうか?せいぜい自前のスネアドラムを持ち込む程度でしょうか?
そんなドラマーたちと比べたら、僕たちが学んでいる「声・歌」は、なんと恵まれた事でしょうか?!
今回は、そんなことを色々と書き綴ってみたいと思います。
お付き合い下さい。
現状維持するのが大変!(ドラマー談)
さて、上記のドラマーは、こう嘆いていました。
「スケジュールが詰まってくると、新しい事を身に付ける練習は諦めないといけない。月に数回のスタジオ個人練習では、新しいテクニックを試す余裕はない」
彼は、曲を覚えたり、ドラムのパターンを考えたりするのは、自宅でのゴム製パッドでやっているようです。
そして、こう続けました。
「僕は”ドラム筋”というものがあると信じている。それが数週間叩かないでいるとすぐに衰えてしまう。だから月に数回のスタジオ練習ではこの”ドラム筋”が衰えないように猛烈に練習している」
(彼がいうところの「ドラム筋」とは、あくまでも比喩的な表現です。実際に存在する筋肉の話ではありません)
つまり彼は、限られた時間の「ドラムセットを叩ける練習」は、ほとんど全て「筋力が衰えないようにするためだけ」に使ってしまう。
つまり「実力の現状維持」が練習の目的になってしまうと言っていました。
これは、やはり「ドラム」という楽器の物理的限界であり、ドラマーたちの練習環境に関する苦悩は察するに余りあります。
上記に登場する僕の仲間は「とても優れたドラマー」です。「現状維持がやっと」と本人は言っていますが、彼はその不断の努力によって技術を高い水準で保っています。
声を使わない日はほとんどない
では一方、僕たちシンガーはどうでしょうか?
家でも車でもカラオケボックスでも、メニューによっては外でも練習は可能です。
発表会やライブハウスで、備え付けの慣れない楽器での演奏を強いられる事もなければ、楽器の運搬に苦労もしません。
僕たちはいつも、とても恵まれた練習環境に身をおいています。
そして、ドラマーたちと決定的に違うのは「普段の生活で楽器を常に鳴らしている」という点ではないでしょうか?
ドラマーなら「ひと月ぶりドラムセットを叩いた」なんて事もあるかもしれませんが、僕たちにそんな事は滅多に起こりません。
つくづく自分のパートが「歌でよかった!」と思います!
恵まれた特性を活かしたい
僕たちは、”少し気を付けてさえいれば”必ず「現状維持」は叶います。
「少し気を付ける」とは、日常会話の声を出来るだけ強く出すとか、一日に5分だけでもボイトレするとか、その程度の事です。そんなに難しい事ではありません。月に数回、わざわざスタジオを借りて練習している人たちに比べたら・・・
僕たちは簡単に「現状維持」出来る練習環境にいるので、少しづつでも進歩する事を考えるべきだとも思います。
ドラマーたちが出来ないような「細切れの練習」「毎日5分だけの練習」「小さな音で出来る練習」・・・ほとんどの事がボイトレでは可能なのですから。
まとめ
どの楽器の奏者でも「練習が大変だから、他の楽器に移りたい」なんて考えないとは思います。
アマ・プロ問わず、皆それぞれに自分が魅了された楽器を、毎日の生活の一部としているのですから。
ただ「歌を選んだ」事、「たまたま好きだった楽器が、練習環境に苦労しないものだった」事は喜ぶべきでしょう!
僕たちは、他の楽器の奏者より言い訳し辛いのかもしれませんね。
これからも、お互いに頑張ってまいりましょう!
以上、ご精読ありがとうございました。