ボイトレの成果が話し声に現れた!裏声純化やアンザッツを続けたからだ!

先日、ある生徒さんのレッスンでの出来事です。

気温の高い日の午後、いつもの通りレッスン予定時間の少し前にその生徒さんはやってきました。

「こんにちは!よろしくお願いします!今日も暑いですね!」と、いつもの通り挨拶を交わしましたが、僕には少し腑に落ちない違和感が残りました。

その違和感は「良い意味での違和感」、つまり彼女の話し声が僕のイメージと違っているのです。

この生徒さん、元々元気はつらつとした方だったのですが、その日の話し声は更に「はつらつ感」が増したような印象でした。

具体的にはアンザッツ2番系の「豊かで、しかも張りのある元気な声」という感じです。

しばらくレッスン前の雑談を交わした後、僕はいつものように尋ねました。「声の調子はどうですか?」

すると彼女は「最近少し声が変わってきた自覚があります。今日は声が良く出るなあ!という日も増えました」とのこと。

僕は「やっぱり!」と納得して、彼女に僕が今日感じた「良い意味での違和感」について伝えました。

以下に、この生徒さんが実践した自主練習とレッスンでの様子について書いていきます。

お付き合い下さい。


毎日少しずつ練習してくれていたようです

この生徒さん、お仕事も帰りが割と遅くアンザッツなどの大声の練習は難しいとの事なので、とりあえず「裏声の純化」を日課とするように、と伝えていました。具体的には下記の要領です。

  • 「ウ」母音で
  • 息漏れをさせながら
  • 呼気と吸気で

これを毎日やってくれていたようです。

 

レッスンでは出来るだけたくさん声を出す事を目標にしています

この方のレッスンでは(家では、大きな声での自主練習が難しいということもあり)出来るだけたくさん声を出してもらうようにしています。

特に「地声の張り上げ」は自宅ではほぼ不可能だと思われるので、喉に疲労が蓄積しない程度に、しかし積極的にレッスンに取り入れるようにしています。

ボイトレ界には「張り上げは悪!」のような風潮がありますが、それは間違いです。特に女性は地声の機能が弱く、張り上げる事が出来なくなっている方がたくさんいます。レッスンではこういう人も含めて、ほとんどの生徒さんに張り上げの練習を少しずつ行なっています。また「張り上げる事ができる」という事も喉の自由度の現れであり、声のバリエーションの一つです。積極的に、出来る事を増やしていく気持ちを持つ事が大切です。

また、アンザッツも出来るだけたくさん発声してもらっています。

裏声系のアンザッツの低音域では、彼女の喉が「地声の声区に落ちないように持ちこたえている」様子が聴き取れます。裏声の音域が低い方に伸びる事はとても大切です。この調子で練習を続けていくと、少しずつゆっくりと低い裏声が出てくると思います。

この生徒さんに限らず、アンザッツについては「強化」の意識を持つようにしています。シンプルにいうと、どのアンザッツも「出来るだけ強く大きく!」という意識です。自主練習に物理的・時間的制限のある人も多いので、レッスンの時こそは「強く大きく!」を心掛けると良いでしょう。

 

声区分離が顕著に進んでいます

やはり裏声純化に真面目に取り組んでくれているおかげで「声区分離」が促進されています。

「純粋な裏声」が現れてくると「純粋な地声」も同時発生的に現れてくるので、地声の純粋さも増しています。

女性の場合は地声を強く出せない人も多いです。原因は、普段の日常会話で低い声をあまり使わない為だと言われています。また、男女の声の区別は「後天的なマナーの影響」を強く受けたためだとも言われます。つまり「男らしい声で話す」「女らしい声で話す」という社会的なマナーによって、段々と声の偏りが生まれてきたのです。

 

歌声が変わってくるもの時間の問題でしょう

この方は「カラオケで上手くなりたい」という目的で、レッスンに通われています。

発声練習レベル・日常会話レベルで声に変化が現れてきた事は確実なので、歌声の変化ももちろん近いうちに現れてくることは間違いありません。

とはいえ、歌は発声練習とは比べ物にならないほど複雑です。ここは焦らず、じっくりと練習を続ける事が大切です。

「久しぶりにカラオケに行ったら、何だかいつもより楽に歌えた!」という風に、「いつのまにか」自然に喉の自由度が増している、そんなイメージを持っていると良いと思います。

 

まとめ

この生徒さんの例からも、ボイトレには「毎日の継続」が如何に大切かが分かってもらえると思います。

ボイトレには象徴的な格言があります。

「短く、しかし度々」

 

つまり「数日に1回のまとめての練習」よりも「毎日5分ずつの練習」の方が効果があるという意味です。

「短く、しかし度々」は耳の集中力にも関係してきます。人間の耳は、ほんの数分間しか集中力を持続出来ないとも言われています。

今回の例は、正に格言通りの事を実直にやり続けた成果だと言えます。

また、「声区分離」が進んだ事により、今後のボイトレの地盤が出来つつあるとも言えます。

ボイトレの物理的・時間的制限は誰しも抱えているジレンマですが、出来る事を少しずつ積み重ねることが大切だという象徴的なエピソードとして、今回ブログにご紹介しました。

 

以上、ご精読ありがとうございました。

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