フラジオレットのサポートを得る。高音歌唱に不可欠な”超高音”、高い音を歌うには意識的にカスレさせたり細くする能力が必要。

近頃、特に朝晩、ふと秋の気配を感じることも多くなってきました。ほんの二週間前まで、あんなに暑かった時には想像することも難しかった「あっ!涼しい」という感覚、季節というものは自然の摂理に則って、心配せずともちゃんと巡るものなのだなぁ、と感じます。

フースラーは「人間は本来歌える生き物である」と書いています。僕なんかは今でも、この言葉に大きく慰められ勇気付けられ、ライブで上手く歌えなかった時なんかは再び前に向かって歩を進めることを力強く後押ししてくれる、まるでボイトレ生活の伴侶のように扱っています。

特に大きな失敗を仕出かしたライブの帰り道なんかはお先真っ暗で、もうボイトレなんかやめちまおうか!と考えたことさえありますが、頭の中で呪文のように「人間は本来歌える生き物である」と唱えているうちに、有名な歌手に出来て自分に出来ないことはない!と、沸々とやる気が蘇ってきます。僕たちは本来的に歌える能力があるのだから、新たに何かを習得するというより「歌い方を思い出す」という「回復」の観点からボイトレしていきゃいいんだ!と、元気を取り戻し、それこそ喉を自然の摂理に則って導いてやれ!と、再び練習が楽しくなってくるものです。

さて、僕たちは裏声のそのまた高い音域にフラジオレットと呼ばれる薄く細い超高音を携えています。このフラジオレット、高音歌唱を助けてくれることで知られています。俗に言うハイトーン歌手の歌声を聴くと、高音が細くカスレるようになっているのを聴くことができます。カスレてたらダメじゃないか?と思いがちですが、このような状態の声を意図的に作れること、またはこのような状態の発声フォームこそが高音で歌うことに適していると言われます。

僕は最近その事を、特にライブ前のウォーミングアップ時に痛切に感じています。高音をウォーミングアップしている時、太く重い音色にしかならないうちは、まだまだ僕の喉は高音歌唱に耐えられる状態ではありません。高音が細くカスレる、意識してカスレさせることが出来て、初めてウォーミングアップ終了の合図としています。

つまり、僕はこう考えています。太く重い音色の高音しか出せない時は声は長持ちしません。ライブの後半では高音は出なくなってしまうかもしれません。一方、意図的に高音をカスレさせることが出来る状態になれば、それはフラジオレットのサポートを得られる状態になっているということになり、広い音域を自由に歌うことが可能になり、スタミナも充分で長く長く歌い続けることができます。

本当にごく最近になって実感するフラジオレットの大切さですが、これもやっぱり自然の摂理なんでしょうね。僕たちの高音は本来、太く重いものではなく、カスレがちな独特の音質を持っているのかもしれません。少なくとも”意識的にカスレさせたり細くすることができる能力”が、高い音程を歌う為には必要なのだと思います。

と、書き綴っている今、外はもう暗いです。自然の摂理に従って、日が暮れるのが日に日に早くなっているようです。

筆者のプロフィール、ボイトレへの考え

 

以上、ご精読ありがとうございました。

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