「好みの歌」と「得意な歌」は違うもの。録音してみて初めて分かる”自分に合った歌”の存在。

「君の好みの曲は、必ずしも君の得意な曲とは限らない」

僕がクラシックギターを習っていた先生が、よく口にされていた言葉です。この言葉、発表会用の曲を選ぶ時に何度も言われました。それでも僕は頑固に”弾きたい曲”を選んでいましたが・・・先生には分かるのでしょうね、「君には無理だ」と。この場合の”無理”はテクニック的な観点からではなく、音楽表現的な問題からの”無理”です。テクニックは努力によって身につけることは可能ですが、”その曲が求める表現ができるか否か”は、演奏者の今までの演奏経験、音楽的バックボーン、そして人間性の問題に直結してくるものです。

けれど、当時の僕は今一つピンときていなかったかもしれません。「弾きたい曲を弾くんや!」と、音楽表現的に敷居の高い曲にも挑戦していました。何しろ年に一度の発表会だったので後悔したくはない・・・無理を承知で挑んでいた感はありました。

 

さて、僕はこのブログ内に「気楽に一曲、歌ってみました」なるカテゴリーを新設し、録音した音源をどんどんアップすることにしています。”気楽に”という趣旨からは、時には外れそうになることもありますが・・・すでに何曲か歌って録音し、ブログにも載せています。そんな作業の中で、僕は上述の「好みの歌」と「得意な歌」は必ずしも一致しないことを、遅ればせながら理解したような気がしています。

直近の短い期間内に、僕が子供の頃から慣れ親しんできた、所謂”オールディーズ”2曲を歌って録音してみました。2曲とも両親がよく家や車の中でかけていた曲で、新たに覚え直す必要もなく、それこそ”気楽に”歌える曲です。

具体的にはアルバートハモンドの「カリフォルニアの青い空」、そしてスコットマッケンジーの「花のサンフランシスコ」なのですが、この2曲を比べるとこれまでは断然「カリフォルニアの青い空」の方が僕は好きでした!あの哀愁のサウンド、歌詞・・・胸がキュンとします。ああ名曲だなあ・・・

一方の「花のサンフランシスコ」・・・まあ、名曲だとは思いますが、何となく古臭いし・・・「カリフォルニアの青い空」よりは落ちるよなあ、なんて考えていました。

※「花のサンフランシスコ」は通称”花サン”と呼ばれているようなので、これ以降の記述は「カリフォルニアの青い空」も”カリ青”と呼ぶことにします。

順番としては、まずはやっぱり大好きな「カリ青」を歌って録音し、ブログにアップしました。何度か録り直しましたが、歌っていてもやっぱり胸がキュンとしました!

そのあと「花サン」に取り掛かりましたが・・・歌ってみて録音して、また録り直してを繰り返しているうちに「この歌、僕の声に合っているかも」と思い始め、僕はどんどんこの曲を歌うことが楽しくなってきました。スコットマッケンジーが歌っている動画を何度もみて、YouTubeのカバーバージョンを聴いたり、曲が出来た背景も調べたりして・・・

結局、大好きだった「カリ青」よりも「花サン」の方が上手に歌えたと思います。改めて両曲の僕の声を聴いても、やっぱり「花サン」の方が良い声が出ていると思います。

 

僕は「カリ青」の、あの独特の”土臭さ”や”寂しさ”が好きでしたが、そういった音楽表現が僕には苦手なのです。一方の「花サン」はもっと希望に満ちた内容の歌です。”夢見心地”で”ワクワクする”、そういった表現が必要なのでしょう。また”土臭さ”を表現することが苦手な僕が「カリ青」に憧れること、これもまた必然ということなのでしょう。

 

気楽に歌って録音してブログの記事にする・・・これからも色々な気付きを僕に与えてくれそうです。楽しみです!

 

以上、ご精読ありがとうございました。

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