【音声解説付き】喉の位置が高い声・低い声

ボイストレーニング用語と申しますか、このブログやレッスンで当たり前のように使っている用語について「どういう意味なのですか?」という質問を受けました。

確かに、僕は常に使っている言葉なので「常識」として考えていましたが、良く考えてみるとこれからボイトレを始めようという人たちにとってはさっぱり分からない言葉もこのブログの中ではたくさん使ってしまっていました。(これは僕が大いに反省すべき点だと思います。)

今回は僕が最も頻繁に、当たり前のように使っていた用語である「喉の位置が高い・低い」について、音声解説も交えて書いていきたいと思います。

お付き合い下さい。


「喉の位置が高い」とは?

文字通り「喉頭が高い位置にある」という意味です。

物を飲み込んだ時の喉の動きを見てもらうと、飲み込んだ瞬間に喉頭が上がると思いますが、これに近い喉の状態で出す声を「喉の位置が高い声」という言い方をします。

「ハイラリンクス」「甲高い声」「平べったい声」「細い声」「潰れた声」「キンキンした声」「アンザッツ1番や5番」・・・等というキーワードが思い浮かびます。

↓もちろん、喉の位置が高いといっても段階がありますが、総じてこういうトーンの声です。

クラシックなど特定のジャンルの中では「喉の位置の高い声=良くない声」だと言われます。この場合の「良くない」とは「美しくない」という意味だと考えた方が良いと思います。喉の位置の高い声が生理的に「良くない」という事はありません。一方ロックシンガーの喉の位置は高めの場合が多いです。彼らのテクニックには「喉の位置が高い事」でしか出来ないものもあります。また、演歌の歌手も高めの喉の位置でしょうか。

「ハイラリ(ハイラリンクス=喉の位置が高い)」を治したい!という相談をネット上でよく見かけます。確かに音程が高くなるにつれて喉の位置が高くなってしまって「声が詰まった」ようになってしまうのは良くないとは思いますが、これとて「ハイラリ」そのものに問題があるのではなく、シンプルに「喉が機能不全」なだけだと思います。つまり、思うように喉を操れないから不適切に喉の位置が上がってしまっているので、喉の位置を下げる事だけをやっても問題は何も解決しません。

 

「喉の位置が低い」とは?

これも「喉頭が低い位置にある」という意味です。

あくびをした時の喉頭の位置や声のトーンをイメージしてください。

「ローラリンクス」「太い声」「豊かな声」「眠たい声」「ぼやけた声」「アンザッツ3a番や6番」・・・等というキーワードに結びつけられます。

↓こちらも、種類は色々ありますが、総じてこういうトーンになります。

オペラの豊かな太い声は喉の位置が低い為に、そのジャンルでは「良い声」という認識ですが、もちろんこれも美的な概念です。「腹から声を出す」というと、どちらかといえば「喉の位置が低く、豊かな声」というイメージです。また、昭和歌謡の「声量を感じさせる」歌手たちの声も喉の位置は低めでしょうか。

 

「美的な判断」と「訓練価値的な判断」

喉の位置の高低による声のトーンの違いは、そのまま「ジャンルのマナー・美意識」に直結している事があります。(オペラ=低い、ロック=高いといったように)

もちろん、そのジャンルに沿った声かどうか?また守られてきた伝統もあるので「美的な判断」で喉の位置取りがある程度偏ってしまうのは避けられないと思います。

平べったい声で歌われるオペラも、太い声で歌われるハードロックも、どちらも美的には「不正解」かもしれません。これはある意味仕方のない事です。そのジャンルを愛する人は、その中に生きている「美的なマナー」も含めて楽しんでいるのですから。「ハードロック」をイメージした時、何が思い浮かぶか考えると、「歪んだギター」「長髪」そして「甲高くキンキンした声(喉の位置の高い声)」ではないでしょうか?

しかし「ボイストレーニングの中で使う声」という考えからは、喉の位置が高い声も低い声も、同様に発声していかなければなりません。

つまり「訓練価値的な判断」が大切なのであって、そこに「美的な判断」が入り込んではいけません。

むしろ喉の位置が高いジャンル(ロックなど)のシンガーは「喉の位置が低い声の練習」を、喉の位置が低いジャンル(オペラなど)のシンガーは「喉の位置が高い声の練習」を、よりたくさん行った方がバランス的には整ってくると思います。

 

高くも出来る、低くも出来る自由さを

また、喉の位置を高くしたり低くしたり、つまり声のトーンを平べったくしたり太くしたりを自由に出来ることは、そのまま喉の自由さの現れだともいえます。

物真似名人や声優さんは、喉の位置の高低の調整で声のトーンを様々に変化させる自在さを持っています。またシンガーでも曲調によって声のトーンを操れる人もいます。こういう人たちはボイストレーニング的な見地からは、とても「喉の機能回復が進んだ人」だといえます。

 

まとめ

今回は「喉の位置が高い・低い」について書いてみましたが、これらはボイトレの情報をネットで調べたり、レッスンを受けたりすると必ず目にする・耳にする言葉なのでぜひ覚えておいてもらいたいと思います。

↓最後に、歌のワンフレーズで喉の位置の高低を変えた歌唱サンプルを載せておきます。(曲はビートルズのFor no oneの一部です)

ぜひ、参考にしてください。

 

以上、ご精読ありがとうございました。

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