「ボイトレしないとこうなる!」 ~上手くいかなかった時の録音を残しておきましょう~

何かを身に付けようと思って、その為の練習をしようとする時「練習したら、こうなる」という明るい未来を想像すると、誰でも俄然やる気になります。

ボイストレーニングにとっての明るい未来とは「発表会やライブで上手く歌って、たくさんの拍手をもらう」「カラオケで難しい曲を何曲も続けて歌える」といったような事になるでしょうか。

もちろん「そうなりたい」という目標・ゴールを思い描くことは、とても大切だと思います。

しかし、僕自身は「そうなりたい」という想像と同じくらいモチベーションアップに繋がっている想像があります。

「そうなりたくない」です

つまり「今練習しないと、また不愉快な事が起こってしまうよ」という、いわば「苦い経験」を思い出して、練習する気持ちを高ぶらせることがよくあります。

そして、より具体的に「苦い経験」を反芻しようとした時に必要なのは「その日の録音」です。

一度でも発表会やライブの経験がある人なら分かると思います。声の出ないシンガーほど惨めなものはありません。またカラオケでも同じ事でしょう。声が自由に出ている時と調子の悪い時では、楽しさも雲泥の差でしょう。

他の楽器の奏者には”本当の意味でのシンガーの大変さ”は分からないと思っておくべきです。もしあなたがバンドで歌っているなら、本番に向けて声をどう作っていくか?に関して他のメンバーから出た意見は全てスルーするべきです。例えばリハーサルの時に、あなたの声が苦しそうに聴こえたら、他のメンバーから「これ以上歌わない方が良いよ」とか「のど飴買ってきてあげようか?」などの”親身の”助言があると思います。彼らはもちろん好意で言ってくれているのですが・・・その楽器(喉)の事は、その楽器(喉)の奏者(シンガー)にしか分かりません。

この記事は「苦い経験」を練習のモチベーションに繋げる事について書いてみたいと思います。

お付き合いください。


本番は必ず録音しましょう

このブログでも度々書いていますが、発表会やライブは必ず録音した方が良いと思います。

そして、出来れば保存しておけば何かと役に立つと思います。

僕はアマチュア時代の録音をあまり残しておかなかったので、今になって後悔しています。ブログに僕の声のビフォーアフターを載せようと思ってもビフォーの音源が無いのです。やっぱり過去の録音は残しておくとビフォーアフターの確認の他にも、色々と使えると思います。

 

 

恐怖は人間に力を与えます

「歌うこと」にとって、最も避けたい事・避けなければいけない事は「満足に声がで出ない事」だと思います。

鳴らない楽器・弦の足りないギターを抱えてステージに上がらなければならない可能性がある、という他の楽器の演奏ではあり得ないような事が、歌では割と頻繁に起こります。

これは恐怖以外の何物でもありません!負け戦に自ら進んで出向いていくようなものです。

声も満足に出せない状態でできる表現なんて、たかだか知れています。僕たちは「声さえ自由に出せれば」、かなりの音楽的表現が可能です。自然に歌心が現れてきます。歌とはそういうものだと、僕は考えています。

こういう時は、本番前から「今日は声が出ないだろうな」という確信に近い推測がたち、その推測は、不幸にして大抵当たってしまいます。

そして、ステージでワンフレーズ歌った瞬間に「今日はもうダメだ!」という絶望的な気分になり、楽しみにしていたはずの発表会やライブが苦痛を伴うものとなってしまいかねません。

キャバンクラブ大阪での僕は、普通は一晩で4回のステージをこなします。もし、1回目のステージで僕の声が全然ダメなら、2回目以降は「僕のボーカル曲を減らす」「難しい歌を避ける」等の打開策を講じなければなりません。かつての喉の機能が弱かった僕には、こういう事が頻繁に起こりました。それはもう「恐怖と絶望」でしかなかったです。

 

「苦い経験」を糧にするために・・・

本番で声が出なかったら「次は絶対こんな事がないように!しっかり練習しよう!」と、強く誓いを立てるでしょう。

しかし、人間誰でも、その強い気持ちは長続きしません。

本番で失敗した直後は熱心にボイトレしていても、時間の経過とともに練習のモチベーションは段々下がってくるでしょう。

「せっかく得た苦い経験」も、何日かすると薄れてきたり、忘れてしまったりするかもしれませが、それはある意味仕方のない事でしょう。

そんな時・・・

「あの日」の録音を聴いてみましょう!

「あの日、全然声が出なかったあの日」の録音を聴いみましょう。

高音で裏返り、掠れ、音程は外れ・・・

きっと、声を無理に出そうとして失敗を重ねている過程が克明に記録されているはずです。

ひょっとしたら、この録音、本番直後は聴こうとさえ思わなかったかもしれませんが、しばらく日数が経ってからなら冷静に聴けるかもしれません。

何より、「もうあんな経験は絶対嫌や!声が出ないという事だけは避けよう」と思わせてくれるのに、これほど効果的なアイテムはありません。

勇気を出して聴いてみて、モチベーションを上げて再びトレーニングしましょう!

次のライブは、前回よりはずっと良くなっているはずです。

この場合、録音は「ざっくりと」聴くだけで良いと思いますよ!「苦い経験」を反芻出来さえすればよいのです。「音程」「母音」「声量」・・・好調な時は簡単に出来ている事でも、不調な時は「何も上手く出来ない」。歌とはそういうものです。

 

まとめ

本番での失敗は誰にでも付き物です。

シンガーにとっての最も恐ろしい失敗は「声が出ない」事です。

誰でも一度は経験するはずの「本番で声が出なかった」苦い経験は、是非とも今後の糧にしたいものです。

練習の意欲が低下した時には、その日の録音を聴いて「恐怖・絶望」を反芻し、再びモチベーションを上げてみていかがでしょうか?

 

以上、ご精読ありがとうございました。

筆者のプロフィール、ボイトレへの考え

PAGE TOP