「音程が取れない」悩み・・・正しくトレーニングすれば必ず解決します

音楽において、声の良さや歌の上手さや曲の良し悪し・・・こういったものは「個人の趣味」にも左右されるので、少し乱暴な書き方をすると「誰かにとっては正解でも、他の誰かにとっては不正解」という事が起こり得ます。

上記のようなものの価値にも、実際には「正解があります」 「多くの人が聴いて感動する」「誰が聴いても自然な美しさがある」といったものの他に「歴史的に形作られてきた、確固たる”美的なマナー”に沿っている」という意味での「正解」が必ずあります。音楽は(スポーツやテストではないのだから)正解がない!個人個人がそれぞれの好みで勝手に楽しめばいいんだ!と言い切ってしまうと、このジャンルの全ての規範は崩壊してしまいます。やはり決まったルール・歴史的に作られた規範の中に収まった上で初めて「個人の趣味」のふり幅を許容するべきものと思います。

そんな中で音楽において「完全は正誤」の判断が可能なものに「音程」があります。

歌を歌う多くの人を長い間悩ますのは、この「音程」の問題です。

「音程が取れない」という初歩的なものから「母音によって微妙に音程を外す」という悩みまで、この問題にも「段階」があるとは思いますが、これから歌を続けていくほとんど全ての人の(大なり小なりの)悩みの種となっていくでしょう。

さて、今回は一番初歩的な「音程が取れない」ことへの対処法を書いてみたいと思います。

お付き合いください。


原因は「感覚のズレ」「未熟な発声器官」です

僕の経験上「何度やっても、毎度毎度外してしまう人」は本当に稀です。

つまり「音程が合う時(または合う箇所)もあるけれど、外してしまう時(または外してしまう箇所)もある」人がほとんどです。

そして多くの場合は「音痴だからずっと治らない!」などと諦めてしまう必要は全くありません。

原因は(おそらく)・・・

  • 音程の感覚がズレている
  • 発声器官が未熟

といった事だと思います。

いずれにしても「必ず改善する」ことは間違いないので、諦めずに取り組んでもらえたらと思います。

 

単音から練習する

「歌の中で」「ワンフレーズの中で」練習しようとすると複雑すぎて上手くいかないと思います。

やはり「単音」での練習をするべきです。

この場合は他の音との相関関係も、とりあえずは考慮しない方が良いと思います。つまり「伴奏に合わせて声を出す」というように「複雑な音」は聴かない方が良いでしょう。

具体的な練習方法は・・・

  1. 録音をスタートする
  2. キーボードで「ド」の音を出す
  3. 「ド」を発声してみる
  4. 録音を聴き返してズレを認識する
  5. 1から繰り返す

ただし、この方法は少なくとも「音程のズレを自分で認識出来る人」でないと難しいです。

なので、誰かに(音程のズレを認識出来る人に)手伝ってもらって・・・

  1. キーボードで「ド」の音を出してもらう
  2. 「ド」を発声してみる
  3. ズレを指摘してもらう
  4. 正しい音に誘導してもらう
  5. 1から繰り返す

4.では、協力者の人がキーボードを使って半音ずつ正しい音へ導いてあげて下さい。例えばこんな風にです↓

音程の問題は(大きな問題でも小さな問題でも)自覚することは中々難しいので「録音機」「協力者」のどちらかは必ず必要です。やはり理想は「音程を認識できる協力者」の力を借りるのが確実だとは思います。更には「協力者の発声を模倣して」音程練習が出来れば一番早く解決すると思います。

 

頭の中でイメージしてから声を出す

ボイストレーニングによって、喉の神経支配が行き届いてくると「反射的に」思い通りの音程やトーンを発声できるようになってきますが、初心者の人には難しい場合があります。

キーボードで出した「ド」に対して、反射的に正しい音を発声するだけの神経支配が喉にない場合は、こうなります↓

むしろ、音を良く聴いて、ゆっくりと「自分が出す音を強くイメージしてから」発声した方が良いと思います。これくらいゆっくりと間をあけてください。↓

発声にとって「出したい声を強くイメージする事」はとても大切です。そしてもちろん「音程やトーン、母音」などを出来るだけ具体的にイメージする方が良いと思います。音程の練習だからといって「声のトーンや母音」を無視せずに、それらを含めた「具体的な音」を時間をかけてイメージしてください。「聴いた音を模倣しようとする」で喉は自動的にその状態に調整されるので、協力者が実際に(キーボードの音ではなく)発声して、その声を模倣して音程を認識していく事がベストかもしれません。

音程の問題に限らず上手くいかない事には「反対のやり方」で対処してみて下さい。この例のように「反射的に発声して外す」なら「反射的に出さない」方向から考えてみます。

 

発声器官を鍛えながら

もちろん上記の事は「発声器官を鍛えながら」、つまりボイストレーニングをしながら行なって下さい。

例えば上記で「反射的に発声しないように」と書きましたが、いずれは「反射的に発声出来る」ようにならないと歌には使えません。

そのための「喉の神経支配」は、ボイストレーニングによって充実させるより道はありません。

音程の問題だけに目を向けすぎると、発声に係る根本的な問題は残ったままになり、またどこかで同じような躓きに合う事になります。

「喉の神経支配」は、ボイトレが進むにつれて必ず行き届いてきます。イメージしたことが正に「反射的に」出来るようになってきます。また、そうなるようにする事がボイストレーニングの目的です。

 

まとめ

「音程が取れない」ことは(ほとんどの場合)改善します。

ただし「音程のズレ」が認識出来ない状態だと、協力者の助けがいるかもしれません。

レッスンを受けて頂くことが理想ですが、少なくとも協力してくれる人と環境を見つける事が優先されるかもしれません。

何はともあれ、決して不可能な事ではありませんので、頑張って取り組んでもらえたらと思います。

より喉の機能回復が進んだ人にも音程の問題は必ずついてまわります。母音や声区融合に起因する、もっと細かい音程の問題とも常に向き合っていかなければなりません。

「自分だけが音程を外している!」と決して思わない事です。ベテランのシンガーでもアマチュアの人でも、歌う人すべてが「音程の問題を抱えている」と思ってください。程度の差だけなのです。極端にいうと「歌が上手いけれど、時々フラットする人」も「現状はほとんど音程が取れない人」も、同様に上手く歌えていない事に変わりはないのですから!

 

以上、ご精読ありがとうございました。

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