ジョギングすると声がよく出るか?初心者には効果があるが、走ることはボイトレではない。

僕は一時期、ライブ前のジョギングを日課にしていたことがあります。

ダイエットのためでも、身体を鍛えるためでもなく、もちろんその日のライブで「声がよく出るように」との願いからです!

実際、歌の現場ではジョギングを習慣にしている人もおり、効果を感じている人も多いとは思います。

さて、この記事では「ジョギングすると声がよく出るか?」について、色々と書いてみたいと思います。

お付き合いください。


僕の経験~ジョギングすると確かに声は出やすくなります

冒頭で書いたように、僕はライブ前のウォーミングアップのためにジョギングを取り入れていた時期があります。とはいえ、コースを決めたり専用のシューズを履いたり、そんな本格的なものではありません。ただ近くの公園の周りを少し走ったりする程度でした。

それでも、ジョギングすると声が良く出ると信じていましたし、実際にそうだったと思います。

あまりにも調子が悪そうな時は、隣のビル(5階建て)の階段を屋上まで全速力で駆け上がったりしていました。そうすると息が切れるのですが、その後は声が出やすくなっていたと思います。

 

なぜ、ジョギングすると声がよく出るのか?

ジョギングすると声が確かに出やすくなりますが、それはなぜでしょうか?

これは、ただ単純に「身体が温まったから」に過ぎません!

喉とはいえ人間の体の一部です。当然ながら「寝て起きてすぐ」より「身体が温まって完全に目覚めてから」の方が機敏に働いてくれることは間違いないでしょう。起き抜けは足元すらおぼつきません。同様に喉にも目覚めてもらわないといけません。

つまり「ジョギングして声が良く出る」ことは、「朝の散歩をしてから仕事に出かけた方が効率が上がる」といった程度のことに等しいと思います。

ジョギングそのものには、声を良くしたり喉の機能を育てたりする効果はまるでないでしょう。

ストレッチやジョギングで声が「一時的に」良く出るようになることは当たり前なので、それで「声が出るようになった!ボイトレ成功や!」とはならないはずです。

 

ジョギングはボイトレではありません。

ボイトレとは、一時的に声を良くしたり出やすくしたりするものではありません。長い時間をかけて喉の底力を上げ、喉が本来持っている能力を引き出していくもの、またそれをずっと維持していくためのものです。

なので上の項で書いたように、声を育てる効果のないジョギングは、ボイトレではありません。

百歩譲って(全身の)ウォーミングアップにはなっているとは思いますが、毎日ジョギングをやり続けたからといって声の質が変わったり、高音の自由度は上がったりすることはありません。

もし、日々のボイトレにジョギングを取り入れているなら、その時間を使ってもっと他の「喉の機能を育てる」練習をした方がよいと思います。

スレッチにしても体操にしても「よくてウォーミングアップ程度」と考えた方が良いと思います。同じく腹式呼吸などの”呼吸”に関する練習もボイトレではありません。いや!呼吸の練習は発声の悪い癖を付けてしまう可能性があるので、むしろやらない方が良いでしょう。

 

初心者ほどジョギングの効果を感じるでしょう

今となっては僕は、ウォーミングアップにさえジョギングを取り入れることはありません。アンザッツをやったり、歌を歌ったり・・・そういった「喉だけに仕事を任せる」ウォーミングアップで充分と考えています。

けれど、ボイトレを始めたばかりの人や喉の機能回復がまだ進んでいない人は、ライブ前にジョギングをするのも良いと思いますし、実際に効果もあると思います。

なぜなら、ボイトレ初心者ほど「発声を喉だけに任せることが難しい」からです。ボイトレ経験が浅い人は「呼吸」や「腹筋」など、身体全体の力を加担させて発声している場合が多いでしょう。なので”身体全体を目覚めさせ温める”ジョギングによって、その日の声の出方は大きく変わると思います。

発声を”喉だけの仕事にする”には相当な時間がかかります。身体全体の力を加担させたり呼吸に頼ったりする悪い癖を無くしていくには、少なく見積もっても年単位の期間がかかります。なので”今日のライブは今日の喉の使い方”で、全力で歌うより仕方がないのです。それならばジョギングなどの全身運動で身体を温めて本番に臨んだ方が良いと思います。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?

まとめると・・・ジョギングをすると確かに声は出やすくなる。これは身体が温まったからであり、喉の機能が育ったわけではないので純粋にウォーミングアップとしてとらえるべき。よってジョギングはボイトレではない。日々の練習でジョギングに時間を割くくらいなら、アンザッツなど「喉の機能回復のための」練習に時間を使った方が良い。

という結論になります。

けれど僕に関して言えば、ボイトレ初心者だったあの頃・ライブ前のジョギングを日課にしていたあの時期の方が「お腹は出ていなかった」とだけは、確かに言えますね(笑)

 

以上、ご精読ありがとうございました。

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