ボイトレは数(=量)・工夫・模倣。量をこなし、確認しながら、真似をして

突然ですが、弓道の稽古には「数稽古」「工夫稽古」「見取り稽古」の3つがあるそうです。

3つの稽古の意味は読んで字の如くです。「数稽古」は、とにかく数をこなして上達するための練習、「工夫稽古」は、数は少なくても一つ一つ丁寧に確認しながらじっくり取り組む練習、「見取り稽古」は師匠や先輩の真似をして、その人の技を会得する練習です。

もちろん、弓道は「武道」に属し肉体と共に精神を鍛えるものなので、根本的にはボイトレとは違う分野のものですが、上記の三種類の稽古の種類分けはボイトレにも通じるものがありそうです。またその三つをバランスよく適時選びながら行っていくという点では、全ての稽古事に通じるものなのでしょう。

数稽古

ボイトレにおける数稽古とは、どういったものになるでしょうか?

例えば、アンザッツは繰り返して行なうことによって”喉を吊る筋肉”を鍛える、いわば”筋トレ”的な種類のものといえます。僕はアンザッツを一日最低1セット行なった方が良いと考えています。もちろん、余裕がある日は一日2回でも3回でもやった方が良いでしょう。アンザッツは数稽古が必要な練習です。

また”純粋な裏声”の練習も、一日に何度もやることによって、早くに純粋さは増してくると思います。

一方、数稽古をやってはいけないのは”地声の張り上げ”、いわゆるベルティング発声の練習です。これに限らず、地声をたくさん使う練習は喉をとても疲労させるので数稽古に向きません。

フースラーはボイトレは「短く、しかし度々行うべき」と書いています。これは数稽古を推奨しているというよりは、疲れた耳での練習はアテにならないことへの戒めです。

 

工夫稽古

次に工夫稽古に当たるものとしては「レジストレーションの練習」や「母音の純化」が挙げられます。

レジストレーションの練習(声区を繋ぐ練習)は、耳の感受性と喉の感覚を研ぎ澄ませて少しの破綻も見過ごさないような丁寧な練習が必要です。裏声から地声へゆっくりと繋げてみる・・・途中で破綻が起これば、また最初からやり直して今度はもっとゆっくりやってみる・・・とても集中力が必要な練習なので、一日に何度も繰り返して行なうことは難しいでしょう。むしろ数は少なくても「ダメならもう一度、工夫して」という練習なので、まさに「工夫稽古」と呼べるものです。

また、母音の純化の練習も同様に集中してゆっくりと母音と母音とを繋ぐ必要があります。(母音の純化は、ボイトレ学習者が最も嫌がる練習だそうです)

 

見取り稽古

最後に、見取り稽古とは正に「ボイトレのレッスン」そのものと言えます。

先生の声を生徒さんが模倣して出してみる・・・その声を聴いた先生は生徒さんにアドバイスを与え、より模倣の精度を高めるように導いていく・・・こんな風にしてボイストレーニングの歴史は作られてきました。

「メンタルコンセプト」という概念がボイトレの中でとても重要であり続けるのは、「見取り稽古」によって多くの素晴らしい声が作られてきた証なのでしょう。

好きな歌手の声を聴いて、その歌手になり切って歌う・・・そんな、誰もが自然にやっていることも「メンタルコンセプト」であり「見取り稽古」であると言えます。

 

ボイトレ初期は「数稽古」が必要です

ボイトレを始めたばかりの人には「数稽古」の精神が必要だと僕は考えています。

誰でも習い始めの頃は、練習のベクトルが少し違う方向に向いてしまうことはありがちです。けれど、とにかく数をこなしてみないと見えてこないことはたくさんあります。

トレーナーとしての立場からは、たくさん練習してきて(良くも悪くも)少しばかりの癖を身に付けてきた人の方が教えやすいと感じます。

もちろん「工夫稽古」的な丁寧な練習も必要ですが、それは耳や喉の感受性が目覚めてから充分に行うとして、やはり最初は「数稽古」が必要です。

また、レッスンは「見取り稽古」をふんだんに行うチャンスです。出来るだけたくさん、時間いっぱい先生の声を真似するようにしてください。

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以上、ご精読ありがとうございました。

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