ボイストレーナーとしてのレベルアップを誓い、来年を迎える。「シンガーとしての経験」で知識不足を相殺しない。

2019年も師走に入り残すところあとわずか、大方の人と同じく私も、仕事の上で充実した形を保ちつつ来年に滑り込みたいと考えています。

ここ最近「私はボイストレーナーとして、余りにも未熟なのではないか?」という、私の今の実力では当然ともいえる自問自答が”突然に”芽生え出し、とにかく”トレーナーとしての力の積み上げ”を願ってやみません。これはもちろん”シンガーとしての力の積み上げ”とはまた別な方向性の努力が必要なのであります。

「トレーナーとしての勉強」と「シンガーとしての勉強」、これはもちろん重なりあう部分も多いです。例えば「ライブの現場で、共演者の歌声に耳を傾けること」、これは”聴くこと”を第一の使命とするボイストレーナーにとってまたとない訓練の機会となります。一方「シンガーとしての私自身が行なう日々のボイストレーニング」は、学習者としての私を毎日少しずつ違う世界に連れて行ってくれるものですが、その中での発見や気付きは当然、私が行なうレッスン内容に影響を与えます。

ただ率直に言って、ボイストレーナー稼業というものが何の資格も必要なく、言うなれば”誰でも明日からでも始められる”という性質のものであることは確かなので、私は、自身の”シンガーとしての力の積み上げ”が、そっくりそのまま”トレーナーとしての力の積み上げ”に自動的に繋がるのだろうと期待していた節は否めません。その暗黙の根拠となっていたのは「自身のシンガーとしてのレベルアップ=たくさんの練習量=トレーナーとしてのたくさんの発見や気付き→レッスンの充実」という図式でした。もちろんそれだけではない、トレーナー自身がたくさん練習すればそれだけで良いレッスンができるものではない、とは理解していましたが、今までの私は「現役のシンガーである」という自負の上にあぐらをかいていたことは認めます。「トレーナとしての未熟さ」を「シンガーとして如何なる道筋で上達したか」や「ライブには如何なる心構えで臨むのか」など、そういった”私特有の経験”をレッスンに盛り込むことで、無意識に相殺しようとしていたのです。

先日、少し時間ができたので大阪の大きな書店に行ってボイトレ関連の本を漁っていました。たくさんある本の目次を眺め、自分自身のレッスン趣旨と合致するものを選んで読んでいるうちに、こんな独り言が頭の中を駆け巡りました。

「今の私に、こんな説得力のある文章が書けるだろうか。もっと言えば、本を一冊書けるくらい、この分野で誰にも負けない知識を持っていると言えるのか?」

答えは”否”です。

(書かれている内容の正誤は別の話として)とにかく”本を一冊書ける”・・・これはとても凄まじいことです。経験・確信・知識量・熱意・文章力、全ての要素が揃わないと、たとえ薄い本でも一冊仕上げることは難しいでしょう。※但し、”書棚に並ぶ”という影響力を考えると「内容の正誤」は大きな問題にはなります。(特にポップス系の)ボイトレ本の練習方法はとても多岐に渡ってしまっている印象を受けます。

もちろん私は「正しいことを教えている」という自負は充分に持っています。けれど、例えば「生徒さんから”いかなる種類の質問を受けても”、淀みなく答えることができるのか?」と問われると、はっきりと「はい!」と返答することができません。

こんな逃げ道は通用するでしょうか?「○○先生は一時間10,000円のレッスン費だけれど、私は5,500円だから半分の知識量で充分だろう」・・・馬鹿げた考えです。生徒さんにとっては○○先生も私も”一律に”「先生」なのですから。

こういう内容はブログに書くべきではないかもしれません。私に習いにきてくれている生徒さんが何人もいますが、彼らは少し残念がるでしょう。

けれど、ボイストレーナーとしての私が気持ちを新たにすること、声の勉強に対しての新たな熱意を表明することは、結局は彼らの歌声の未来を左右するのです。世界的に高名な先生であれ、京都のカラオケボックスで教えている先生であれ、その責任の重さに差はありません。

なにか”懺悔文”のようなブログ記事になりましたが・・・くれぐれも!私が信じるボイストレーニングの根幹的な考えは、これまでと何も変わりません。それは「時間はかかるけれど、歴史的に実績が認められた正しい方法でレッスンを行なう。そして私自身の歌声がそれによって導かれることをモデルケースとする」という、これまでと寸分違わぬ主旨です。

ただ、この師走に際して、「トレーナーとして、もっとやれること・勉強できることはたくさんある」という、いわば”教えるものとして当然の”心意気を持ちながら、私は新しい年を迎えることになりました。

このブログ記事は、生徒さんの新規入会を妨害する内容になるかもしれないので、近々に削除するかもしれません。けれど、このブログは”私自身のブログ”なので、私の本音を書く場でもあります。なので、今回はこういった内容になりました。

 

以上、ご精読ありがとうございました。

筆者のプロフィール、ボイトレへの考え

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