会話を聴き返される女性の方へ。地声の訓練をたくさんやり、張り上げながら歌ってみる

これまで「裏声の重要性」について、他の記事でも書いてきました。

ボイストレーニングにおいて「裏声の足場を作る・拡げる」ことはとても重要なことです。

あなたの声の低音から高音まで、広い範囲が「裏声の膜」に包まれている・・・その”膜”の中で、地声が力強く活き活きと活動する・・・いささか比喩的な表現ですが、そんな風にイメージしてみてください。つまり、あなたの声が「裏声によって保護されている状態」にする、そうなることで自由に力強く歌うことができると考えてください。

つまり、ボイトレでは「裏声の強化」「裏声音域の拡大」は、まず取り組まなければならない必須事項です。

一方、声を構成するもう一つの要素である「地声」についてはどうでしょうか?

当然のことながら「地声の強化」もボイストレーニングには欠かせない大切な訓練です。

さて「裏声の重要性」にばかり着目していると、ともすれば”おざなり”になってしまいかねない「地声の役割」、今回の記事では「地声の訓練」について書いてみたいと思います。

お付き合いください。

 

女性に多い「地声の衰弱」

日常生活を送っていて、またレッスンをしていて感じるのは、案外「地声が弱い女性」が多いことです。

「話し声がソフトで小さい」「会話の時、いつも聴き返される」「声を張り上げたり、強く押し出したり、がなったり出来ない」「歌を歌っていても声が裏返らない、意図せず裏声の音域まで繋がってしまう」・・・こういった声の持ち主は女性に多い印象であり、「地声が弱い」ことの現われだと言えるでしょう。

一方、男性は「地声が強い」タイプが多いように思います。例えばカラオケで歌っても「声がひっくり返る」のは男性に多く見られます。音程が上がっても裏声に上手く橋渡しすることが出来ず、そのまま裏返ってしまうのです。こういったタイプの男性は、本人としては「裏返ることを無くしたい!」と強く願っていることがほとんどですが、実はボイストレーニングのスタート地点としては「声が裏返る」ことは、むしろ好都合だとも言えます。

 

地声系の練習の比重を増やす

上に書いたような地声の弱いタイプの女性は、まず簡単に出来る事として、会話の声を出来るだけ強めてハキハキ話すようにしてください。

まずは会話の声を見直すことから始め、アンザッツなどのボイストレーニングも同時に行っていくと良いでしょう。

歌うことに重要な役割を果たしているのは「喉を吊る筋肉」であり、これはアンザッツトレーニングを行うことによって鍛えられていきます。一方、会話の声の練習は「喉の中身」に対しての働きかけに留まるでしょう。けれど声帯を伸ばしたり緊張させたりする「喉の中身」の訓練が必要ないということでは、もちろんありません。

加えて、地声系のアンザッツ(1・2・3a)の練習では「より強く、より大きく」を心がけてください。

また、お笑い番組を見て「ワッハッハー!」と思いっきり笑ってみる・・・電話に出る時に「もしもし」と”ソフトな声を作る”癖をやめてみる・・・といった日常生活で少し工夫できることもあると思います。

 

ただし、あまり根を詰めないように

地声系の練習は、喉にとても負担がかかるので、あまり長い時間大きな声を張り上げることをしないように注意してください。練習をしてみて、もし喉に違和感があれば回復を待ってから再開した方が良いでしょう。(そんな時は裏声の練習をやればいいと思います。裏声の練習は喉に負担が少ないです)

特に発表会やライブを控えた前日や当日に、こういった練習をたくさんやることは避けた方が良いでしょう。

僕自身、アンザッツトレーニングに取り組み始めた頃、ライブ本番前は「裏声系のアンザッツ(4・5・6)」しかやっていませんでした。当時の、まだ裏声の足場が弱い状態の僕の喉にとっては、地声系の訓練はとても負担のかかる練習だったからです。けれど今はもちろん、本番前でも全てのアンザッツを満遍なく行っています。このようにボイストレーニングが進んで、声全体が”裏声に保護された”状態になってくると、地声系の練習もそれほど負担なく出来るようになってきます。

 

張り上げながら、裏返りながら・・・歌ってみる

機会があれば「地声を強調して・地声オンリーで」歌ってみてください。

地声を強めて歌うと、今まで繋がっていた箇所は繋がらなくなって、高音では声が裏返ってしまうと思います。けれどそれは「不本意に混合してしまっている裏声と地声」を紐解くためには悪いことではありません。ボイトレの初期段階としては、その方がむしろトレーニングを進めやすいとさえ言えます。

もちろん、このような歌い方の練習は喉にとても負担がかかります。決して長く続けないようにしてください。

「音程が高くなるほど声が大きくなる」ことは悪い発声の典型ですが、地声強化の時点では少しこういった発声もやってみると良いでしょう。(ただし、レッスンを受けていて先生に軌道修正してもらうか、自分自身で”悪癖”とならないように注意して行なってください。)

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?

ボイストレーニングをやって、最終的に目指す声はどんな声か?・・・「強い声」は誰にでも外せない条件でしょう。

そんな「強い声」には、力強い地声が必ず必要です。

裏声の訓練と同様に、地声の訓練もたくさん行ない、日常的に「聴き返されること」が少なくなるように頑張ってください。

 

以上、ご精読ありがとうございました。

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