ボイストレーニングに通う目的は何か?「歌が上手くなりたい」「大きな声を出せるようになりたい」・・・色々ありますが、何と言っても「高い声で歌えるようになりたい!」という人は本当に多いです。
巷で流れている曲もやっぱり高音の曲が多い印象で、これからその傾向は益々強まっていくのかもしれません。
「高い声で歌うことは難しい」・・・これは間違いのない事実です。(とはいえ、高音は”持って生まれたもの”という訳ではありません。あくまでも”現状の喉の使われ方”が高音に向いているかどうか、だけです。つまりボイトレによって充分に伸ばすことができます)
僕自身ずっと難しい高音に挑戦し続けており、「高い声」には抗い難い誘惑が宿っていると思っています。
では「低く歌うこと」は難しくないのか?と問われれば、これはまた別の難しさがあります。音程は取りにくく、油断するとすぐにエッジ混じりの濁った声になってしまいます。
さて、今回の歌唱サンプルは「低い声で歌う」箇所の多い曲を選んでみました。昔から歌っていた曲なのですが、僕にとってライブで歌うにはちょっと低すぎる音がたくさん出てくるので、”キーを一音上げて”歌っていた時もあります。
Greg LakeのLuky Manという曲です。まずはお聴きください。
フォーク調の曲です。Aメロとサビを繰り返すだけのシンプルな構成です。
サビの部分(Oh What a Lucy Man He Was♬)の部分はそれほど難しくないのですが、何しろAメロの音域が低いのです!
この曲をちゃんと歌うために意識したことは・・・
- 低い音程の部分は「喉の位置を高くする」
- 高い音程の部分は「喉の位置を低くする」
- 母音をしっかりと発音する
などです。
まず低い音程の部分は少し”鼻にかかった声”のように聴こえると思います。これは鼻腔共鳴とかそういったものではなく「喉の位置」の影響でこういう音質になっているだけです。つまり「喉の位置が高い声」とは、自動的にこういう音質になります。
一方、サビの部分では少しまろやかなトーンに変わっていますが、これも「喉の位置」による音質の変化です。この部分では少し喉の位置を下げています。
この曲では”低い音域ほど、喉の位置は高く”なっています。低音はマイクのりも悪く、こもった音質では聴き手の耳に届きません。
それから、特に低音部分で意識したいのが「母音の発音」です。低い音域では音程をとることが難しくなりますが、母音を常に意識することで音程が合いやすくなると思います。常に”響きの良い母音”を求めていくことは、歌にとってとても大切です。
さて、今回は「低音」を意識した歌唱サンプルを掲載してみましたが、僕にとっても良い勉強になりました!(最近は高音の歌に偏る傾向がありましたので!)
また今後も、色々とテーマごとに歌唱サンプルを作ってみたいと思います。またお付き合いください。
以上、ご精読ありがとうございました。