メンタルコンセプト ~喉の自動調整機能~

あなたや僕の友達に「物真似上手」な人、必ずいますね!

そして、僕たちも「Aさんが、”今度飲みに行こうね!”って言ってたよ」という内容を誰かに話す時も、Aさんの口調や声色、話しているニュアンスまで真似て話そうとしないでしょうか?

そして(もちろん完璧ではないにしても)、Aさんの話し方の特徴を相手に伝える事に、ある程度成功するのではないでしょうか?

僕は少し不思議に思います。

「なぜ、見えない・動かせないはずの喉の筋肉なのに、割と簡単に声のトーンを真似る事が出来るのだろう?」と。

答えは「頭で考えた・イメージしたものに対して、喉は即座に反応してくれるから」です。

「人間の耳と頭と喉」は魔法のような、不思議な繋がりを持っているんです。

つまり「耳で聴いて頭で考えて喉に伝達する」、こんな複雑な事を一瞬で、しかもある程度正確に行なうという素晴らしい力を、人間は持っているのですね。

このことは「メンタルコンセプト」と呼ばれ、いうなれば「喉の自動調整機能」を働かせてくれる、とも言えると思います。

僕たちの周りにいる「物真似上手な人」は「メンタルコンセプトが上手い人」つまり「声を明確に頭にイメージすることが得意な人」なのですね。

この「メンタルコンセプト」はボイストレーニングをする上でとても重要な事なのです。


ボイトレの根幹は「模倣する事」

メンタルコンセプトとは、簡単にいうと「出したい声を頭でイメージする」ことです。

つまりは「模倣すること」と言い換えても良いと思います。

全てのジャンルにおいて「模倣する」事は、とても重要だと考えられています。

どんなに素晴らしい作品でも必ず「何かからの影響」の下にあり、どんなに偉大な芸術家でも「何からの影響も受けていない」なんて人は一人もいません。

皆、最初は「模倣する・真似る」ことからスタートしているのだと思います。

このことはボイストレーニングにも、もちろん当てはまります。

  • 歌手が歌う声を聴いて「あんな声で歌いたい!」と真似てみる
  • ボイトレ本のサンプル音源の声を真似て練習する
  • レッスンで先生のデモンストレーションに続けて、同じようなトーンで発声する。

すべて「模倣する・真似る」ことです。

そして「模倣する・真似る」能力を高めるために、頭で強くイメージする(メンタルコンセプトする)力を高めていきます。

ボイトレのレッスンでは先生のデモンストレーションを真似て発声していくので、この「メンタルコンセプトする能力」を高めていかなければなりません。

人間は誰でも「メンタルコンセプトする能力」を持っています。それが上手い人と下手な人がいるだけです。

「よく聴くこと」「強くイメージすること」こそが大切

メンタルコンセプトに必要な第一の事は「模倣対象をよく聴くこと」です。

よく聴いて「強く明確にイメージすること」です。

出したい声をイメージしてください。

あなたが目標とする歌手の歌声の、明確ではっきりとしたイメージを思い浮かべてください。

そして、時々は真似して歌ってみても良いと思います。

ボイトレは「音階練習」が上手くなるために頑張るものではありません。

常にゴールとなる声、憧れの声をメンタルコンセプトとして持っておく事は、とても大切な事だと思います。

サンプル音源や先生のデモンストレーションをよく聴いて、強くイメージしてください。

ボイトレ本のサンプル音源や、レッスンでの先生の声をよく聴いて下さい。

そして、出来るだけ強くはっきりとメンタルコンセプトしてください。

不思議なもので、強くはっきりとイメージするだけで、出てくる声は自動的に調整されてきます。

言い換えれば喉の自動調整機能が働くようなものです。

 

アウトプットの精度と速さを高める

メンタルコンセプトする癖をつけ続けることで、出したい声を出す精度とスピードも速まってきます。

つまり「喉の自動調整機能」は段々と高まってくるので、出したい声をどんどん出せるようになってきます。

「物真似名人は皆、歌が上手い」と言われます。彼らは「メンタルコンセプトする能力が高い→「色々な声色が出せる」→「喉の機能が高まる」という、とても良い循環が出来上がっているのでしょう。

僕は、その日の自分の調子によってメンタルコンセプトする対象を変えています。声が重い時は「軽い声の歌手」を、声が軽すぎる時は「太い声の歌手」を、それぞれメンタルコンセプトして、声の調整を行なっています。

 

まとめ

人間の喉の機能とは、本当に不思議で素晴らしいものです。

強くイメージするだけで、喉の状態はその声を出しやすい方向へ動いてくれるのですから!

発声練習でも本番でも、よりはっきりと明確にメンタルコンセプトする事を日頃から心がける事が大切です。

 

以上、ご精読ありがとうございました。

PAGE TOP