ボイトレメソッドの選び方 ~実績があり、誰にでも確実に効果があるもの~

本屋さんのボイトレ書籍コーナーで山ほどあるボイトレ本の中から最適なものを選ぶ・・・

ネット検索すれば沢山ヒットするボイトレ関連サイトの中から必要な情報をピックアップする・・・

自分の声を必ず改善してくれるボイストレーナーを見つける・・・

こういった事は、これから長く続くボイトレ生活の方向性を決めてしまうので慎重になりたいものです。

何しろ今後の何か月間、下手をすると数年間を有意義に過ごせるか否かという重大な選択だと思います。

今回は、僕自身も経験して苦労した上記の事柄についての記事となります。

お付き合いください。


まず「ボイトレメソッド」は本当に多種多様です。

一つのメソッドに拘る必要はありませんが、少なくとも方向性・ベクトルとしては正しいものを選択しなければなりません。

後の細かな取捨択一はトレーニングしながら行なっていけばよいと思います。

以下、ボイトレの方向性を誤らないためのポイントを経験談も踏まえて記します。


歴史的に効果が認められているトレーニングを選ぶ

喉の動き、成長・停滞・劣化などは目で見る事ができません。

仮に正しいトレーニングを行なっていたとしても効果が出るのは早くて数か月先です。

だからこそ、ボイトレメソッドは「効果があることが分かっていて、そのデータ的蓄積が豊富な」ものを選ぶべきだと思います。

それはボイトレの歴史をさかのぼってみる事によって分かってきます。

17世紀から続く伝統的なボイストレーニングは効果が認められたデータが多く存在し、解剖や生理・音響の面からも科学的な裏付けがなされています。

具体的な内容は再三の記述になりますが、地声と裏声の「分離」「確立」「再融合」の手順を踏ませるか否かに尽きると思います。

この手順が抜け落ちていない限りは、少なくとも方向性を間違えることはないと思います。

さて、この時代のボイトレ対象はもちろん「声楽家」です。

僕を含め、現代の多くのボイトレ学習者はポップス歌手志望だとは思いますが、そもそもボイストレーニングとは「発声」に特化して強化・改善を行うので、そんなジャンル分けとは関係のない次元にあります。

「声帯の振動が喉や口で共鳴し声となって出ていく」これにはクラシック・ポップスの分別はありません。

「クラシック」と「ポップス・ロック」では、研究されてきた歴史の長さでは圧倒的な差があります。

この事実は音楽ジャンルの美醜・良し悪しとは関係がありません。

歌に限らず、ピアノやギターなどポップスで使われている楽器のテクニックの多くは「クラシック音楽の中でのテクニックが派生・進化したもの」です。

必然的に「発声」においても「クラシック音楽の中でのテクニックを派生・進化させる」方が合理的だと思います。

これは何も難しい解剖や筋肉の用語を覚えて「声楽家の訓練をしよう」というのではなく、根拠があり効果を認める沢山のデータが残っている伝統的なトレーニング方法を「使わない手はない」という意味です。

あくまでも磨くのは「発声」なので、そのために「声楽家の訓練に使われていた方法」を拝借し、改良して役立てるのです。

僕はクラシックよりもロックの方が好きです。伝統的なボイトレ方法を使用していますが、これからもロックを歌い続けていきたいと考えています。ただ「クラシック用のトレーニング」をロックに持ち込む事には、何の抵抗もありません。

もしかしたら、天才的なボイストレーナーが考案した新しいメソッドは伝統的な方法に匹敵する効果があるのかもしれません。

しかし、以前にも書いたように声の成長には時間がかかります。

せっかく科学的根拠と効果の実績がある方法が存在するのに、あえて大博打を打つ必要はない、と僕は思います。

 

誰にでも効果があるもの

「高音は頭のてっぺんから出す」とは、広く流布している指導です。

そしてこの指導で、何人かは成功し何人かは失敗します。

つまり全ての人には効果が現れません。

正しくは、(喉が高音発声に相応の動きをする)→(高い声が出る)→(頭のてっぺんから声が出たような感覚を得る)であるのに、(頭のてっぺんから声を出す)→(高音が出る)と伝わってしまい、喉の機能の事は何も考えなくなりました。

このような感覚的でニュアンス重視のボイトレが、世の中の「ボイトレは効果が薄い」「どうせボイトレなんかしたって上手くなるのは一握り」という先入観を生んだのかもしれません。

実際は、正しく伝統的なボイストレーニングをすれば全ての人に必ず効果があります。

もちろん、歌の美醜については才能・センスという事も影響しましょうが、純粋に「発声」に関しては必ず万人にトレーニングの恩恵はあります。

ボイトレは、曖昧なニュアンスによって理解に差があり、効果の低いものと思われがちですが、必ず声を改善できるトレーニング方法とプロセスは既に17世紀から確立されています。

レシピは既にあるんです。その通りに作れば美味しい料理は必ず出来るんです。


ボイトレは敷居が高いと思われがちです。

喉・声は個人差が大きく、声が出ない人は何やっても出ない!と思われていますが、本当は「誰でも・どんな年齢でも」少なくとも今よりは間違いなく改善されます。(喉の機能は個人差が極めて少ない事が分かっています)

そして、上述のように歴史的に誰にでも効果が認められている方法が存在する訳ですから、僕たちボイストレーナーは一人の漏れなく生徒さん全員の上達に躍起になるべきだと思います。

そして、これからボイストレーニングを始められる方は「上手くなる人とならない人がいる」方法ではなく、「誰でも確実に上手くなる」方法を選ばれる事を願います。

 

以上、ご精読ありがとうございました。

筆者のプロフィール、ボイトレへの考え

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