練習しなくても歌が上手い人とあなた、人間は皆「歌の天才」です

皆さんの周りに、何の練習もしないのにとても歌の上手い人はいるでしょうか?

また、ボイトレなんかやったことないのに素晴らしい声の持ち主はいるでしょうか?

そんな人の歌を聴いて「あの人と自分はレベルが違い過ぎる!」「元々上手い人には追い付けない」と考える必要は全くありません。

今はその人達との差が歴然としていても、ボイトレによっていつか追いつき、また追い抜く事も可能です。

これは適当な励ましを書いているのではありません。

ぜひ、お付き合い下さい。


「上手い」理由は「優れた喉の機能」

ピアノを全く練習しなくて上手い人など一人もいないと思いますが、歌は確かに「天然に上手い人」が時々います。

歌(声)に関する事で、良い声だったり歌が上手かったりする理由は、ほとんど全て「喉の機能」が優れているという点に集約されます。

僕は、歌の上手さは、道具である「喉」の機能に大きく左右されると考えています。

つまり「良い道具を持っている」事は、「良い歌を歌える」事にほぼ等しいと思っています。

人はそれぞれ豊かな「歌心」を秘めていますが、それを表に出す為の道具(=喉)があまりにも未完成なため、それが現れる事を妨げている、という考え方です。

「人は皆、本来歌えるようにできている」とはフースラーの言葉です。フースラーは「僕たちは歌う事を忘れているだけだ」と言っているのです。僕はこの言葉がとても好きです。なので僕も「喉の機能”回復”」という表現を出来るだけ使うようにしています。

皆さんの周りにいる歌の上手い人は「喉の機能回復」が皆より進んでいる、喉を意志のままに自由に操れているのです。

こういう人は子供の頃から、よく喋り、歌い、叫んできた人が多いです。皆は成長に伴って声を抑制したり歌ったり叫んだりしなくなって喉が衰弱していくのに、彼らは衰弱しなかった(または衰弱の度合いが少なかった)のでしょう。ボイストレーニングの目的は喉を「衰弱する前の状態に戻す」ことだとも言えます。つまりこういう「自然に上手い人」をモデルにする必要があります。

 

彼らはあなたと何ら変わりありません

「あいつは元々声が良いから」「あの人は練習しなくても上手く歌える天才型だから」・・・

こういったセリフはいつも多く聞こえてきます。

しかし上で書いたように実際は、彼らは「喉が衰弱しなかった」事以外は、皆さんや僕と何の変わりもありません。

皆さんはまだ、良い道具(=喉)を作っている最中なだけです。

そして良い道具を作る事こそが、上手く歌う為に一番必要な事なのです。

楽器の習得で、道具を仕上げる事にこれだけ時間がかかる分野はボイトレ以外にありません。ピアノでのバイオリンでも、道具を作る事は人任せにならざるを得ませんが、それを手にした後に何年~何十年と練習を重ねなければいけません。歌の場合は、何しろ道具を作る事に時間がかかります。そしてその道具の良し悪しが歌の良し悪しをある程度決めてしまいます。良い道具(=喉)を持っているだけで何の練習もせずに上手いシンガーはたくさんいますが、良い道具(=ピアノ)を持っているだけで何の練習もせずに上手いピアニストは一人もおりません。

 

声以外の事にも注目してみて下さい。

天然に上手い人の歌う姿を良く観察してみて下さい。

お腹に力を入れたり、大量の息を吸い込んだり、姿勢を整えたり、そんは事はしていないはずです。

彼らと一緒にカラオケなどに行った時には「喉で歌っている」様子を是非観察してみてください。

自分が取り組んでいるボイストレーニングの目的地・ゴールのようなものが何となくイメージできるかもしれません。

ただし、こういう天然に上手い人の、例えば「高音は頭のてっぺんから出ているような感じがする」などの「体感」を模倣してはいけません。彼らは喉だけを使って出した高音をたまたま「頭のてっぺんから出ているように」感じているに過ぎません。「歌の上手い人がボイストレーナーになる」と、こういう誤りが起こりやすくなります。

僕はライブハウスの楽屋で、色々な人のウォーミングアップを見る機会があります。「天然に上手い人」は、ほとんどウォーミングアップしません。彼らは自分の喉を神経の支配下に置く事ができているのでしょう。いつ何時でもイメージした声が出せるようです。もちろん羨ましくもありますが、ボイトレによって喉と神経との結びつきをより強くしていく、イメージした通りに即座に喉が反応するように訓練する事の重要性について考えさせられます。

 

まとめ

「元々歌が上手い人」は、喉の衰弱が少なかった、または無かった人だと考えましょう。

それに対して、皆さんや僕を含むほとんどの人は残念ながら衰弱した喉しか「現状は」持っていません。

しかし「人間は本来歌える生き物である」という言葉も、絵空事ではありません。

「あの人は元々上手い人だから」といって「レベルが違い過ぎる」などと考える必要はありません。

皆さんが目指す、そして6~10年後に必ず到達するゴールは彼らのような姿です。

人間は皆「歌の天才」です。

「あの人が天才型」なら「あなたも天才型」なのです。

 

以上、ご精読ありがとうございました。

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