ライブや発表会、また仲間と行くカラオケであっても、人前で歌うという事は、それ相応に緊張するものです。
そして「普段の実力が出せなかった!」というような事が、当たり前のように起こります。
こういった「本番での緊張」を少しでも和らげる方法、緊張と上手く付き合う方法について考えてみたいと思います。
お付き合い下さい。
緊張を無くす事は無理です
「リラックスして!」「肩の力を抜いて」・・・
レッスンでも過度に緊張してしまう生徒さんはおられますが、僕はこういった助言は好きではありません。
人前で声を出す、しかも普段出さないようなボリュームとトーンで!
緊張するな、という方が無理です。
ましてや、ライブや発表会は非日常的な特別な場面です。
「緊張を無くす」という無駄な努力は諦めて、「ある程度緊張していても出来る事をやっていく」方が現実的です。
「緊張してはいけない!リラックスしなくては!」という強い思いが、新たな緊張を生んでいる人をよく見かけます。緊張して当たり前!と、気持ちを切り替えましょう。
練習を人に見てもらって、緊張に慣れておきましょう
発表会やライブでの緊張に慣れる方法、それは
練習を人に見せる事です。
つまり、観客のいる状態での予行演習をしておくのです。
試しに友達でも家族でも、誰かに練習している様子を一度見てもらって下さい。
バンドであれ個人であれ、きっと思わぬ箇所でミスをしたり、いつもと違うテンションの演奏をしてしまったり、予期せぬ事が多少なりとも起こるはずです。
この経験を本番前にしておくのとしないのとでは精神的に大きな違いがあります。
グループレッスンのメリットは、この緊張感を毎回体験できる事だと思います。レッスンとはいえ、人の見ている前で発声する事は緊張感を伴います。
人が見ている時、特にテンポに気を付けて下さい。緊張すると心臓の鼓動と同期してテンポアップしてしまう人を多く見かけます。こんな時こそ、あえてゆったりとスタートしなければいけません。また歌の場合は言葉をはっきり発音することでテンポが走るのを防ぐ事ができます。
緊張を予測しましょう
練習を人に見てもらった経験があると、「緊張を予測」する事が出来ます。
そして、緊張によって表面化した「思わぬミス」を回避することが出来ます。
本番まで誰の目にも触れずに(人前で演奏する緊張を体験しないまま)本番を迎えると、この「思わぬミス」は本番で初めて表面化することになり、後悔の種となってしまいます。
どんな厳しい状況でも、その厳しさを「知っている」のと「知らない」のとでは精神的な安定に雲泥の差がでます。
人が一人でもいると、考えられないミスが出るものです。この場合、ミスの表面化は「ラッキー」です!本番でのミスの可能性を一つ消す事が出来るわけですから。
以前のブログにも書いた、僕が昔ギターを教わっていた先生が、コンクールで優勝するための練習について話してくれた事があります。「誰かに傍で聴いてもらって曲を弾く。そうすると間違える箇所が出てくるから、その個所は二度と間違えないように何度も練習する。また弾いてみる、また別の箇所を間違えるからそこを集中的に練習する・・・こんな風に曲の全ての箇所を塗りつぶしていった」という内容でした。※記憶が曖昧ですが、実際に譜面を塗りつぶしていたのかもしれません。
まとめ
「緊張を楽しむ」なんて、達人の域の人のセリフですね!
凡人にはとても無理です。
しかし、緊張と上手く付き合う事は出来ます。
緊張を無くす事は無理なので、「本番はこれくらい緊張するだろう」と予測しておくと良いです。
そのためには「練習を誰かに聴いてもらう」という事をしておくと、とても有益です。
親しい友達であれ、家族であれ、「え?僕、こんなに緊張するの?」とびっくりするほど、一人で練習している時とは違う、何か予期せぬミスが起こるはずです。
そのミスの出た部分は、ひょっとすると詰めが甘いのかもしれません。
以上、ご精読ありがとうございました。