「高い声」を諦めない、必ず出せるようになります。いつか必ず高音で歌えます。

ボイトレを受けたいと思う人の要望で一番多いのが「高い声で歌いたい!」というものではないでしょうか?

盛んに研究されている、いわゆる「ミックスボイス」「ミドルボイス」もこの「高い声で歌いたい!」という要望に応えるためのものです。

ともすれば「高い声を出すこと」という、本来ならば「手段」であるべき事が「目的・ゴール」へと変わってしまっているようにも思えます。ミックスボイスについても同じ事が言えると思います。「ミックスボイスが出せる事」は決して「全ての歌を気持ちよく歌えるようになる」事とは直結しません。

「高い声」を「歌う為の道具」と考えるなら、やっぱり持っておくと、少なくとも邪魔にはならないでしょう。ミックスボイスにしても同じだと思います。

今回は「高い声」にスポットを当てて書いてみたいと思います。

お付き合い下さい。


「高い声」信仰

ボイトレ本の多くは「高い声が出るようになる」事をセールスポイントにしています。

間違っても「一週間で低い声が出るようになる」なんてタイトルの本は出ないし売れませんね・・・

実際は低く魅力的な歌手は沢山いますし(当たり前ですね!)高い声が出る人が偉いわけでもないし、必ずしも音楽的に正しかったり美しかったりするわけではありません。

ただし「高い声で歌える人=歌が上手い人」という法則は、喉の機能面から考えると、ある意味正しいと言えるかもしれません。高い声で歌えるという事は「喉の機能が充実している」という事でもあるので、そんな人は歌が苦手なはずはありません。

ギターの速弾きが、それはそれで凄い事だけれども、音楽そのものの善し悪しとは関係ない事と同じです。

ただ高く歌えたり速く弾けたりする人は、聴衆に容易に憧れを抱かせる事ができて、音楽以前にフィジカル面で尊敬を得てしまったりします。

「そんな高い声が出るなんて凄いね〜」

「よくそんなに指が動くよなあ」

みたいに、音楽とは無関係に。

人間には「自分には出来ない事を瞬時に判断する力」のようなものがあるのでしょう。高音で歌っている人を見ると「僕には無理だ。あんな高い声は出せない!」と感じます。そして、その感想は必ず正しいです。

速く弾ける事を売り物にしていたギタリストが、キャリアを重ねると共にベテランらしい落ち着いた演奏スタイルへと変貌する・・・こういう例はよくみられます。しかし歌手が年齢と共にキーを下げて歌っていたりすると、世間は「加齢で高音が出なくなった」と揶揄するのではないでしょうか?つまり「高い音で歌わなくなった」のではなく「歌えなくなった」のだと。それだけ皆は、その歌手の「高音が聴きたい」気持ちが強いのでしょうね!

 

「高い声」諦める必要はありません

多くの人は「自分のキー」は生涯変わることはないと思っています。

つまり「カラオケでキーを下げて歌う」「高音の歌を諦める」ことを、これからもずっと続けていかなければならないと・・・

決してそんな事はありません。

ボイストレーニングをすれば、やり方さえ間違えなければ、毎日少しづつ努力したなら・・・「高い声」は必ず出るようになります。

僕自身、ここ数年で確実に歌える音域は広がっています。(もちろん毎日トレーニングは行なっています)

もし「あなた(僕=石橋謙一郎)は元々、ある程度広い音域を持っていたじゃあないか!私は現状、全然歌えないんだ!」という方がいらっしゃれば申し上げたいです。「ある程度広い音域をもっていた」は「伸びしろが極端に少ない」はずです。それでも僕の声のトーンは変わり、歌える音域は広くなり、声の自由度も格段に増しています。これまで歌ってこなかった・歌が苦手だった人なら「とてもたくさんの伸びしろ」が残っているはずです。

誰でも出せる「高い声」

このように世間に蔓延しているとさえ言える「高い声」信仰ですが、それだけ多くの人が望む以上、僕たちトレーナーはそれに応えなければいけません。

そこでこれからトレーニングを始められる方に夢と希望を持ってもらう一言を!

高い声は誰でも出ます

「あいつは生まれつき恵まれた喉を持ってるから、高い声が出て羨ましいよな〜」

「俺は地声が低いから、高い歌は無理やわ〜」

「昔は高い声出たけど、歳取ってから出なくなったわあ」

全部大丈夫ですよ!

喉は生まれつきの能力の差がとても少ない事が分かっていますし、声の機能は相当な年齢まで、むしろ体の他の部分よりずっと長く失われません。お年寄り対して「口だけはいつまでも達者やなあ〜」というセリフ、よく耳にしますね!但し、根拠のある正しいトレーニングをすれば!と付け加えねばなりませんが・・・

突発的に高い声を出す事は難しい事ではありません。いや、むしろ簡単な事でしょう。歌うにあたって、もっと難しい問題は「歌の中で高音をどう使うか」「低い声と高い声のつなぎ目をどう発声するか」「(精神的にも肉体的にも)どう持ちこたえるか」という事に集約されます。

 

以上、ご精読ありがとうございました。

筆者のプロフィール、ボイトレへの考え

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