綺麗な声、高い声、太い声 ~なりたい声・理想の声のセルフイメージを作る

「綺麗で澄んだ声が好き」「太く豊かな声で歌いたい」・・・人によって”なりたい声”のイメージは様々です。

あなたにとっての「なりたい声」とは、どんなイメージの声でしょうか?

ちなみに、僕の「なりたい声」は「歪み(ガム)があり、高く鋭いが、時には甘くも歌える」のような感じです。(ちょっと贅沢でしょうか!)

ボイストレーニングとは、本来は全ての声色・全ての音域に対して働きかけ、声に関する全ての問題を解決するために行なうものです。そのため「高い声だけ」「鋭い声だけ」「歪み声だけ」といった声のトーンによる縛りや、また「話し声専門」「歌声専門」といった用途別の縛りから解放される事が必要であり、「縛り」の中でボイトレする事は喉の固着を作ってしまい、長い目で見るとボイトレを失敗の方向へ導いてしまいます。

しかしながら、自分のゴールとする声のイメージを強く持っておくことは、ボイトレのモチベーションを保つためにも、また「メンタルコンセプト」の見地からも必要なのではないかと思います。

さて、ビジネス用語に「セルフイメージ」という言葉があります。これは「なりたい自分」を強く具体的にイメージする事で、そこへ向かうためにやらなければならない事や道筋を整理して自分自身を成功に導く、というものです。

この「セルフイメージ」の考え方は、ボイストレーニングにも必要なのではないかと思い、今回の記事に書いていきたいと思います。

お付き合い下さい。


せっかくなら「高いセルフイメージを」持とう!

忙しい時間の合間ってボイトレしているのですから、どうせなら大きな目標、つまり「高いセルフイメージ」を持ちましょう!

「カラオケで1曲歌っても枯れない喉」よりも「カラオケで何時間歌い続けても平気な喉」の方が、また「ライブで外す音程を極力減らす」よりも「ライブで全部の音程を完璧に合わせる」の方が良いと思います。

低いセルフイメージを作ってしまうと、到達出来なかった時にはとても不満足な結果となるでしょう。一方、高いセルフイメージを作ってそれに向かって邁進したなら、仮に志半ばで終わってしまっても、相当な域に達しているはずです。

 

キーワードは「具体的に」!

「なりたい声」の詳細なセルフイメージを作ってみましょう

未来の自分の声のセルフイメージは「具体的に」作ることが大切です。

「高い声で歌いたい」よりも「○○さんのような高い声で歌いたい」の方が、また「歪み声で歌いたい」よりも「細かく鋭い歪み声で歌いたい」の方が良いでしょう。

誤解のないようにして頂きたいのですが、「なりたい声」に近づくためには「そんな種類の声」ばかり練習してはいけません。例えば「高い声で歌いたいから、高い音域ばかり練習する」といった事です。あくまでもボイトレは喉が出す事の出来る全ての声に対して働きかけるものであり、こういう偏った練習よりも、むしろ「出した事のない声を出す」という方が正しい考え方です。

参考の為に僕自身の「なりたい声」のセルフイメージを書き出してみます。

  • 1974年頃のグレッグレイクのような豊かな中音域と明瞭な母音
  • 1991年頃のジョンアンダーソンのような高音での細かい歪み
  • 1979年頃のポールマッカートニーのようなシャウト

※上記は、あくまでも現時点でのセルフイメージです。また上記の3つの要素が僕という一人の喉の中で共存可能かどうかは考慮していません。

このように、極力具体的なセルフイメージを作ることが重要です。

上記のように、「なりたい声」の対象シンガーの「年代」は意識する必要があるでしょう。世界的なシンガーでも、歌っている年代によって驚くほど声が違うものです。人によっては声の質以前に、歌う音域までもが変わってしまう場合もあります。上記の例ではアンダーソンとマッカートニーは全盛期の声域を保っていますが、晩年のレイクは2~3音、キーを下げて歌っていました。

 

メンタルコンセプト

喉は「頭でイメージした声のトーンに近づこうと自動的に調整される」という素晴らしい能力を持っています。

この事は「メンタルコンセプト」と呼びますが、レッスンで先生の声を模倣して発声する等、ボイストレーニングにとってとても大切な概念です。

「なりたい声」のセルフイメージを強く持つこと、その対象となるシンガーの声をたくさん聴いて真似をすることは、このメンタルコンセプトに通じるものであり、やはり見過ごす事はできません。

「具体的に」「強く」セルフイメージを持つことは、「なりたい声」に近づくためには必ず必要な事です。

強い方言を話す友人と数時間過ごしたあと、その方言が自分にもうつってしまっているという経験はありませんか? 何時間も印象的なイントネーションの声を聴き続けて、自分の声が自動的にそのイントネーションを真似る方向に寄っていってしまっている・・・身近なメンタルコンセプトの例かもしれません。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?

セルフイメージとは、本来は「なりたい未来の自分のイメージ」なので、そうなるために何をすべきか具体的に考えて実行する事が必要ですが、ボイストレーニングでは冒頭で書いたように「高い声で歌いたい」からといって「高い声の練習」ばかりするものではないので、ビジネスにおけるセルイメージの使い方とは少し違うとは思います。

ただ、ボイトレにおいても「なりたい声」を具体的にイメージする事はとても大切であり、またメンタルコンセプトという考え方からも、喉の調整の大きな手助けになると思います。

 

以上、ご精読ありがとうございました。

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