今回は、トレーナーからレッスンを受けずに、ボイトレ本などで独学をされている方への記事となります。
昨今は本当に多くの情報をネット上で見つける事が出来るので、その情報を頼りに自分で練習メニューを組み立てている方も多いと思います。
実際、僕もそのようにしていた時期がありました。
ネット情報は真偽のほどが不明な上に「文章がパワフル」です!情報発信者は皆、確信を持ってその情報を推薦していますので!
しかし、そんな方法には難しさや気をつけておかなければいけないこともあります。
そして、おすすめしたいボイトレ本についても書いてみます。
お付き合いください。
練習の「精度」が問題になってきます
独学の方は、いうまでもなくレッスンを受けている人に比べて「独自解釈に頼る」事になるために、練習の「精度」を保っていかなければなりません。
最低限やってほしい事は、
練習を録音する事です。
使っているボイトレ本がサンプル音源付きの場合は、自分で録音した声が「しっかり模倣できているか」確認してください。
サンプル音源は「忠実に模倣する」事に意義があります。
自分で歌っているだけでは模倣の程度がわかりませんので、やはり録音して聴き比べることを是非実行してください。
ボイトレ本のサンプル音源では、「裏声で出してください」「地声で出してください」といった、出す声の「声区の指示」があると思います。もし自分で出している声が「裏声か地声かわからない」場合は、レッスンを受けた方が良いと思います。(各声区を別々に鍛える事がボイトレの大前提です)
第一に優先して守るべき事は「サンプル音源で指示された声区の声を出す」事です。「裏声の指示なのに地声を出していた」、この場合は訓練価値がまるでなくなってしまいます。
もし、今出している声が、裏声か地声か分からなくなってしまったら、「裏返す」「表返す」を行なってみてください。これが出来なければ、意図した声区の声が出せていない事になります。
下記はその見本ですので参考にしてください。
練習メニューを「更新」していく
独学で力がついてくると、練習メニュー更新していかなければなりません。
つまり、少し難しい事にトライしていきます。
この更新する内容やタイミングは、それぞれの方への個別の対処になってきますが、ひとつのパターンとして・・・
サンプル音源の今より「低い音域」のバージョンにトライしてみると良いと思います。
感情的には今より「高い音域」のバージョンに挑戦したくなりますが、敢えて低い音域に挑戦します。
これは「低い裏声」を訓練するためです。
ボイストレーニングの進み具合・声の柔軟さや強さを測る目安として「裏声がどこまで低く出るか」がとても重要です。つまり裏声の音域が低く広がれば広がる程「喉が成長した」と言えます。逆に「高い地声」は喉にダメージを与えるので、あまりやり過ぎない方が良いと思います。
もし、サンプル音源の今より高いバージョンで練習するなら、「高い裏声を、細く薄く出す」ように心がけてください。そうする事で、より高い「フラジオレット」の音域に上手く移行できるかもしれません。逆に「高い裏声を、太く厚く」出してしまうと、どこかで「上げ止まり」になってしまって、それ以上高い音域には行けなくなってしまいます。
おすすめボイトレ本
- サンプル音源つき
- ボイストレーニングの基本が学べる
という点で、入手可能な最良のボイトレ本として「プログラムCDつき 奇跡のボイストレーニングBOOK」をお奨めします。
この本は、ボイストレーニングの概念として必須の「声区の分離・強化・融合」をシンプルに学べ、また弓場教授ご本人のサンプル音源も、色々な音域で収録されています。
是非、一度お試しください。
本の中で「息漏れの裏声で」という指示が再三登場します。この指示のある場合は必ず「息漏れ」させるようにしないと訓練効果が無くなりますので注意して取り組んで下さい。
サンプル音源の弓場教授ご本人の声や歌い方は、所謂「クラシック的・声楽的」なものです。その声は「あなたが出したい声・求めている声」ではないかもしれませんが、その事にこだわってはいけません。これはあくまでも純粋な「ボイストレーニング」なので、訓練で出している声が「あなたが出したい声・求めている声」である必要は全くありません。
最後の方のトラックでは「イエアオウ~♪」と歌わせる箇所があります。これは「母音の純化」を目的としたものです。とにかく各母音をグラデーションで破綻なく繋ぐように練習してみてください。「母音の純化」はとても大切な訓練ですが、この本にもやはり登場しています。
上の項で書いたように「低い音域のバージョン」でも練習してみて下さい。
まとめ
ネット上の多種多様な情報の中から、正しい情報を見つけるのは中々難しいことです。
もし、ボイトレ本での学習なら上述した「YUBAメソッド」が一番信頼できると思います。
そして、独学可能な条件は「裏声」「地声」が意図して出せる状態だと認識してください。
もし「裏声がどれか分からない」という方はレッスンを受けられた方が良いと思います。
以上、ご精読ありがとうございました。