声が枯れる悩みを持つ接客業の人。毎朝アンザッツで「仕事用の声」を仕上げる

僕が子供の頃、クリスマスやらお誕生日などの”大きな買い物”のとき、百貨店(デパート)に連れて行ってもらうのが楽しみでした。

デパートに行くのは、それこそ年に数回のことです。毎回ワクワクしながらエレベーターに乗り込んだものです。

僕が小学校低学年くらいの頃、デパートの思い出で今でも記憶している出来事があります。親に連れられてデパートに買い物に行ってエレベーターに乗りました。その頃はまだ「エレベーターガール」の女性がお客さんの希望フロアのボタンを押してくれたり、出やすいようにドアを開けたりしてくれるシステムがありました。「上へまいります」と右手を上げて案内してくれたり、「5階、玩具と文房具のフロアでございます」など、各階に何が置いてあるかを教えてくれたりしていました。(やはり人件費の問題でしょうか、最近のデパートのエレベーターは自動運転が多いようです)

さて、その時僕たちが乗ったエレベータのエレベーターガールさん、声が酷くかすれていました。一生懸命案内をしてくれるのですが、内容を聴きとることができないくらいに声は痛んでおり、見ていて可哀そうになるくらいでした。何かこう、さらし者にされているようでとても心が痛みました。子供心に僕は「ああ、大変な仕事なんだなあ」と、とてもいたたまれない気持ちになったことを鮮明に覚えています。

きっと、声を酷使し続けたために喉を傷めてしまい、それでも職務を全うしなければならなかったのだと思いますが、残念ながら「お客さんに各フロアの案内をし、エレベーターで誘導する」という彼女の目的は果たせていなかったと思います。(多分、そのエレベーターに乗っていた全員は、彼女を”可哀そうだ”という目で見ていただけだと思います)

 

さて先日、接客の仕事をしている生徒さんのレッスンの中での雑談で、こんな話が出ました。

「毎日ではないのですが、その日の役割分担によっては”いらっしゃいませ”と言い続けなければならない時があるんです。その日はさすがに夕方には喉が枯れています!そんな日は夜に歌の練習をしても声の調子が悪く、”辛い”と感じます。」

なるほど、彼女は僕が子供の頃に見た「可哀そうなエレベーターガール」と同じような過酷な状況にあるのです。

 

今回の記事では接客業の人が喉を酷使しないで済むよう、声を枯らさず”いらっしゃいませ”と言い続けられることを願い、書き進めてみたいと思います。

お付き合いください。


声が枯れる原因・・・喉の中身だけを使って発声するからです

喉の筋肉・・・大きく分けると「喉の中身の筋肉」と「喉周りの筋肉(喉を吊る筋肉)」に大別されます。

あなたが普通に話すときは、ほぼ「喉の中身の筋肉」だけを使って声を出していると考えてください。

無意識に出す挨拶や会話の声、つまりあなたが普段から使っているあなたらしい声色”は「喉の中身の筋肉」にのみ頼った発声なのです。

そして「喉の中身の筋肉」の力だけでは、「自由自在な声」「強く枯れない声」といった望みを叶えるには役不足なのです。

 

アンザッツで「喉周りの筋肉」を鍛えていきましょう

現代人の「喉周りの筋肉」は、弛んで弱くなっていると考えられています。

7種の(素っ頓狂な!)声を出す事によって喉周りの筋肉を鍛える練習(アンザッツ)を行なうことで、「喉の中身」ばかりに仕事をさせている状態から「喉周りの筋肉」も積極的に発声の仕事に加わってくれる状態に変えることができます。

ボイストレーニングにおいて「喉周りの筋肉」を目覚めさせることは、正に”必須”であるといえます。

ボイトレとは「喉の中身だけを使って発声していた状態→喉周りの筋肉も使える状態」へと移行していくことであるともいえます。

この記事のテーマである「声が枯れる」のみならず、声に関する悩みは「喉周りの筋肉」が弱く、発声に関して加担してくれないことが原因であることも多いのです。それほど「喉周りの筋肉」を眠らせたままにしておくことは勿体ないことです。

 

毎日仕事前に「喉周りの筋肉」を目覚めさせる

具体的な解決方法としては、根本的には、まずは毎日地道にボイトレを頑張って「喉周りの筋肉」を鍛えていくことしかありません。

特に、アンザッツは欠かさずやるようにしてください。

会社の朝礼の一環として「いらっしゃいませ!」「ありがとうございました!」と、道路に向かってお辞儀をしながら発声練習(?)をされている光景をよく目にします。もちろん身体と心の目覚めのため、また今日一日に活を入れるためには良い事だとは思いますが、このような発声練習も、声の事だけを考えたらもっと「喉周りの筋肉」が目覚めてくれそうな声(鋭く平べったい裏声など)でやる方が良いのになあ、といつも思います。

そして、毎日の出勤前にも「喉周りの筋肉の目覚め」のためにアンザッツをやって、それから仕事に取り掛かるようにすると良いでしょう。起き抜けの「重たい声も、アンザッツなどのボイトレをやることでどんどん声色が変わってきて”少しキンキンして、声全体が裏声に覆われたような感覚”を感じられるようになってきます。そうなれば、あなたの「仕事用の声」は準備万端です!

そして、あなたは声を枯らすことなく「いらっしゃいませ!」とお客さんに声をかけ続けることができるはずです。

 

まとめ

レッスンやライブに出かける前には、僕は必ず自分のボイストレーニングをやります。もちろんその中にはアンザッツはいつも必ず含まれています。

そしてアンザッツを含むボイトレをやることで「喉周りの筋肉」が目覚め、”少しキンキンして、声全体が裏声に覆われたような感覚”になった時に、僕の「仕事用の声」は仕上がります。

声を使う全ての職業の人は、毎日「仕事用の声」に仕上げることによって、声を枯らす心配なく業務に集中出来るでしょう。

また毎日の「仕事用の声に仕上げる作業の積み重ね」は、より強い「未来の仕事用の声」を作っていきます。

 

 

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以上、ご精読ありがとうございました。

筆者のプロフィール、ボイトレへの考え

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