とにかく最後まで歌う!ボイトレ効果の高い「歌の練習」、途中でやめない。

ボイストレーニングと言えば・・・まずはピアノに合わせて半音ずつキーを上げながら音階を歌い、喉のフォームをチェックしたあと課題曲の練習に入る・・・そんなイメージが一般的でしょうか?そして、課題曲の練習・・・歌の途中で中断して先生のアドバイスが入りまた再開して・・・

僕が考える「ボイストレーニング」とは、喉の機能面の改善・回復”のみ”に特化したレッスン、先生や生徒さんの趣味趣向が入り込まず、あくまで淡々と喉の機能回復に努める・・・そんなものをイメージしています。そしてそれが本来のボイストレーニング=ボイトレであるでしょう。

けれど実際には、僕のレッスンの現場でも”歌の練習”の時間をかなりの割合で設けていることもまた事実です。なぜそうするのか?・・・理由はいろいろあります。生徒さんがそれを望む、つまり明確に「この歌を歌えるようになりたいんです!」という訴えがある場合があります。また、歌を歌ってもらった方が”喉の機能の崩壊”を顕著に知ることができるというメリットもあります。声というものは”一音だけ”発声することは意外に簡単な事なのです。たとえ高い音程であれ、裏声と地声が交わる難しい音であれ、単発で発声することはそれほど難しいことではありません。では何が難しいか?・・・それはやっぱり起伏のあるメロディーを歌ったり、歌詞を歌ったりといった「喉の機能的に変化させ、持続させる」ことが難しいのであります。いうまでもなく「歌」は、そんな”喉の機能的変化と持続”の連続で成り立っています。よって生徒さんに歌ってもらうことは、その生徒さん自身の喉の機能の限界点を知り今後のボイトレの道標を理解するためにも有益な情報を与えてくれる、と僕は考えています。

僕自身も感じていることですが、自宅で行なう自主練習にしても、やっぱり「歌う」方が断然楽しいですね!地道にアンザッツをやったり、レジストレーションの練習で地声と裏声を繋いだり・・・それなりに達成感は得られるでしょうけれど、やっぱり「歌いたい!」衝動には勝てません!

何しろ僕たちは”最高のアンザッツ”を目指しているのではなく「最高の歌」を目指しているのですから!

さて、この記事では”訓練効果の高い歌の練習”について書いてみたいと思います。

お付き合いください。


一音だけ、瞬間的に高い音や難しい音を出す事は、意外に簡単です

僕、昔から割と高い声が出せていて、それなりに高いキーで歌えることが自慢でした。(恥ずかしい!)

しばしば友達にデモンストレーションして聴かせたものです。

「(高いシの音で)ア~♪」

皆は賞賛してくれます。「凄いな!そんな高い声が出るんや!羨ましいわ」

・・・けれど、これはほとんど意味のない事なのです!

「一音だけ瞬間的に高い音で発声する」・・・これは意外なほど簡単なことなのです。

もちろんそれなりに喉のフォームを意識する必要はありますが、一音だけ高い音を発することは誰にでも簡単に出来ます。それこそ”コツ”をつかめば、その日のうちにも可能なことです。

 

サビだけ、最高音だけの練習は意味がない!とにかく最後まで歌う

上の項に書いたように単音だけの発声は意外に簡単ですが、それを”続ける”となると、途端に難しくなってしまいます。

「そんなに高いキーの曲ではないのに、なぜか難しい!」そんな歌があると思います。その理由は・・・”喉に我慢を強いる”、”同じ状態を続けさせる”、または”常に変化させる”といった喉の持続性=スタミナが必要だからです。自分の喉の持続性を知るには、やっぱり最後まで歌ってみる以外に方法はありません。

 

同じレベルで続ける=持続させることは難しい

一般の社会でも、瞬間的にその日の気分で良い仕事が出来る人より、長く継続して一定レベルの仕事をこなせる人の方が少なく、また圧倒的に周りの評価も高いと思います。

喉の仕事も正にそんな感じです。瞬間的な高い音、ワンフレーズだけ歌える・・・それよりも、いかに同じフォームを持続させることができるか?逐一訪れる声の変化に耐えられるか?・・・そういったことこそ一番大切なことです。

 

歌い始めたら、とにかく最後まで歌う癖をつける

難しい箇所だけ何度も歌ったり、辛くなったら途中でやめてしまったり・・・そういう練習は(ボイトレの見地からは)ほとんど意味がありません。

崩壊しそうになる喉の機能を支えたり、声の破綻を軌道修正する心理的な操作を行なったり、そういった事を行なうのがボイトレの見地からの歌の練習だと思います。

一方、音楽的分析のための歌の練習はワンフレーズごとに立ち止まりながら行なう必要があるでしょう。この記事で書いたことはあくまでも「ボイストレーニング=喉の機能回復」に特化した内容です。

 

一曲通してデモンストレーションできるような喉を目指したい

このブログ内では”歌唱サンプル”カテゴリーを設けて僕自身が歌い、何曲かアップしていますが、実を言うと・・・どの曲も大変な時間をかけて録音しています。なぜなら、音程・感情表現・リズムなど、全ての要素において及第点の歌を”一曲通して”歌うことが、僕にはまだ難しいからです。本当にやればやるほど「完唱」は難しいと感じます!

ボイトレで目指すべきところはもちろん「一曲通して完全に歌う」というレベルなので、僕は歌唱サンプルを録音する度に憂鬱になり、己の未熟さを実感しますが・・・ボイトレ学習者の端くれとして、いつでも臆することなく一曲通して歌えるようになりたいものです。

 

以上、ご精読ありがとうございました。

筆者のプロフィール、ボイトレへの考え

PAGE TOP