睡眠不足は声の大敵 ~睡眠不足で歌う時の対処法~

睡眠不足で何かをやろうとしても、集中出来なかったり身体が思うように動かなかったり・・・

ボイトレや歌に限らず「良い睡眠」は、心身の健やかさにとって一番大切なものの一つです。

世の中には「3~4時間も寝れば充分」というナポレオンみたいな人もいますが、私はダメです。たくさん寝ないと良い仕事が出来ないたちなのです。時々、あまり寝ていないのに異常にテンションが上がる時もありますが・・・。私がシンガーとしてトレーナーとして、声の事を第一に考えた時「食べる」より「寝る」事の方がずっと大切だと考えています。

マライヤキャリーはツアー中、毎日15時間の睡眠を摂ると言われています。少々都市伝説的な盛られ方をしていたとしても、彼女が声のために睡眠を最重視している事は間違いないのでしょう。

さて、この記事では「歌と睡眠」について、色々と書いてみたいと思います。

お付き合い下さい。


声にとっては「お酒に次いで」悪影響があると感じます

声にとって一番良くないものは何か?と聞かれたら、私は「お酒だ!」と、即答しますが、その次に悪影響を及ぼすのは「睡眠不足」です。

睡眠不足のままでは、とにかく歌い辛く、思うような表現も出来ず・・・必ず「夜更かしした事を後悔する」事になります。

発表会やライブの前日は、マライヤキャリーのように15時間とはいかないまでも、出来るだけたくさん睡眠を摂りたいものです。

例えば、指の切り傷でさえ睡眠不足が続くと中々回復しないことがあります。「歌う」という事は(というより全ての発声は)声帯に大なり小なりのダメージを与えています。そのダメージは、やはり眠らない事には、根本的には中々回復しないものです。特にボイトレ初心者や声に自身の無い人ほど、ことさら「睡眠不足」の歌への影響は深刻です。なぜ”上手く歌えない”のか、それは「動かしたいと思う喉の筋肉が動かせない」ことに原因があります。ただでさえ鈍い反応の筋肉なのに、その上「睡眠不足」なのですから・・・その不自由さは凄まじいものです。

「お酒と睡眠不足」・・・声にとっての二大悪は常に同時に喉に襲い掛かりますね!私も「遅くまで飲んでいて寝不足」な時、つまり「二大悪を伴侶としている日」が度々あります!(笑)

 

睡眠不足の時は、声の調整に時間がかかります

私の経験からいうと、睡眠不足の時は「歌える状態」になるまでにとても時間がかかり、時には「私は永遠にウォーミングアップをしなければならないのだろうか?」と思えてくるほどです。

「喉が仕事の仕方を忘れている」ような感覚で、思い出させるために何度も反復が必要な状態なのです。

寝不足の朝の、あの独特な「鈍さ」。それがそのまま発声器官の色々な所に起こっているのです。

睡眠不足の時は、とにかく「地声と裏声を融合(ミックス)し辛い」と感じると思います。そこを反復しながらウォーミングアップする事です。練習で出来ない事は本番でもほとんど出来ません。本番で「突然、融合してくる」ことはありません。

 

睡眠不足で歌う時の対処

まず「裏声」と「地声」を交互に何度も出してみてください。

最初はそれぞれが濁って出てくるかもしれませんが、何度もやっていると段々と濁りは取れて、クリーンな声が出せるようになってくるはずです。

「地声と裏声を融合(ミックス)」しないと歌えないのですが、まずはそれぞれ「素材」である裏声と地声がきっちりと出せる感覚を思い出す事から始めます。例えるなら、親指を動かす命令を出せば「親指だけが動く」、薬指を動かす命令によって「薬指だけが動く」、そんな状態を目指すのです。

それからは、「不調の時の対処のセオリー」ともいうべき、「念入りなウォーミングアップ」「難しい歌でのウォーミングアップ」をやっていきます。

喚声点をまたぐような難しい歌で丁寧にウォーミングアップを繰り返していると、発声器官は「裏声発声用の機能」と「地声発声用の機能」を同時に使う”やり方”を思い出してくれます。(もちろん、これまでのボイトレによって発声器官が如何に目覚めているか、によりますが)

ただし、ウォーミングアップから本番までの時間があまりに空きすぎると、また喉は正しい働きをしてくれなくなってしまいます。私は睡眠不足で不調の時には、本番前にもう一度、車の中で歌ったりしています。あなた様も不調の時は”ライブで歌う最初の曲”で丁寧な発声を心がけて下さい。とにかく本番1曲目に喉が良い仕事をしてくれたら、後はどんどん調子を上げていけるようになります。

 

「ボイトレの3ステップ」を念頭に

睡眠不足の時に限らず、喉が不調の時はとにかく「声区の分離・強化・融合」というボイトレの3ステップを順次こなしていくというイメージでウォーミングアップしてください。

つまり「裏声と地声を交互に出して分離する」ことに始まり「喚声点をまたぐような難しい歌で、段々と融合していく」ように、徐々に声を完成させていくようにウォーミングアップします。

不調の時の声は大抵「混合(分離できていない)」していて「きれいに融合できない」状態にあります。

極論を言うとボイストレーニングには上記の3つの工程しかありません。この3ステップをいつも強く意識する事はとても大切な事です。日々の調子によって声は割と簡単に「混合」したり「融合」できなくなったりします。私はそんな時はまず「裏声と地声を、それぞれきちんと出す」事から練習を始めます。このやり方は「発声器官に対する命令を整理する」ことです。

 

まとめ

睡眠不足で良い仕事が出来るジャンルは少ないのです。

「歌うこと」は(特に初心者にとっては)は”厄介ごと”以外の何物でもなく、それだからこそボイストレーニングする必要があるのです。「睡眠不足=天敵」です。

本番前は是非、質の良い睡眠をたくさん摂ってくださいませ。

もし、あまり眠れなかったのなら、やけくそにならずに、必ず念入りにウォーミングアップをしてから本番を迎えてください。

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以上、ご精読ありがとうございました。

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