【音声解説付き】起き抜けのミックスボイス ~ウォーミングアップ後の声との比較~

聞いた話ですが、営業の仕事をされている人は、朝に発声練習をする人もいるそうです。

歌に限らず、声を使って何かをするとなると必ずウォーミングアップが必要になってきます。

特別なウォーミングアップをしなくても「カラオケの時は最初は簡単な歌を歌う」「ライブの前半は易しい曲でメニューを組む」という人も多いでしょう。

準備体操をしないでプールに飛び込む人は少ない事と同様に、朝起きて突然高い音域の難しい歌を歌う人は少ないです。

歌の現場でも、早い時間に歌う事を望まない人の「こんなに早い時間から声出ないなあ~」等という会話はよく耳にします。

早いといっても、ほとんどの場合「午後一番」とかその程度ですが、歌の仕事は夜遅いので彼らにとって午後一番は「早朝」くらいのイメージなのでしょう(笑)

僕は基本的には早起きですが、やはり朝一番の起き抜けは、喉が腫れぼったくて声が出しにくいと感じます。

出てくる声も濁っていて覇気が無く、何よりメンタル的に「思いっきり歌おう!」となるには少々時間がかかるものです。

ただ、起き抜けの喉の状態でも歌える方法はあり、むしろ地声と裏声がミックスされる仕組みを知る手掛かりになる感覚を味わえる事もあります。

今回は起き抜けの声で歌うコツを、音声解説も交えて書いていきたいと思います。

お付き合い下さい。


起き抜けの声の特徴

皆さんの起き抜けの声はどんな感じでしょうか?

濁っていてハリがなく大きな声量は出せない、発声している感覚も重くて鈍い・・・

おそらく僕が感じている感覚と大差はないと思います。

これは、身体が目覚めていないのと同様に喉も目覚めていない状態です。

こんな状態では高い声なんか出そうもありませんし、もちろん難しい歌なんか歌える気はしません。

つまり起き抜けの声は、そのままでは「歌に向かない」状態にあります。

 

起き抜けの声で歌うコツ

普通は、起き抜けの声で歌う機会はあまりないとは思いますが、ボイストレーニングのゴールでもある「地声と裏声のミックス(融合)」の感覚を味わう事ができます。

ぜひ一度試してみてください。

ただし必ず「小さな声で」「濁ったままで」を守ってください。

そうすると、意外にも幅広い音域を歌えてしまう事に気付くと思います。

その理由は・・・

  • 地声が目覚めていないので、裏声との均衡が取りやすい。
  • 声の濁りが声区を繋いでくれる。

「小さな声で」「濁ったままで」の二つの条件を守って、「喉に仕事をさせないような感覚(コツ)を掴むと、地声と裏声を一時的に一本化できると思います。

なかなか裏声と地声が繋がらなかった人は、一度起き抜けの声で歌ってみると良いと思います。

もちろんそんな状態は長続きしませんが「地声と裏声が繋がった感覚」を少し味わう事は出来ます。

そして、その感覚を知っている事はボイトレを続けていく上で有益になると思います。

僕はこのブログの中では「コツ」という言葉を滅多に使っていません。その理由は「コツ」という言葉には「即効で」「すぐに」という意味合いが含まれていると感じるからです。しかし、この「起き抜けで歌う」ことは正に「コツ」を掴む事で可能になります。

この方法は、いわば「地声と裏声、どちらか弱い方に合わせて」ミックスボイスを作る工程に似ています。なので、この声でステージで歌うことは難しいと思います。やはりボイストレーニングは「地声と裏声をそれぞれ強く鍛えてミックスする」べきものです。残念ながら「コツ」だけで出来る事はたかだかしれています。

 

起き抜け→ウォーミングアップ後のビフォーアフター

しかし、この起き抜けの声で意外に歌えてしまう状態」は、長くは続きません。

会話を始めたり身体が目覚めたりしてくると、地声も目覚めてきてしまいます。

そうなると多くの人が陥っていて、声に不自由さを感じる元凶となっている「地声優勢の声」へと再び戻ってしまいます。

逆に、歌にとってのウォーミングアップとはこの「地声優勢の声を「裏声優勢の声」へと導いていく事ともいえます。

ライブや発表会のために声を作っていく工程は、次のようなものだと考えてください。

  1. 起き抜け→地声・裏声ともに弱い状態
  2. 昼間→地声が強くなり、歌にとっては不自由な「地声優勢」の状態
  3. 本番前→地声と裏声が共に強く活性化され、ミックスされた状態

以下に参考音源を載せておきます。

↓まずは「起き抜けの声」、慎重に声量を抑えて濁りもそのままの状態でミックスされています。

 

↓次に「ウォーミングアップ後の声」、地声・裏声ともに活性化され両方強い状態でミックスされています。濁りも少なくなりました。

 

まとめ

起き抜けの声は、確かにミックスしやすいとは思いますが、何しろ声量を出せないのでライブや発表会では使えないでしょう。

ただ、一度やってみてコツを掴めたなら「ミックスボイスの感覚」を味わう事は出来るはずです。

もちろん「起き抜けのミックスボイス=地声と裏声、両方弱い状態でのミックスボイス」の事ははすぐに忘れて、日々のボイストレーニングに戻って練習を続けなければなりませんが・・・

 

以上、ご精読ありがとうございました。

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