笑顔で歌う!顔の表情は声に影響あり?

こんにちは!京都のボイストレーナー、石橋謙一郎です!

昭和の時代、たくさんの人達を笑顔にした大河映画「男はつらいよ」の中で、主人公の”寅さん”が語るこんなエピソードがあります。

ある時、寅さんは病院でレントゲンを撮ることになりました。彼はその際、普段記念撮影でポーズを取る時のように「ニコッ」と笑ってしまったのです。お医者さんは「君、レントゲンの時は笑う必要ないよ」と言いました。

けれど寅さんは言いました、「でも、レントゲン撮る時も、ニコっと笑った方が良いと俺は思う。その方が上手く撮れると思うよ」と。

「なるほど」ですね。笑顔で撮ってもレントゲンの所見は変わらないとは思いますが、世の中、笑顔で変わることはいくらでもあります。

例えば少し気分が落ち込んだ時、無理やりに口角を上げて笑顔を作ってみると・・・何だか悩んでいるのが馬鹿らしくなって、俄然元気が出てくることもあります。

さて、ボイトレや歌と「笑顔」も、実は無関係ではありません。「笑顔で歌うと、気分が良くなってキラキラした声が出せる」といったメルヘンチックなことではなく、もっと実際に「喉の中で起こっていること」を変える力が”笑顔”にはあります。

そして、「笑うこと」は素晴らしい練習効果のあるボイトレなのです!

このブログでは以下の2点について書いていきたいと思います。

  • 「笑顔で歌う」と、声はどう変わるか?どんな良いことがあるか?
  • 「笑うこと」でボイトレする方法。どんな良いことがあるか?

以上、お付き合いください。

笑顔で歌うと、声にハリが出る

「声にハリがない」「声がこもっている」「ぼやけた声だ」・・・こんな悩みを持つ人は多いと思います。

また、ボイトレのレッスンを受けたことのある人は、先生から「口角を上げて!」と指導されたこともあるかもしれません。

実は、この「口角を上げる」「唇を横に開く」と、声は”鋭く”なり、”ハリ”が生まれます。

ニコっ!とした時の、喉の中はどうなっているの?

ではなぜ、「笑顔で歌う」と声に”ハリ”が生まれるのか・・・その理由は「唇を横に開くと、声帯がくっつきやすくなる」からです。

喉の中には”声帯”という二枚のヒダがありますが、それらが互いに接近することによって声の質が「鋭く」なります。

反対に、二枚のヒダが互いに離れると声は「ぼやけ」ます。

そして「唇を横に開く」動作は、声帯の二枚のヒダを接近させることと連動している、それが理由です。

だから、特に「鋭い声」を練習する時は、「ニコっ♪」とした時の口の形で練習する方が効果的です。↓

またもちろん逆のことも考える必要があります。

例えば、「ホーッ♪(ふくろうの鳴きまね)」のような”鋭くない”裏声の練習の時は、「笑顔」で練習することはダメで、むしろ”驚いたように”口を縦に広げる方が良いのです。↓

男らしく笑う練習でも、声にハリが出る

こんな練習もやってみてください。

体格の良いダンディで男らしい男性をイメージしてください。そして、太く豊かな声で「ワッハッハッハ」と笑ってみてください。

この時、「胸と首の間」に向かって声をぶつけるようにします。そうすると「喉と胸とを繋いでいる筋肉」が活性化されます。「喉と胸とを繋いでいる筋肉」はとても大切な筋肉で、「声帯を傷つけない」「歌声を安定させる」「高音で喉が詰まらない」など、たくさんのことに影響を与えます。

また、この練習も「ニコっと笑顔で」行なうようにしてください。そうすることで、声帯を守りながら「鋭く、ハリのある声」の練習ができます。↓

まとめ

さて、今回は「笑顔と声の鋭さ」の関係について書きましたが、人間の身体は複雑に出来ているので、思わぬ部位がスムーズな発声を妨げていることもあると思います。

例えば、「難しい箇所を歌う時には、いつも決まった表情を作ってしまっている」なんていう場合には、一度その表情をやめてみるとどうなるか実験してみてください。

意外にその表情が原因であったりして・・・(もちろん、大元の原因は”その表情によって導き出されてしまっている喉の動き”なのですが)

あなたの歌声がより良く変わりますように、応援しています!

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