音楽が、歌声が、今すぐに手に入らなかった時代。未知の音楽を開けるドキドキワクワク。

最近は外を歩いていてもすぐに暑くなってしまい、着ていたシャツを脱ぐことも多くなってきました。もう夏が近いような感じさえする今日この頃、車でのボイトレ時は、いよいよエアコンをつけることが多くなってきました。

けれども僕は夏よりも冬の方が断然苦手なので、今この季節の身体に感じる暑さがそれほど不快ではありません。若い頃はむしろ冬の方が好きだったのですけれどね。食べ物の嗜好と同じように、季節の嗜好も年齢とともに変わっていくものなのでしょうか?もっとも僕は今でもカレーやハンバーグ、スパゲティなどが大好きですが!

さて、僕たちの業界では、次回ライブで演奏する曲を新たに覚えることを「仕込み」などと呼ぶことがあります。ライブ終了後の楽屋などでは「次のライブは仕込みが多いから大変だなあ」、そんなセリフが飛び交っています。

そんな次回ライブに向けた「仕込み」、ほんの10年前までは本当に大変な作業でした。目的の音源を手に入れるためにレンタルCDを探しに行ったり知人のCD棚を漁ったり・・・とにかく音源集めに手間がかかったものです。今はインターネットの恩恵により、自室でコーヒーを飲みながら上記と同じことが出来るようになりました。大した世の中になったものです。

そんな”いつ、どこにいても、望む音楽、聴きたい歌声が手に入る”時代に身を置く僕たちですが、最近になって、かつてのこんな思い出が蘇ってきました。

僕が高校生だった当時、好みの音楽はもっぱらCDを購入することによって手に入れていました。今ではほとんど姿を消してしまった個人経営のレコード屋さんやCDショップが、当時はまだまだたくさん残っており、お小遣いを握りしめてはそんなお店に自転車に乗って向かったものです。購入したCDを自室のプレイヤーで聴くあの瞬間は、ドキドキしてワクワクする、それはそれは楽しみな時間でありました。

そんなCDショップ、どこも大体、夜の7時には閉店してしまいます。まあ当時は24時間営業のコンビニすら珍しい時代です、街中どこを見渡してもだいたいそんな感じでした。

ところが、ある時、京都の中でも賑やかな街である四条烏丸に外資系のCDショップがオープンしたのです!品揃えは凄まじく、僕たち音楽ファンは学校帰りにしょっちゅうそのお店に通うことになりました。カーペットが敷かれた日本離れした店内、CDケースのプラスチックの匂い・・・僕はそれらを今でもありありと思い出すことができます。

さてその外資系CDショップ、大晦日に限り深夜0時まで営業するとのこと!ある年の大晦日の夜、僕は友達と連れ立ってそこに出向きそれぞれCDを購入、僕の家に持ち帰って聴くことにしました。CDショップに行ったのは夜の10時頃だったでしょうか、友達と二人でそれぞれが買ったCDを聴き比べながら新年を迎えました。男子高校生二人のささやかな冒険でした。

今ではスマホさえ開けば、深夜に未知の音楽を聴くことは簡単なことですが、あの当時、深夜にCDのパッケージを開けて、自分にとっての未知な音楽を聴く・・・僕にとっては忘れられない体験でした。

 

以上、ご精読ありがとうございました。

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