「喉の努力性が低い状態」は、コツやテクニックによってではなく、正しく地道なボイストレーニングの成果です。

今年の冬は「暖冬」であるようです。京都に住む私は、毎年のような冬の厳しさを味わうことが少なくて、とても助かっています。

さて、去る令和2年2月1日、そんな京都よりもずっと厳しい寒さの場所「滋賀県野洲市」にて、ライブに出演させていただきました。

この記事では、その中から私が歌ったビートルズの曲「The Long And Winding Road」を掲載することにします。

実は過去にもこの曲をブログに掲載したことがありますが、その時と比べると、私がこの曲を歌う際に感じている「喉の努力性」はかなり低くなったと実感します。つまり、同じレベルの歌唱、同じレベルの感情表現を「以前より楽に」こなせるようになった感じがあります。一曲を歌うための「喉の努力性」が高いままだと、一回のライブで歌える曲数を限定したり、曲の難易度によって順序を考慮しなければなりません。

いうまでもなく「喉の努力性が高い状態」は、身体の固さや喉の緊張を生みます。

そして、望まれる「喉の努力性が低い状態」は、”コツ”や”テクニック”で身に付けるものではなく、正しいボイストレーニングを地道に繰り返す事によって「活力ある喉」を手に入れた成果なのです。

 

さて、私はボイストレーナーですが、もし私が「ボーカルトレーナー」ならば、この曲を歌おうとする人に対しての最大の助言は「過剰に甘く、過剰にドラマチックにならぬように」です。

この大バラードは、(特に、この歌の練習に取り掛かったごく初期には)歌い手に対して「とろけるよう甘さ、劇的なドラマ性」という表現をするように誘い掛けます。この曲の持つ甘美なメロディーが、シンガーをそのように仕向けるのです。事実、この曲に似た曲調で、”甘くドラマチックに”歌うべき曲はたくさんあるでしょう。

けれど「The Long And Winding Road」は、そういう種類の音楽ではありません。それはビートルズ自身がこの曲のアレンジに対して「オーケストラの伴奏を入れる事」に最後まで抵抗した、という有名な逸話からも明らかです。

「The Long And Winding Road」は、淡々と歌われることを望んでいるのです。

 

以上、ご精読ありがとうございました。

筆者のプロフィール、ボイトレへの考え

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