僕は大学時代は軽音楽部(実際の名称は”フォークソング愛好会”)に所属していて、同輩後輩先輩・・・色々は人たちとバンドを組んでたくさんの曲を演奏し、歌ってきました。
僕たちのクラブでは春と夏にそれぞれ1週間程度の合宿があり、その間は”音楽三昧”の時間を過ごすことになっています。(実際には練習していない時間もあり、ソフトボールをやったりキャンプファイヤーで盛り上がったり・・・この年2回の合宿によって部員同士の親睦はさらに深まります。)
今更ながらに思うことですが、若い頃に覚えた歌は忘れませんね!
ここ最近は新しい歌を覚えることに苦心惨憺です!やっと覚えたと思ったら、一週間後には跡形もなく忘れています・・・50歳に近い年齢になると益々”書いて記録すること”の重要性が増してくる感じです。
さて、今回の歌唱サンプルは僕が大学時代のクラブの合宿で覚えた曲を取り上げました。久しぶりに歌ってみたのですが・・・歌詞なんかスラスラ出てきます!それこそ忘れようと思っても忘れられないほど僕の頭の中に刷り込まれているようです。いやあ、若い頃の頭って凄いですね!
毎年毎年、一年が短くなる
契機など一向に見つかりそうにない
お前の人生計画はすべて失敗に終わり
予定表はページ半分になぐり書きされた線と化す
お前は英国紳士らしく静かな絶望に身を任せるだろう
こうして時間は過ぎ、この曲も終わりを迎える
「もっと言いたい事があったはずなのに・・・」
ゾッとするような歌詞を持つこの曲は、イギリスのバンド・ピンクフロイドのTimeという曲です。世界で最も売れたアルバムの一つである「狂気」の中の一曲です。
本物は長いギターソロなんかがあり、もっとエレクトリックな印象の曲ですが、例によってアコギで弾き語りにしてみました。
この曲にボイトレ的な解釈を付けるとすれば・・・
Aメロとサビで印象を変える
Timeは実は、二人の歌手がAメロとサビを分けて歌っています。
激しいAメロ部分はデビットギルモアのドスの効いた荒々しい声で、サビの優しい部分はリックライトのメロウな声でそれぞれ歌われます。
Aメロ部分を歌うギルモアの声は本当はもっと太く重い印象で、アンザッツでいうと「3aガム」でしょうか。僕もそのように歌おうと試みましたが、ちょっと無理でした。どうしても喉の位置を上げないと歌えません。そのあたり、今後の課題とさせていただきます。
この曲を一人でやろうとすると、全く違うそれぞれのパート、つまり「動と静」を歌い分けることが必要になります。
この曲のように中間部でコロッと雰囲気が変わる曲は、テクニック的にはもちろんですが”心理的”にも豹変することが大切です。
メンタル的に”雰囲気を変えよう”とすることで、喉の調整も上手くいくと思います。つまり喉は「求めらえた声を出そう」としてそのように準備してくれます。
出したい声をイメージする・・・ファンタジックなことですが、意外に大切なことです。
サビの起伏のないメロディーは乱暴になりがち
サビ(中間部)で出てくる静かな部分は、とても起伏の少ないメロディーで書かれています。
ド♯~レ~ド♯~レ・・・基本的には、このたった2音の繰り返しです。
こういう部分は乱雑になりがちなので、丁寧に一音一音慎重に歌うようにします。
半音の流れしかないので、音程のミスはとても大きな綻びとなって、歌に雑な印象を与えてしまいがちです。
以上、いかがでしたでしょうか?
僕のこの曲を改めて歌ってみた感想は「良く覚えている曲とはいえ、録音となるとやっぱり難しい」ということです・・・
以上、ご精読ありがとうございました。