「トレーニング」と「ウォーミングアップ」の違い

何事も本番に挑む前には「ウォーミングアップ」が必要になります。

そしてそれは、日々の「トレーニング」とは、全く違う考え方で行った方が良いと感じています。

今回は、僕自身がライブ活動で実践している「ウォーミングアップ」、そして日々の「トレーニング」との違い・区別の仕方などを書いてみたいと思います。

お付き合い下さい。


トレーニングとは?

長期的な成長を促すもの

トレーニング、つまり僕たちが行なっているボイトレとは、ある程度長期(半年以上~数年単位)での成長を前提としたものです。

よって、今日明日に効果は無いけれど、例えば「半年後にはこの状態になっている」事を目指して反復するものです。

負荷をかけていくもの

今までに出来なかった事をやろうとする、その為には喉に「今以上の働きを要求する」事になるので、喉に対してあらゆる意味で「負荷」をかけていくことになります。

具体的には、喉に対して「出した事もない音色・音程を出させる」ことによって「やった事のない動きをさせる」という事になります。

ジムでの筋トレと同じように疲労して、一時的に調子が悪くなる可能性も大いにあります。

成長過程に沿ってメニューを変化させていくもの

トレーニングはいつまでも同じメニューで行なっていては意味がありません。

負荷を負荷とも感じなくなった喉には、より強い負荷をかける必要があります。

具体的には「Aの音色の純度を増していく」「AとBとの音色の差をより歴然とさせていく」「より大きな声量を求めていく」などです。

 

ウォーミングアップとは

その日の調子を整えるもの

ウォーミングアップには成長を促す効果はありません。

あくまでも「その日の調子を整えるため」だけのものです。

負荷のかからないもの

ウォーミングアップは「緩めていく」「リラックスさせていく」といった方向性のものが多いので、喉に負荷をかけたり新しい動きを求めたりはしません。

むしろ、調子を悪くさせないためには「負荷をかけない」事が大切だともいえます。

いつも同じメニューで行うもの

本番前にはいつも同じウォーミングアップを行なう人も多いと思います。

ルーティン化した方が精神安定的にも良いので、大抵は同じメニューを行ないます。

トレーニングとウォーミングアップを混同してはいけません

上記のようにトレーニングとウォーミングアップは分けて考えるべきです。

つまり本番前にはウォーミングアップを、日々の練習はトレーニングをせねばなりません。

これを混同してしまうとボイストレーニングの成功は見込めません。

例えば日々の練習に喉を育てる効果の薄い「リップロール」をする事は無意味であり、ライブや発表会の前に喉に負荷をかけて疲れさせてしまう可能性のある「アンザッツ」をやる事は危険です。

本番前に最もやってはいけないトレーニングは「地声での張り上げ」です!これはもう、一発で疲れてしまいます!

「地声系」トレーニングはとても喉を疲労させます。逆に「裏声系」のトレーニングはほとんど疲れを残さないので、本番までの日数や時間を考えて上手くトレーニングしていくと良いと思います。※本番当日でも「裏声系」のトレーニングなら、ある程度行なっても大丈夫だと思います。

 

ウォーミングアップメニューを確立しましょう

誰でもいつでもリップロールだけで上手くいくという事はないと思うので、自分にあったウォーミングアップメニューを組み立てる事は大切です。

レッスンを受けているなら、トレーナーにメニューを組んでもらうと良いと思います。

日々の練習の成果を本番で発揮するために、ウォーミングアップには神経質になるべきだと思います。

ボイストレーニングでジョギングしたりストレッチしたりすることはナンセンスですが、本番前に行うことは効果的だと思います。何をやるにしても体は目覚めていてほぐれている方が良いのに決まっていますから。ただ、日々の練習にストレッチなどを行なう事は無意味です。ストレッチに喉を育てる効果は皆無です。

 

僕自身のウォーミングアップメニュー

僕はリップロールで歌い易くなった事がないので、リップロール・タントリルのような弛緩方はやりません。

そして、呼吸の練習やミックスボイスの練習もやりません。

ウォーミングアップメニューは、その日の調子によって少し変えますが、いつも以下のような感じです。

  1. 裏声と地声を交互に何度も出す
  2. 難しいと感じる歌を歌ってみる
  3. 1~2を繰り返す

僕はウォーミングアップで一番大切な事は「地声と裏声がはっきりと分けて出せる事」だと考えています。

なので、まずそれぞれを分けて出せるような神経支配を喉に行き渡らせ、そのあと「適度に難しいと感じる歌」を歌ってみます。

そうすると最初は必ず途中で声が上手く出なくなってきます。

そしたら、また地声と裏声を交互に出して、また歌って・・・そのうちに徐々に歌える時間が長くなってきます。

そんな風にいつもウォーミングアップしています。

誰にでも当てはまるかは分かりませんが、全く効果がない事はないと思います。

一度お試し下さい。

僕は地声と裏声を繋ぐ「ミックスボイス」の練習をウォーミングアップに加えていません。それは「地声と裏声は本来一本化しているものである」という説を信じているからです。そして経験上言える事は、本番前の短い時間で「ミックスボイス」を促進させる一番の方法は「地声と裏声を分離」させる事です。

 

まとめ

トレーニングとウォーミングアップは完全に分けて考えるべきです。

あまりにキツいトレーニングメニューでウォーミングアップすると、肝心の本番で調子が悪くなる恐れがあります。

また、ウォーミングアップメニューを毎日やったところで、喉を育てる効果は薄く、無意味です。

レッスンを受けているなら、今の自分に最適なトレーニングとウォーミングアップをトレーナーに考えてもらいましょう。

 

以上、ご精読ありがとうございました。

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