声区融合の甘さが露呈した!無意識に発声できてこそ「真のミックスボイス」

キーや音域に捉われずに、どんな曲でも歌えるようになりたい・・・

一晩中歌っていても疲れない喉を獲得したい・・・

歳を重ねても、変わらぬ艶やかな声を維持したい・・・

皆さんや僕のようなボイトレ学習者にとっての究極の目的は「本当の意味での自由自在な声の獲得」です。

そして、その為には何が必要か?声のどういう状態を目指すのか?と問われたなら、「地声と裏声がしっかりと融合され一本化された、真のミックスボイスの獲得」という答えになります。

僕も指導を受けている武田梵声先生は、巷で流布しているインスタントに獲得できるミックスボイスと区別する意味で、本当の意味での自由な声を「真ミックスボイス」と名付けられています。

このブログでも再三書いている事ですが、声の不自由さの原因は「声が地声と裏声に分かれてしまっているから」という問題に集約されます。結局、6年~10年とも言われるボイストレーニングの長い旅は「地声と裏声を融合する旅」だと言っても良いと思います。いくら強い地声を持っていようと、滑らかな裏声が発声出来ようと、その二つを融合できない事には不自由さは残ったままです。声のトーンや質に拘らなければ「融合されている事=自由な事」とさえ言えると思います。

さて、僕は週に2~3度、大阪・梅田にあるキャバンクラブ大阪でビートルズナンバーを歌う仕事をしていますが、ライブの現場では本当に日々色々な事が起こります。

個人的な事やバンドのアンサンブルに関すること、また機械のトラブル等・・・何も起こらない日の方が少ないくらいです(笑)

この記事では、直近で起こったライブでのハプニング(アクシデント)によって理解できた事、また「意識して出来ること」と「無意識でも出来ること」の違いについて書いてみたいと思います。

お付き合い下さい。


ライブ中にアクシデントが発生しました

つい先日、演奏中に僕のベースが突然鳴らなくなる!というアクシデントが起こりました。

アンプの電源コードが外れていたことが原因でした。

この時は、異変に気付いたスタッフさんがすぐに電源コードを繋ぎにきてくれたので、演奏を止めずにそのままステージを進める事が出来ました。

こういうアクシデントが発生した場合は、演奏を止める場合とそのまま続ける場合があります。「修復不能のアクシデント」であるとリーダーが判断した時は演奏を一旦止めてアドリブのМCへと突入しますが、「流れを重視すべき」との判断の時は、最後まで演奏を続けます。

少し前には、演奏中にベースの弦が切れた事もありました。あの時も途端に上手く歌えなくなり、自分の声の不自由さを思い知ったばかりです。

 

僕は上手く歌う事が出来ませんでした

さあ、無事にベースも鳴るようになったので、バンドは次の曲を演奏し始めました。

次の曲のリードボーカルは僕でしたが、どうにも声が冴えません。

母音は響かないし、音程も怪しい、全体的に整合性を欠いてヨレヨレになりながら、あれよあれよと曲は終わってしまいました。

原因は、シンプルに「僕が前の曲でのアクシデントを精神的に引きずってしまっていた」だけの事です。

「これはステージが終わってから充分に検証しなければ!」と思い、すぐに録音を聴き返してみる事にしました。

僕は毎回のステージを全て録音する事にしています。ただ、毎度毎度、全曲を丁寧に聴き返す事は物理的に無理なので、歌っていて気になった曲だけを慎重に聴き直して、後は流し聴きする程度で済ませています。

ライブを録音したら、出来るだけ時間を空けないで聴き返した方が良いと思います。シンガーの中に「あそこをしくじった!」という記憶が明確なうちに聴き返して、録音がどういう結果になっているか検証してみてください。シンガーは「こういうミスは、こういう録音として残る」ことをたくさん記憶するべきです。

 

検証の結果、全ての原因は「融合の甘さ」でした

さて、録音を聴き返したところ、結果としては下記のようなまずいところが記録されていました。

「音程が悪い」「声のトーンに統一感がない」「響かない母音がたくさんある」

上記はどれも、アクシデント以前の曲では出来ていた事ばかりです。

これらの事が一度に出来なくなってしまった原因は、やはり!「地声と裏声が上手く融合されていなかった」からです。

音程の問題・響きの問題・母音の問題・・・複数の問題はバラバラには起こりません。つまり「音程が悪い日は、響きに統一感がなく、母音も悪い」という風に根っこで一つの問題と繋がっています。そして、その根っことは大抵の場合「地声と裏声の融合」という問題です。

 

僕は「強く意識して」融合しているに過ぎない

今回の事で僕が再認識したことは「僕は、未だに強く意識しないと、地声と裏声を融合出来ない」という手痛い事実です。

つまり「無意識には融合すら出来ない」という、自分自身の半人前さを思い知った事になります。

「完全に自由である」とは「完全に無意識で行なえる」という事に等しいです。

そういう意味では、僕の声はまだまだ「自由」には程遠いのです。

フレーズの最後に歪みを加えたり、ビブラートを意識的にかけたり・・・確かに僕は「融合させよう、させよう」としていました。つまり「無意識」とは程遠い事をしないと融合出来ないという事です。

 

真のミックスボイス=無意識のミックスボイス

ボイトレには調子の波があります。

上手くいっている時には「僕の声も、もう完成間近かな♪」などと考えてしまいます。

最近の僕は、愚かにも「ひょっとしたら、僕は6年~10年かけずに、もう少しで声を完成させられるのではないか?」とさえ考えていました。

しかし、それは大きな間違いでした。

未だに僕は、少なくとも発声に関しては「意識のかたまり」です。

ただ、このまま訓練を続けていけば「無意識の領域」に少しづつ近づけるだろうという確信はあります。

皆さんや僕にとって「完全に自由な声」は夢物語ではない事を、最後に付け加えておきます。

 

以上、ご精読ありがとうございました。

PAGE TOP