喉の状態をビジュアル化する ~出したい声を引っ張り出すために~

ボイストレーニングとは「生理的に正しい発声」を目指すものです。

これは当たり前の事であり、レッスンでは「生理的に正しいかどうか」のみが焦点となります。

そして、声に限らず全ての楽器の演奏は「正しいフォーム=正しい音(美しい音)」と捉える事が出来ます。

美しいフォームは美しい音を生み、醜いフォームもやはり醜い音を生む、という概念はボイストレーニングを進める上での大きな前提条件となります。

ボイトレで出来る唯一の事、それは「出てきた声で喉の中身を推測する事」だとも言えます。

このあたりが他の楽器のトレーニングと大きく違うことなのではないでしょうか?

例えばギターの練習はどうでしょうか?

難しいコードが、左手指の押さえ方が悪いせいで上手く鳴らない時、「目で見て」左手指の押さえ方を直していくでしょう。

声の訓練は、こうは行きません。

「正しくない声が出た」→「喉の使い方が悪いのだろうと”推測する”」→「違うトーンでもう一度発声してみる」・・・

声の場合は「見えない」筋肉にたいして「出てくる声のトーンを変えて」働きかけ、動かしていくのですから、プロセスがより複雑だといえます。

僕たちがどれだけ訓練しても、喉の中身を見ながら発声する事は絶対に出来ません。

しかし「このトーンの声の時の、喉の状態は?」と推測してイメージする事は、実際の歌ではとても役に立ちます。

今回は「喉の状態を推測する」ことに焦点をあて、喉の状態をビジュアル化する事、また実際に僕が実践していること等も書いてみたいと思います。

お付き合い下さい。


喉の状態をビジュアル化する

歌っている時の声のトーン・音程・音量などを自分なりにビジュアル化する事は、とても大切な事だと思います。

例えば、「平べったい声を、高い音程で、大きな音量で発声している」

それを次のようにイメージしてみます。

喉は、アルミのように平べったくなって、上から吊り下げられ引っ張られている。そして前後に大きく揺れている。

また、「太く豊かな声を、低い音程で、小さな音量で発声している」

次のようなイメージはどうでしょうか?

喉は、フランスパンのように厚くなって、下に重りを付けられて引っ張られている。そして前後に僅かに揺れている。

※上記は、あくまでもイメージ・連想の一例なので、人によってそれぞれ違うビジュアル化となります。

こんな風に、(見えない)喉の状態をビジュアル化しておくと、調子の悪い時などに、出したい声のトーンを導きやすくなります。

ビジュアル化は、出来るなら具体的な方が良いと思います。そして、声質からかけ離れたイメージ(高い音なのに、低い位置をイメージする等)をせずに、音質と合致する方向で行なってください。

 

ビジュアルが引っ張り出せないとき

上記のように、ビジュアルを思い描いて「特定の声のトーン」を引っ張り出そうとしますが、うまく導き出せない事がよくあります。

体や頭が疲れていたり、喉そのものの調子が悪い時などです。

そんな時、僕は少しの間、目をつぶって歌うようにしています。

僕の場合は、目をつぶるとビジュアルを思い描き易くなります。

また、「目をつぶってビジュアルを思い描く事が出来た」経験が増えると、いつでも「目をつぶりさえすれば」、出したい声のトーンを導き出し易くなってきます。

「目をつぶる」事は、あくまでも僕の方法なので、人によって「天井を見る」「うなだれる」など独自の方法が見つかると思います。

是非、参考にしてください。

僕の場合はジンクス的な意味合いもあります。ライブや発表会で上手く歌う為には「これをやったら絶対上手く歌える!」という約束事・セオリーみたいなものはたくさん持っていた方が良いと思います。

僕が行っている「目をつぶる」事のように、お客さんから見て「歌っている人として不自然でない」動作を選ぶべきとは思います。

 

まとめ

どんなイメージでも良いので、自分なりの「喉の状態のビジュアル化を行なっておく事は、必ず役に立つと思います。

「脳と喉」は、とても密接な関係にあり、頭で思い描いた事がそのまま声として反映されます。

本番前に「今日は声が出ないかも・・・」と、絶対に思ってはいけません!喉は「声が出にくい状態」へと調整されてしまいます。歌においてはマイナスのイメージを持つことは「失敗に向かって歩いていく」ようなものです。

ぜひ、「うまいビジュアル化」を行なって、いつでも引っ張り出せる声の種類を増やしてもらえたら、と思います。

 

以上、ご精読ありがとうございました。

筆者のプロフィール、ボイトレへの考え

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