「録音した声に違和感がある」理由と録音する事の大切さ

自分の声を客観的に聴く事は、とても大切な事です。

自主練習においても、そう思います。

レッスンでは先生が聴いてくれていますが、自主練習の時間は自分一人の判断に頼ることになるので、是非録音する癖をつけてください。

もちろんライブや発表会は、毎回必ず録音するべきです。

ライブや発表会の録音を聴くと、歌のどの部分で自分が精神的・物理的に乱れたかが克明に分かります。本番中に「ああ、失敗したな」と感じたところは必ず失敗しているし、何も感じず普通に歌えていると思っていた箇所でさえ破綻している事がよくあります。つまり、自分の主観的な印象・感覚というのはあまり役にたたないと思っておくべきです。※歌に関しては「悪い予感はよく当たり、良い予感はあまり当たりません」

高価な録音機は必要ありません。スマホのレコーダーで充分です。

さて、録音して聴いた時によくある感想は「自分の声じゃないみたい」「わたし、こんな声なんですか?」

口の悪い人は「自分の声がキモイ!」とさえ言います。

これは、ある意味当たり前の事で、普段自分で聴いている声は体の至るところに振動した音が体の内側から耳に伝わっているのですが、録音した声は一旦アウトプットされている、つまり「他の人がいつも聴いているあなたの声」という事になります。

よって、録音した声は「ご自分の声です」「あなた、こんな声です」、という事になります。

では、このような「自分の声をキモイ!」と思う感情、「思っていた声と違う」という感想はずっ持ち続けなければならないのでしょうか?

まさか、そんな事はありません!

今回はこのような「声の印象のギャップ」からはじまり、自分の声を録音することがいかに大切か、という話を書いてみたいと思います。

フースラーは「(自主練習を)録音する事はあまり役に立たない。耳は欠点にすぐに慣れるから」と述べていますが、少なくとも「何の役にも立たない」という事はないと思います。録音精度も格段に進歩しています。

お付き合い下さい。


声の印象のギャップは、すぐに埋まります

普段の声と録音の声が違う、という印象のギャップは、「自分の声のトーンを学習していない状態である」だけです。

つまり、あなたは「録音した声が自分の声」だと知らないだけなんです。

なので、何度も録音して聴き返しているうちに「この声は自分の声だ」と自然に思えるようになってきます。

脳がどんどん「自分の声=録音の声」という情報を上書きしていくのでしょうね!

僕も最初は、録音した自分の声が「キモかった」のかもしれません。※あまりに昔の事なのでハッキリ覚えていませんが・・・。今も毎夜録音して聴いていますが、もちろん「キモく」なんかありません。仮に「キモかった」としたら、直していかないといけません。これが皆の聴いているあなたの声なんですから!ボイストレーニングは声のトーンを劇的に変化させます。自分の声がキモくなくなり、愛おしくなりますよ!

 

録音した自分の声は、素晴らしい教材です

録音した声を聴くと本当に色々な事がわかってきます。

そのほとんどは自分では気が付けなかった事ばかりでしょう。

  • 声のトーン
  • 声の濁りの有無
  • 音程の正誤

「感覚と録音のギャップ」を埋めていく事も、自主練習の大きな目的です。

つまり、「太い声を出しているつもりでもそれほど深くない」「クリーンに発声しているつもりでも濁っている」「音程があっているつもりでも間違っている」、全ての事は録音を聴かないでは分からない事です。

録音することは面倒くさい事ではなく、合理的で手っ取り早く「自分の欠点」を見つける作業なのです。

ぜひ、しつこいくらい録音して「重箱の隅をつつきまくって下さい」

音程の問題は、少し複雑な要素が絡み合っています。「母音の違いによって音程が外れる」「発声器官の未熟さで目指す音に届かない」「音域によって響きに差がありフラットして聴こえる」等です。それぞれ「母音の純化」「アンザッツなどの基本訓練」「声区融合」といった風に練習方法も様々ですが、ボイストレーニングの正しい手順を踏んでいけば必ず改善します。正しいボイストレーニンは全ての声の問題をトータルに改善していくものだからです。

練習とは「重箱の隅をつつく」事です。かなり細かい事に目を向けて練習していても、本番ではそれらの事は簡単に忘れられてしまい、どうしても行き届かない箇所が生まれてしまいます。でも歌とはそういうものだと思った方がいいと思います。異常なほど細かい事にこだわった練習をしておくくらいが丁度いいです。

録音して自分を知り、幻滅しつづけた方が得です

録音は残酷です。

いくらお客さんが喜んで拍手喝采してくれても、後で録音を聴くと「無残な出来!」なんて事はしょっちゅう起こります。

でも、それは成長への一歩です。

そこで幻滅して、また練習すればいいのです。

ライブ等のおいて、録音機を直接PAに繋いで録る、所謂「ライン録音」は、僕はあまりお奨めしません。確かに鮮明な音質で録音出来ますが、「母音による響きの差」等が分かりにくい場合があります。(あまりに鮮明なため、全ての音が響いているように聴こえてしまう事があります) やはり客席などで、録音機のマイクが拾った音が「お客さんが聴いた音」に近いです。いわば上記で触れた「いつも自分で聴いている声」と「一旦アウトプットされ、皆が聴いている自分の声」の差のようなものだと思います。

僕はこのブログで時々【音声解説付き】記事を書いていますが、あんな数秒の録音ですら色々な情報が詰まっています。そして僕自身が気付いていなかった僕の声の欠点が記録されてしまった為に、何度も録り直したものも多いです。

 

 

以上、ご精読ありがとうございました。

 

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